国土交通省発表の高速道路通行止めランキング
2015年の6月に国土交通省がビッグデータの集計結果として発表した「平成26年度高速道路の通行止めワーストランキング」を今回とりあげたい。
住まいに欠かせない重要なインフラの一つ高速道路。日中だけでなく深夜も早朝も、様々な物資を運んだトラックや乗用車が休みなく走り続ける。もし通行止めになったら、一般道路の通行止めとは異なり抜け道がなく私たちの暮らしに影響しかねない。そうした意味で、高速道路の通行止めはなるべく避けたいことだが、日本の地形的・気象的なことで通行止めにならざる負えないことがある。
今回、国交省が発表したランキングによるとどうも一定の地区に偏っている傾向が見られる。暮らしの中の先々のリスク回避のためも、今回ランキング発表から予め知っておくといいかもしれない。
降雨/雪による通行止め時間ワースト1位は…
降雨による通行止め時間のワースト1位~5位(同列も含み6位)は下記の通り。
1位:61.4時間 松山自動車道 川内 ~ いよ小松JCT 上
1位:61.4時間 松山自動車道 いよ小松JCT ~ 川内 下
3位:60.5時間 高知自動車道 南国 ~ 大豊 上
3位:60.5時間 高知自動車道 大豊 ~ 南国 下
5位:57.0時間 松山自動車道 いよ小松JCT ~ いよ西条 上
5位:57.0時間 松山自動車道 いよ西条 ~ いよ小松JCT 下
松山と高知の自動車道がワースト5位に入った。四国の路線は降雨による通行止めが発生しやすいといえる。
降雨を除いた霧や雪による通行止め時間ワースト1~3位(同列も含み10位)を見てみよう。
1位:271.0時間 大分自動車道 日出JCT ~ 湯布院 上
1位:271.0時間 大分自動車道 湯布院 ~ 日出JCT 下
3位:245.9時間 宇佐別府道路 速見 ~ 大分農業文化公園 上
3位:245.9時間 宇佐別府道路 大分農業文化公園 ~ 速見 下
3位:245.9時間 大分自動車道 別府湾PAスマートIC ~ 日出JCT 上
3位:245.9時間 大分自動車道 日出JCT ~ 別府湾SAスマートIC 下
3位:245.9時間 大分自動車道 別府 ~ 別府湾SAスマートIC 上
3位:245.9時間 大分自動車道 別府湾SAスマートIC ~ 別府 下
3位:245.9時間 大分自動車道日出速見支線 速見 ~ 日出JCT 上
3位:245.9時間 大分自動車道日出速見支線 日出JCT ~ 速見 下
大分が霧や雪による通行止め自動車道のワースト5を占める結果になった。雪といえば北国をイメージしやすいが、雪が原因で通行止めするよりも霧が原因のほうが多いという結果が分かった。雪国で言えば「舞鶴若狭自動車道」が13位にようやく出てくるが、通行止め時間は154.7時間。大分の通行止めと100時間近くも違う。
大分は月22時間通行止めが発生しており、こうした状況の解決策として案内標識のLED化など視線誘導対策をとり極力通行止めを抑制しているという。
事故/工事による通行止め時間ワースト1位は…
次に事故による通行止め時間ワースト1位~2位(同列も含み6位)について見てみたい。
1位:95.4時間 山形自動車道 庄内あさひ ~ 湯殿山 上
2位:68.8時間 西湘バイパス 西湘二宮 ~ 橘 下
2位:68.8時間 西湘バイパス 橘 ~ 国府津 下
2位:68.8時間 西湘バイパス 国府津 ~ 酒匂 下
2位:68.8時間 西湘バイパス 酒匂 ~ 小田原 下
2位:68.8時間 西湘バイパス 早川 ~ 石橋 下
1位は断トツで山形自動車道になった。宝沢トンネル付近で夏、冬とも事故が多いという。2位以下は西湘バイパス。一見どこの道路か分からないが、箱根ターンパイブがある道路と言えばピンとくる方も多いのでは?神奈川県の小田原市を通る自動車道で箱根に行く人が通る事が多い道路だ。ここの通行止めの要因としては海の側を走る道路で強風などで越波が起こりやすく事故につながるためだという。
では工事による通行止め時間ワースト1位~4位(同列も含み5位)はどこだろうか?
1位:1,440.0時間 関門トンネル 門司 ~ 下関 上
1位:1,440.0時間 関門トンネル 下関 ~ 門司 下
3位:608.0時間 八戸自動車道八戸青森線 八戸北 ~ 八戸JCT 上
4位:247.0時間 磐越自動車道 津川 ~ 西会津 上
4位:247.0時間 磐越自動車道 西会津 ~ 津川 下
1-2位は関門トンネル。海の中を通るためメンテナンスがこまめに必要であり、ある意味仕方がないかもしれない。通行止めの際には、迂回路として並行する関門橋が活用している。
意外と首都圏は…
交通量の多い首都圏で事故や工事などが盛んに発生している印象が強かったが、意外と地方の高速道路のほうが自然要因などで通行止めが発生しやすいことが判った。首都圏の場合、工事をするにしても一車線交通など流通が止まらないような施策が実施されているからだろう。しかし、関門トンネルを除いたどの高速道路も運用率は90%以上を超えており、これも日本の道路対策の質がうかがい知れる結果となった。
それぞれの通行止めランキングの5位以降の結果は、下記の国土交通省の発表レポートを参照してほしい。
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