住まいは築30年を経過したあたりから、内装や水回り設備の老朽化が目立つようになり、リフォームを考える必要が出てきます。また、ライフステージの変化によって、住みにくさを感じる部分も出てくるかもしれません。しかし、マンションは一戸建てとは違い区分所有建物のため、リフォームにはさまざまな制約があります。そこで、マンションをリフォームする際の注意点について解説するとともに、一般的なリフォーム費用の予算500万円でできることについてまとめました。

マンションは、“○○号室”として区切られた専有部分と、階段やエントランスなどの共用部分に分かれ、リフォームできるのは専有部分のみです。玄関ドアや窓のサッシ、バルコニーなども共有部分に該当します。そのため、玄関ドアは室内側にシートを貼ることはできますが、ドア自体を勝手に変えることはできません。また、躯体も共有部分ですので、隣戸との境である界壁にアンカーボルトを打ち込むなど穴を開けることもできません。さらに、専有部分のリフォームでも、管理規約によって制限が設けられていることが多いため、マンションリフォームの際は、まず初めに管理規約を確認する必要があります。

 

マンションでリフォームできるのは「専有部分」

マンションでリフォームできるのは「専有部分」

マンションの管理規約には、専有部分のリフォームに関する規定があるケースがほとんどです。リフォームを行う前に管理組合に事前の届け出や承認を必要とするケースが多く、上下階の同意を得ることが義務づけられているマンションもあります。届け出が必要なリフォーム工事の範囲は、管理規約によって異なります。工事開始の1ヶ月前に手続きが必要なケースもありますので、早めに管理規約を確認しておきましょう。

 

また、足音など騒音の問題から、多くのマンションは使用できる床材に制限を設けています。ただし、防音マットを使用することによって無垢材のフローリングの使用が認められることもあれば、決められた遮音等級以上のフローリングを使用することが義務づけられ、床材の変更が認められないこともあります。たとえば、カーペット敷き込みの部屋をフローリング張りに変えられないといったケースです。リフォームで規定以外の床材を使用したい場合には、管理組合に相談してみましょう。

 

マンションの管理規約に注意しよう

マンションの管理規約に注意しよう

築30年、70m2程度の広さを想定して、予算500万円でどのようなリフォームができるのか考えてみます。キッチンやユニットバス、洗面台、給湯器などの設備機器を交換し、フローリングや壁紙を張り替えるとともに、間取りの変更を伴うリフォームが可能です。

 

築30年のマンションは、老朽化によって水回り設備を交換する必要が出てきます。マンションのリフォームは、床下の排水管の勾配をとって配管するため、ふところを確保できれば水回りの位置を変更することも可能です。

システムキッチンの交換リフォームは、グレードによって差はありますが、100万円程度が目安です。壁付のキッチンを対面式にするといった軽微な位置の変更を伴うと、壁の撤去や排気用ダクト工事、給排水管工事が必要になるため、120万円~150万円程度になります。

 

ユニットバスの交換は、80万円~100万円程度が目安です。トイレ本体の交換工事は10万円程度ですが、温水洗浄便座のみの交換は5万円程度で済みます。洗面台は既成品であれば10万円程度で交換できますが、造作で設置場所のサイズに合ったものを製作すると割高になります。約15年ごとに交換が必要な給湯器は、築30年では2回目の交換のタイミングとなることが一般的で、費用は15万円程度です。

 

水回り設備のリフォーム費用の目安は?

水回り設備のリフォーム費用の目安は?

近年の多くのマンションは、梁や柱で支えるラーメン構造のため、間仕切り壁を撤去して間取りを変更することも可能です。間仕切り壁を取り払い、2室を1室にする工事は、70万円程度が目安になります。和室から洋室へのリフォームは、50万円程度です。フローリングの張り替えは、遮音性能の高い複合フローリングを使用して45万円程度、壁紙の張り替えは40万円程度が目安になります。

 

間仕切り壁を撤去したりフローリングを張り替えることも

間仕切り壁を撤去したりフローリングを張り替えることも

マンションのリフォームで骨組みまで解体するスケルトンリフォームをするには、1000万円程度の予算を要します。しかし500万円の予算内でも、一部の壁を撤去したり、新たに壁を設置したりして、ライフスタイルに合わせた間取りに変更することも可能でしょう。

 

例えば子どもの独立後、個室が不要になったと仮定します。この場合、リビングに隣接する部屋との間仕切り壁を撤去することで、大勢でも広々と過ごすことができる開放感のあるリビングを作ることができます。あるいは、夫婦の生活時間帯が異なるのであれば、寝室を別にすることも選択肢の1つです。和室を洋室にリフォームして、ワークスペースや趣味の部屋にするといった使い方も考えられます。

 

築30年というタイミングは老朽化した設備や内装を一新するとともに、ライフスタイルに合った住まいへ作り変えるうえでも、リフォームを考える良い時期といえるでしょう。

 

スケルトンリフォームで大胆な変更も

スケルトンリフォームで大胆な変更も

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