三大都市圏の平均混雑率は?

通勤や通学時に電車を利用する人にとって、気になるのはその路線の混雑状況だろう。住み替えや転職をするとして、利用路線が混みあうのかを気にする人も多い。国土交通省は、2018年7月17日に都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。本調査は、通勤通学時間帯の鉄道の混雑状況を把握するため、毎年度実施されている。

三大都市圏、主要区間の平均混雑率は、東京圏が163%、大阪圏125%、名古屋圏131%であった。東京圏が昨年の165%と比較してわずかに減少したものの、おおむねこの数年間横ばいとなっている。

※混雑率の目安:
100%⇒定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる)。
150%⇒広げて楽に新聞を読める。
180%⇒折りたたむなど無理をすれば新聞を読める。
200%⇒体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。
250%⇒電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない。

国土交通省は、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」(平成28年4月20日交通政策審議会第198号答申)において、ピーク時における主要31区間の平均混雑率を150%以下に、ピーク時における個別路線の混雑率を180%以下にすることを目指すとしている。

国土交通省都市鉄道の混雑率調査結果、資料1:三大都市圏の主要区間の平均混雑率の推移より、三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移の東京、大阪、名古屋のグラフ国土交通省都市鉄道の混雑率調査結果、資料1:三大都市圏の主要区間の平均混雑率の推移より、三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移の東京、大阪、名古屋のグラフ

混雑率180%超え路線は関東の11路線

目標混雑率である180%以下を超えている路線は下記。180%超えの路線は前回調査の12路線から11路線に減少した。

東京地下鉄東西線:199%
JR東日本総武緩行線:197%
JR東日本横須賀線:196%
JR東日本南武線:189%
JR東日本東海道線:187%
東京都日暮里舎人ライナー:187%
JR東日本京浜東北線:186%
JR東日本埼京線:185%
東急田園都市線:185%
JR東日本中央快速線:184%
JR東日本総武快速線:181%

1998年、ピーク時における東京圏主要31区間の平均混雑率は183%であった。ピーク時における個別路線の最混雑区間の混雑率が180%を超える区間は、1998年に23路線あったが、2017年には11路線と改善していることがわかる。

なお、名古屋圏主要区間のうち混雑率が高かった3つは、名鉄本線(東)神宮前~金山区間で143%、名鉄本線(西)栄生⇒名鉄名古屋143%、名古屋市東山線名古屋⇒伏見140%。大阪圏は阪急神戸本線神崎川⇒十三147%、大阪市高速電気軌道御堂筋線梅田⇒淀屋橋146%、阪急宝塚線三国⇒十三144%であった。

国土交通省都市鉄道の混雑率調査結果、資料1:三大都市圏の主要区間の平均混雑率の推移より、混雑率の目安国土交通省都市鉄道の混雑率調査結果、資料1:三大都市圏の主要区間の平均混雑率の推移より、混雑率の目安

東京都の輸送計画は

大会時は、交通機関と同様に道路の混雑も予想される。対策を行わなかった場合、首都高の渋滞は現在の2倍近くになることが想定されている大会時は、交通機関と同様に道路の混雑も予想される。対策を行わなかった場合、首都高の渋滞は現在の2倍近くになることが想定されている

公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員と東京都がまとめた輸送運営計画V1によれば、東京2020オリンピック競技大会では約780万人、東京2020パラリンピック競技大会では約230万人の観客が見込まれている。

2018年1月に発表された東京2020大会の交通マネジメントに関する提言(中間まとめ)では、観客による競技会場付近での局所的な混雑に対して①輸送力の確保 ②観客の需要分散・平準化 ③一般利用者の需要分散・抑制の3つの施策を進めるとしている。混雑が予想される主な駅として、山手線 原宿駅、銀座線 外苑前駅、有楽町線 辰巳駅、京葉線 新木場駅があげられた(一定の想定に基づき、現状の施設容量を評価した結果によるもの)。原宿駅や新木場駅では駅の改良工事が予定されている。今後、交通事業者などと具体的な対策の検討がされるようだ。

東京都によるテレワークの推進も進められているが、今以上の混雑が予想される2年後、交通網ではどういった対策がなされるのか。現在作成が進められている、輸送運営計画V2を待ちたい。

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2018年 08月27日 11時05分