持ち家の特権!自分の城を好きなように、自分らしい住まいをつくるDIYとは

前回行った「賃貸居住者に聞いたDIYランキング」に続いて、今回は売買(持ち家)居住者にどんなDIYに挑戦したのか聞いてみた。

テレビや雑誌など、各種メディアで取り上げられることが多くなった「DIY」。
ハンドメイドのアクセサリーやクラフト雑貨を始め、お部屋や住まいの印象をガラッと変えるセルフリノベのDIY事例も出てきている。持ち家というすでに「自分の城」となっている住まい。賃貸と比べると制約も少なく、やろうと思えば様々なDIYにチャレンジできる。今回は、持ち家にお住まいの方に、どんなDIYしたか、前回の賃貸居住者が行った内容と比較しながらお届けしたい。

持ち家の特権!自分の城を好きなように、自分らしい住まいをつくるDIYとは

持ち家居住者がDIYした場所の1位は意外なあの場所!?

持ち家に住んでいる人にどんなDIYをしたのか聞いてみたところ、賃貸居住者同様に「小物や雑貨を作る」「棚を作る」が上位2位に入った。やはりこの2つはDIY初心者が着手しやすいものなのだろう。また、1位から4位までは順序が多少入れ替わるものの、賃貸居住者と同じ内容が入っている。一方、賃貸で5位に入っていた「壁紙を貼る」が、持ち家では7位に落ちている。さらに、賃貸居住者のベスト10に入らなかった「お風呂を変えた」が10位に入り、賃貸ではなかなか手を出しにくい水周りを手がけている人が存在していることが分かる。

■どんなDIYをしたか?(複数回答可 n=1303※スクリーニング調査)
第1位 小物や雑貨を作った 41.1%(536票)
第2位 棚を作った 38.1%(497票)
第3位 壊れたもの、サイズが違うものなどを修繕した 26.6%(347票)
第4位 家具やインテリアを作った 23.9%(311票)
第5位 塗料や色を塗った(壁や床、家具など) 20.0%(261票)
第6位 庭を変えた 18.6%(243票)
第7位 壁紙を貼った 17.6%(229票)
第8位 トイレを変えた 9.0%(117票)
第9位 床を張り替えた 8.7%(113票)
第10位  お風呂を変えた 5.8%(76票)


DIYをした場所を聞いてみたところ、こちらは賃貸居住者から大きく変化が見られた。
賃貸では7位(13.6%)だった「庭」が、持ち家では1位(33.9%)となり、約20ポイントの差が出たのが特徴的だ。具体的に何を作っているのか聞いてみたところ、「レンガで花壇を作った」や「畑を作った」などのガーデニング・家庭菜園系、ベランダでも人気の「ウッドデッキ」、面白いところでは「庭に滑り台、砂場、鉄棒を作った」や「小さい倉庫を建てた」などの回答が見られた。家庭菜園から家族の集いの場、遊び場、収納にいたるまで、「庭」というスペースを活用することで実現している。実は部屋以外のスペースを自由に活用することを欲しているのかもしれない。賃貸ではなかなかできない楽しみ方だ。
さらに賃貸で1位(39.4%)だった「キッチン」は、持ち家では5位(18.3%)と、こちらも約20ポイントの差が出た。持ち家ではキッチンの設備、収納などが最初から充実している場合も多いためだろうか。2位は持ち家も賃貸も「リビング」が入ったが、賃貸の37.9%と比べると約10ポイントの開きが見られる。

DIYで作ったものを使う場所や、DIYを施した箇所(複数回答可 n=416)
第1位 庭 33.9%(141票)
第2位 リビング 26.97%(111票)
第3位 寝室 20.19%(87票)
第4位 ベランダ 20.2%(84票)
第5位 キッチン 18.3%(76票)
第6位 玄関 16.8%(70票)
第7位 子供部屋 13.7%(57票)
第8位 トイレ 13.5%(56票)
第9位 ダイニング 10.3%(43票)
第10位 お風呂 8.2%(34票)

持ち家居住者がDIYしようと思った理由は?

なぜDIYをしようと思ったのか?その理由を聞いてみた。結果は8位まで、賃貸と全く同じ結果となった。持ち家でも、「作った方が安くできる」からといったコスト面や「簡単にできるものだったから」という難易度がDIYに挑戦しようと思った理由になっており、3位、4位の「作ることが好きだから」や「自分らしいこだわりの空間を作りたいから」といった「趣味」や「こだわり」につながるものはその次という結果になった。

■DIYしようと思った理由(複数回答可最大3つまで n=416)
第1位 作った方が安くできるから 40.4%(168票)
第2位 簡単にできるものだったから 34.1%(142票)
第3位 作ることが好きだから 20.7%(86票)
第4位 自分らしいこだわりの空間を作りたいから 19.7%(82票)
第5位 必要なものが売っていなかったから 16.1%(67票)
第6位 作った方がより愛着がもてるから 13.9%(58票)
第7位 直せばまだ使えるから 8.7%(36票)
第8位 既製品の見た目が気に入らなかったから 7.7%(32票)
第9位 友人や家族に見せたいから 5.8%(24票)
第10位 人と同じものが嫌だから 4.1%(17票)


