住宅市場動向調査を読み解く

2014年7月14日に国土交通省から発表された「平成25年度住宅市場動向調査について」。
この調査レポートは全383ページにわたり、平成25年度の住宅の建設、購入、リフォーム等の実態把握・分析を行っている。
レポート自体は今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的にしているが、住まい探しを考える私たちにも役に立つ情報が多い。昨年の住宅市場動向のデータを見て、今後の住まい探しの際の参考にしてもらいたい。

2020年には新しい省エネ基準の適合が義務化され、注目の高まる住宅の省エネ性能だが、住み替えたユーザーは実際どのくらい整備しているのか?今回は、「二重サッシ又は複層ガラスの窓」と「太陽光発電装置」の建て替え前後の整備の率を比較したデータを読み解く。

「二重サッシ又は複層ガラスの窓」の整備状況は?

日本の住宅の断熱性能は諸外国よりも劣っていると言われて久しい。その断熱性能を大きく左右するのが窓だ。断熱性能を高める「二重サッシ又は複層ガラスの窓」は、住み替え前後で整備状況にどのような差があるのだろうか?

□注文住宅取得世帯(新築) :住み替え前:13.3%/住み替え後:78.4%
□分譲戸建て住宅取得世帯  :住み替え前:7.7%/住み替え後:50.3%
□分譲マンション取得世帯  :住み替え前:7.1%/住み替え後:49.8%
□中古戸建て住宅取得世帯  :住み替え前:4.7%/住み替え後:14.2%
□中古マンション取得世帯  :住み替え前:6.5%/住み替え後:17%

主に注文住宅と分譲住宅で整備が進んでいることがわかる。整備率は、注文住宅(新築)で78.4%、分譲戸建て住宅で50.3%、分譲マンションで49.8%だ。中古住宅はまだまだ低い整備状況だ。

【「二重サッシまたは複層ガラス窓」整備状況の住み替え前後の比較】</br>注文住宅と分譲住宅で整備が進む結果となっている【「二重サッシまたは複層ガラス窓」整備状況の住み替え前後の比較】
注文住宅と分譲住宅で整備が進む結果となっている

「太陽光発電装置」の整備状況は?

では次に、太陽光発電装置の整備状況を見てみる。

□注文住宅取得世帯(新築) :住み替え前:1.4%/住み替え後:39%
□分譲戸建て住宅取得世帯  :住み替え前:0.3%/住み替え後:11.3%
□分譲マンション取得世帯  :住み替え前:0.8%/住み替え後:7.5%
□中古戸建て住宅取得世帯  :住み替え前:0.4%/住み替え後:2.9%
□中古マンション取得世帯  :住み替え前:0.4%/住み替え後:0%

こちらも、「二重サッシ又は複層ガラスの窓」と同様に注文住宅と分譲住宅で整備が進んでいることがわかった。中古住宅での整備状況は、窓以上に進んでいないことがわかる。

注文住宅と分譲住宅の領域において、太陽光発電装置の設備の普及状況を時系列で見てみたい。

□注文住宅取得世帯
平成21年度:11.7%、平成22年度:24.6%、平成23年度:29.8%、平成24年度:32.7%、
平成25年度:38.2%

□分譲戸建て住宅取得世帯
平成21年度:6%、平成22年度:8.1%、平成23年度:9.6%、平成24年度:8.5%、
平成25年度:11.3%

□分譲マンション取得世帯
平成21年度:0.7%、平成22年度:2.7%、平成23年度:3.5%、平成24年度:7.1%、
平成25年度:7.5%

いずれも上昇傾向にあるが、特に注文住宅の伸び方が右肩上がりで目立つ。省エネ効果はもちろん、余剰電力の売却可能性による家計面のメリットが注目され、各ハウスメーカーが太陽光発電装置搭載の商品を推し進めたことも影響していると見える。一方で分譲住宅については、そうした省エネ化が進められる一方で、整備により分譲価格の上昇を懸念していることが見える。
しかし、既に電力会社5社が再生可能エネルギーの事業者からの買取り中止が決まり、一般家庭においても今後の買取りが懸念されている。太陽光発電装置の整備は今後も継続して増加していくのだろうか。

【「太陽光発電装置」の年度ごとの整備率】</br>注文住宅の整備状況が最も進んでいることがわかる【「太陽光発電装置」の年度ごとの整備率】
注文住宅の整備状況が最も進んでいることがわかる

調査概要

調査実施社:国土交通省
調査対象:平成24年4月~平成25年3月に住み替え・建替え・リフォームを
      行った世帯を対象とし、住宅の種類別に調査
調査方法:注文住宅は、建築物動態統計調査のうち「補正調査」の対象から抽出
       その他は調査地点を抽出し、調査員が該当の住宅を探し出し、
       訪問留め置き調査により実施

※詳細は国土交通省のページを確認してください

2015年 04月06日 11時09分