日本人宿泊客数が前年割れ、外国人宿泊者数は過去最高に

2018年2月28日、観光庁は2017年宿泊旅行統計調査(速報値)を公表した。
調査結果によると、延べ宿泊者数は前年と比べて1.2%増の4億9,819万人で、このうち外国人宿泊者は12.4%増の7,800万人泊となり、調査開始以来の最高値となった。一方で、日本人宿泊者数は0.7%減の4億2,019万人泊と2年連続で前年割れとなっている。
宿泊者数の内訳を都道府県別に見てみると、多い順に東京都(5,810万人泊)、北海道(3,468万人泊)、大阪府(3,270万人泊)、千葉県(2,299万人泊)、沖縄県(2,110万人泊)となっており、続く静岡県、神奈川県、京都府、長野県、福岡県の上位10位が、延べ宿泊者数の53.0%と半数以上を占めている。

年別・延べ宿泊者数推移(平成25年~平成29年)<BR />観光庁『宿泊旅行統計調査(平成29年・年間値(速報値))』年別・延べ宿泊者数推移(平成25年~平成29年)
観光庁『宿泊旅行統計調査(平成29年・年間値(速報値))』

伸び率の高い地方では前年比16%も

今回の調査結果の大きな特徴の一つが、地方部における宿泊者数の前年比率の伸びだ。
全国の宿泊者数の平均が前年比+1.2%なのに対し、鹿児島県+12.0%、愛媛県+10.3%、福岡県+9.6%、宮崎県+7.4%、富山県+6.5%と続いている。しかし、東京都は1.0%で全国平均を下回る結果となっている。

そして宿泊者数の対象を外国人に限定すると、また違った様相を見せる。外国人の宿泊地においては、三大都市圏(※)が+10.2%の伸びなのに対し、地方が+15.8%と地方部が都市圏を上回る結果となった。
特に増加率が高いエリアとして、青森県+60.3%、大分県+59.3%、佐賀県+51.9%、熊本県+51.7%、岡山県+50.2%と、50%を超える県が5つあった。
また前述の青森県に加えて、秋田県+47.0%、岩手県+46.2%、福島県+44.4%など、東北エリアも加率が高い県が集中している。
一方、滋賀県-21.7%、三重県-21.3%、茨城県-15.0%など、前年と比べて減少しているのは47都道府県中、滋賀県、三重県、茨城県を含み7県となった。
※三大都市圏…東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県。地方部は、三大都市圏以外の道県をいう。

都道府県別外国人延べ宿泊者数(平成29年1月~12月(速報値))と前年比<BR />参照:観光庁『宿泊旅行統計調査
(平成29年・年間値(速報値))』都道府県別外国人延べ宿泊者数(平成29年1月~12月(速報値))と前年比
参照:観光庁『宿泊旅行統計調査 (平成29年・年間値(速報値))』

アジアと欧米で異なる宿泊地

外国人宿泊者数を国籍(出身地)別に見てみると、第1位が中国(1,732万人)、第2位が台湾(1,124万人)、第3位が韓国(1,093万人)、第4位が香港(618万人)、第5位がアメリカ(479万人)で、上位5ヶ国・地域で全体の約70%を占めた。一方、伸び率で見た場合、韓国が前年比で+41.2% 、ロシアが同+35.2% 、インドネシア同+21.8%、ベトナム同+21.3%などが大幅に増加している。

また、外国人宿泊者の宿泊地の傾向として、中国や香港、台湾、シンガポール、タイなどのアジアの外国人宿泊者が、東京・大阪以外に、北海道に宿泊しているに対し、アメリカやカナダ、イギリス、ドイツ、オーストラリアなどの欧米の国々の外国人観光客は、東京に次いで京都に宿泊するケースが多くみられた。

国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数<BR />参照:観光庁『宿泊旅行統計調査(平成29年・年間値(速報値))』国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数
参照:観光庁『宿泊旅行統計調査(平成29年・年間値(速報値))』

過去最高の客室稼働率の中でも際立つ大阪

客室稼働率の年間値についても、昨年と比べて伸びている。全体で稼働率60.8%と前年比で+1.1%となっている。タイプ別では、シティホテル79.4%、ビジネスホテル75.4%、リゾートホテル57.8%、旅館38.1%となっており、いずれも平成22年の調査対象拡充以降の最高の値である。(※)
そのほか、客室稼働率が80%を超えた都道府県は、シティホテルが8ヶ所(同11ヶ所)、ビジネスホテルが3か所(同3ヶ所)、リゾートホテルが2か所(同2ヶ所)となり、シティホテルの高稼働傾向が顕著な結果となっている。

また都道府県別に見てみると、大阪府の全体稼働率が83.1%で最も高く、タイプ別に見てみても、リゾートホテル90.6%、シティホテル89.3%、ビジネスホテル85.1%、簡易宿所59.4%、旅館58.1%のすべてのタイプが全国で最も高い値となった。

2018年6月、いよいよ民泊新法「住宅宿泊事業法」が全国で施行され、旅館業法等の規定に当てはまらない宿泊形態が多く登場するだろう。民泊の本格的な登場によって、宿泊施設の稼働率にどのような影響を与えるのだろうか。注目したいところだ。

※…平成19年の調査開始当初は、従業員数10人以上の宿泊施設のみを調査対象としていたが、平成22年第2四半期調査から調査対象を従業員数9人以下の宿泊施設にも拡充している。

都道府県別外国人延べ宿泊者数(平成29年1月~12月(速報値))と前年比<BR />参照:観光庁『宿泊旅行統計調査
(平成29年・年間値(速報値))』都道府県別外国人延べ宿泊者数(平成29年1月~12月(速報値))と前年比
参照:観光庁『宿泊旅行統計調査 (平成29年・年間値(速報値))』

調査概要

・調査期間 毎月(1ヶ月間)
・調査施設 全国のホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所などの50,119施設

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2018年 04月26日 11時06分