築22年の元事務所マンションを健康的な新婚世帯にリフォーム

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明るく清潔感に溢れるリビングダイニング。決して広くはないのだが、とても解放感があるのは美しい白い壁ならでは。複雑な部屋角の塗り方に慣れれば、DIYはむずかしくないそう

■予算内に納めるためDIY※に

JR西日暮里駅徒歩圏の中古マンションにお住まいのMさん夫妻は、築22年のこのマンションを、新婚生活の場として2008年冬に購入しました。

「価格が安く、仕事場に歩いても行ける立地が気に入って決めたのですが、元は長く事務所として使われていて、とにかく汚く、全面リフォームが必要でした。以前からスイスしっくいは知っていて、マイホームの壁はこれと決めていたのですが、予算の関係で実現するにはDIYしか道はなかったんです」(Mさん)

※DIY(ディー・アイ・ワイ)…自らの手で生活空間をより快適に作ること。英語でDo It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)の略語で、「自分で作る」という意味。

「手間と時間の分だけ愛着もわきます」

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廊下の壁にはちょっとした模様をアクセントで付けてみた。リビングダイニングの壁は海をイメージして青い天然塗料を混ぜてグラデーション効果も狙ってみたという。思いつきで色々楽しめるのがDIYのメリットでもある

若い二人の共同作業は約1ヶ月間。他のリフォームの工程に合わせるため、深夜まで壁塗りを続けることもしばしばでした。一番大変だった作業は、何重にも張られた壁紙をきれいに剥がし、下地処理をする工程だったそうです。

頑張った甲斐があり、専有面積約50平方メートルの室内すべての壁と天井をスイスしっくいで仕上げることができ、かかった費用は材料費約50万円のみ。その住み心地には非常に満足しているそうです。

塗り壁の厚みは2mmほどですが、室内空気を快適な状態に保つ環境性能は十分発揮されているようです。

「雨の日でも湿度はやや低く、じめじめした感じはありません。煙草や焼肉の臭いも直ぐに消えてしまいます。とにかく真っ白なので視覚的にも広く感じられますね。音楽家の妻は『楽器やCDの反響具合がいいし、睡眠の浅い質の私がぐっすりと眠れるのが何よりすごい』といっていますが、これは僕も同感です」(Mさん)

【エコなポイント】DIYのメリット

・費用を低く抑えることができる
・自分の好きな素材・質感にこだわって施工できる
・思いつきやひらめきで、自由に内装を楽しむことができる

プロが仕上げた芸術的な大壁は「家のシンボル」&強力な空気清浄機

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来客の誰もが驚き、羨ましがるという「籾殻の版築」の壁。美しさだけでなく機能性も備えている家のシンボルだ。NHLに籾殻を混ぜ、型枠を組んだ上で、下から数度に分けて、叩いて締めて叩いて締めてを繰り返し、層状に形成した力仕事だそうだ

新宿区内にある築37年の中古マンションを購入したKさん。拝見してすぐ目を惹きつけられるのが、玄関からリビングまで続くまるで、地層が露出したような芸術的な大壁です。建築家の不破博志さん、横浜国立大学の河端昌也研究室、池田勝利研究室(当時。現クスノキ石灰)が共同開発した「籾殻の版築(はんちく)」という手法(詳しくは写真下の説明を参照)を使い、プロ3人が3日がかりで仕上げたNHL(天然水硬性石灰)の壁だそうです。

「はじめから、壁をビニールクロス仕上げにするのはいやでした。雑誌で不破さんが手がけた住宅の壁を見て、もうこれしかないという感じで一目ぼれです。それから主人を一生懸命説得して実現しました。毎日見ていても飽きない自慢の壁なんですよ」(Kさん)

この版築の壁は厚さ約7cmもあり、調湿や消臭効果も絶大。室内飼いの愛犬の臭いも、まったく残らないとのことです。この壁だけで費用は工事費込みで約50万円かかったそうですが、その価値は十二分にあったとKさん。他に寝室とダイニングの壁1面ずつをNHLで塗り、その他の壁は予算の関係でクロスの上から「しっくいペイント」で仕上げました。

居心地がよく、安心できる空間

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寝室とダイニングの壁1面づつは、NHLと砂のモルタルで仕上げた。この仕様で5mm厚で施工した場合の材料費は、NHLと砂の合計で892円/平米と、リーズナブルだ

リフォーム費用で最も高額だったのは、専有面積80平方メートルのすべてを幅広のオークで覆ったフローリングの床。これがKさんのもうひとつの憧れだったのです。

「エアコンを使ったのは、夏の間も1、2回だけ。冬も暖かく、暖房は電気ストーブひとつで十分です。自然素材で包まれた空間は本当に居心地がよく、安心できる気がします。視覚的にもテカテカしなくて落ち着きますね」(Kさん)

【エコナポイント】プロにお願いするメリット

・本格的・専門的な手法にこだわることができる
・仕上げが美しい
・短い期間で施工してもらうことが可能

今回取材した天然素材の「NHL」と「スイスしっくい」で作られた部屋は、どちらも空気が清浄で居心地の良さを実感しました。また、人の手が入った「温かみ」が、室内を特別な場所にしているという印象も受けました。プロの技とDIY、それぞれのよさがあります。あなた次第で、エコな住まいが実現できるのです。

取材協力
 ・スイスしっくい (イケダコーポレーション)
 ・天然水硬性石灰 (クスノキ石灰)

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