img_column04_01
住宅を購入すべきか?

「これから起きるかもしれないインフレに備えて、マンションを買っておいたほうがよいでしょうか?」

最近、さくら事務所に訪れる方からよくいただく質問です。たしかに、ドルもユーロもきな臭い感じはします。両者ともさらに事態が悪化すれば、すでにジャブジャブになったペーパーマネーの信認がますます薄れ、実物資産である「金」などがさらに高騰するような局面が訪れるかもしれません。「不動産」もいわずと知れた実物資産であり、インフレとなれば価値が上昇する可能性を考えるのは自然なことといえます。

とある経済評論家などは「ハイパーインフレが来るかもしれないから、住宅ローンを組んでマンションを買っておきなさい」と発言しています。確かにインフレになれば、住宅ローンは実質的に目減りするし、実物資産である不動産の価値が相対的に上がる可能性もあるでしょう。かつてドイツで、1923年1月には250マルクであったパンの値段が同年12月には3990億マルクにまで値上がりしたことなどを例に引いて、それに備えよという論調も。私は、日本国内にハイパーインフレなど起こらない、起こりようがないと考えていますが、実物である不動産にポジションを取っておくことは一般的に、有効なように見えます。

日本国債の消化が進まず、万が一にでも「ハイパーインフレ」という事態に陥ったときにどうなるかは誰にも読みきれないでしょう。通貨の価値が常軌を超えて著しく減価するならば、実物である不動産が相対的に強くなるのは自明ではあります。

いずれにせよ、インフレに備えてマイホーム購入、という時に注意しておきたいのは、我が国の不動産の状況です。

日本の住宅は、もう世帯数に対して余剰しており、さらに今後少子化や高齢化、人口減少が本格的に進行することを踏まえると、どの不動産を選んでもOKということにはならないということ。端的にいって、実需要のないもの、弱いものを買っても無意味です。選ぶとしたら流動性が高い物件、つまりREITやファンド、またそれに派生する形で相場が形成される立地の物件などに限定されるでしょう。都心部の立地のよいマンションなどはこれに該当します。最近、都内の一等立地にあるビルを、ほぼ全額融資を利用して購入する、という勝負に出た個人投資家もいます。

住宅ローンを組む場合は、金利上昇に備えて固定を選択しておきましょう。これまで業界人やマネーに明るい人が組む住宅ローンは意外と変動金利が多かったものです。固定金利に比べて設定金利が低い変動を選ぶのは、目先金利の低さというメリットを取り、上昇基調を見極めたうえで固定金利に変更すればよいという考え方です。しかし、昨今の社会情勢を鑑みれば、もうそろそろ固定金利にしておくタイミングかもしれません。私のまわりでも何名かが変動から固定に切り替えを始めました。

変動金利は金利が上昇した場合も、支払額は1.25倍までというキャップがついているから安心、という営業トークが住宅売買の現場で散見されますが、ここは注意しておきましょう。確かに変動金利で月々10万円の支払いが上昇するのは12.5万円が上限ということになってはいます。しかし、半年に1回の金利見直し時に、もし3回続けて1.25倍が続けば支払額は19.5万円に跳ね上がります。さらに、この1.25倍の支払いがまかないきれない金利分は住宅ローンの最後に、未払い利息として一括返済しなければならないという基本原則を知らない人も多いようです。

※参考「インフレ懸念で日本の不動産はどうなる?(PDF)」http://www.nagashima.in/2012-02.pdf

コンテンツ提供:株式会社さくら事務所

関連記事

コラム VOL.12 ホームインスペクション(住宅診断)の実例
住宅購入の隠れた穴場も分かる?東京の駅、検索伸び率ランキング~2015年度購入編
中古住宅購入の際に注意したいポイントとは?
新築マンションのモデルルーム見学:周辺環境をチェック
住宅購入のケーススタディー