1位の「作った方が安くできるから」をエリア別で見ると、賃貸居住者の場合は、関西地方の半数近く(47.1%)が回答しており、関東地方に12ポイント近く差をつけていた。しかし、今回の持ち家居住者の結果を見ると、関西地方で「作った方が安くできるから」と回答した人は36.7%と賃貸版と比べ10ポイント近く下げており、さらに関東地方の41.6%をも下回る結果になった。(グラフ1参照)

グラフ1:住まいやお部屋のDIYをしようと思った理由(複数回答 n=416)グラフ1:住まいやお部屋のDIYをしようと思った理由(複数回答 n=416)

男女で分かれるDIYに対する姿勢

前述した「DIYしようと思った理由」を男女別に見なおしてみた。
すると、全体2位の「簡単にできるものだったから」(39.2%)は男性に比べて女性の回答が多く、女性単体でみると1位となっている。さらに、女性のみの3位は「必要なものが売っていないから」(20.6%)であり、女性は「難易度」と「必要性」を見てDIYする傾向がうかがえた。一方で、男性は1位、2位、3位は全体の順位そのままであるが、それでも3位「作ることが好きだから」(26.6%)は、女性の回答14.8%と比べると、12ポイントもの差をつけており、作る行為そのものが好きなようだ。全体の4位「自分らしいこだわりの空間を作りたいから」は男性で19.8%、女性で19.6%と、ほとんど差が見られなかった。

また、分からないことがあった場合の解決方法について男女別で確認してみると、性別・年代にかかわらず、インターネットでの検索が圧倒的に高く、男女とも約半数の人が回答として挙げている。しかし2位以降では、男女で傾向が分かれてくる。男性の2位は「ホームセンターの店員に相談する」だが、女性は「家族やパートナーに相談する」だ。
特に男性は3位から5位まで「DIYに詳しい友人・知人に相談する」「動画で手順を調べる」「雑誌・書籍を読む」と続き、女性の2位である「家族やパートナーに相談する」は7位にまで落ちている。男性は身近な家族よりも、専門知識を持っている人に相談をする傾向があるようだ。(図2参照)
この結果に対照的なのが女性の3位だ。「特に相談せずやってみる」が入っている。
男性は事前に調査や準備を入念にすることで、きちんと作ろうとする慎重さが見られる。反面、女性は男性ほど難しく考えず、良い意味で「適当さ」を持ちながらトライしてみる思い切りの良さがあるように感じられる。
最近話題のDIYer(ディアイワイヤー)の中でも、女性の台頭が目覚しいのは、こんなところが要因なのかもしれない。

図2:男女別・住まいやお部屋のDIYに関して分からないことがあったときの解決方法(複数回答 n=416)図2:男女別・住まいやお部屋のDIYに関して分からないことがあったときの解決方法(複数回答 n=416)

賃貸居住者に続き、DIYに挑戦した人の満足度は非常に高い

グラフ3:住まいやお部屋のDIYをやってみてどのように感じましたか?(1つだけ選択)グラフ3:住まいやお部屋のDIYをやってみてどのように感じましたか?(1つだけ選択)

最後に「DIYをしてみた感想」を聞いてみた。
「楽しく感じまたやりたい」という感想が74%、さらに「つらかったがまたやりたい」まで加えると約85%の人がDIYに再挑戦することに前向きな感想を持っていた。一方「つらかったのでやりたくない」人たちは約2.6%、「楽しかったけどやりたくない」人たちを加えると、約13%の人たちは再びDIYすることに難色を示している。
賃貸居住者は約82%の人たちが前向きな感想を持ち、約17%の人たちが難色を示していた。今回持ち家の人たちに聞いたこの結果は、賃貸居住者に比べてもさらに、DIYに好意的な感情を持っていたことが分かった。(グラフ3参照)

DIYした人たちの満足度は、賃貸居住者に続いて非常に高いことが分かった。
今回の結果もそうだが、雑貨を使ったDIYから家具の製作、そして最近ではテレビや雑誌等で、タレントさんが大掛かりに住まいを変えてしまうようなセルフリノベも、よく見られる。それだけ身近になり、趣味や自分のこだわりを住まいに反映させることに力を注ぐ人が増えてきているのだ。

そして、DIYは今回のような自分の持ち家だけではなく、空き家となっている中古住宅(ストック住宅)市場にも新しい可能性と魅力を運んでくるのではないだろうか。
「空き家だった古民家をDIYで改装して、カフェにしてみた」
「借り手がつかなかった一軒家をDIYしてシェアハウスにした」
こうした事例は今では様々なところで聞くことができる。

また最近ではDIY(Do It Yourself)だけではなく、皆で作る「DIT(Do It Together)」のような活動も増えてきている。皆で苦労しながら一緒に作ることで、相手のことを知ることができ、そして完成の喜びを分かち合う仲間ができる。
DIYがコミュニケーションツールとなっているのだ。
もし、自分で始めるきっかけをつかめないのであれば、まずは周りでDIYしている人のお手伝いや、ワークショップなどのイベントなどに参加してみるのも一つの手かもしれない。

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調査概要
【調査実施期間】
スクリーニング調査 2016年7月29日~8月5日
本調査 2016年9月7日~9月12日
【調査対象者】
全国 20歳~59歳 男女
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
スクリーニング調査 6879サンプル
本調査 416サンプル
※データ使用や詳細データのお問い合わせはhomes-press@next-group.jpまでご連絡ください。

公開日: