大都市圏の分譲マンション賃料は5年間で1.3倍以上に高騰
春の転勤シーズン真っただ中、現在引越しを検討している方にとってあまり芳しくないデータが更新された。東京カンテイの《分譲マンション賃料月別推移(2026年2月)》によると、東京23区内の分譲賃貸物件の賃料は5ヶ月連続で上昇しており、1m2あたり5,149円に。つまり、ファミリータイプとされている60m2の分譲賃貸物件を探そうとすると、月額賃料は約31万円が目安となる。これは2004年の同調査開始以来最高値だ。
他の大都市圏を見ると、大阪市は3,326円/m2(60m2換算で約20万円)、名古屋市は2,350円/m2(60m2換算で約15万円)、福岡市は2,653円/m2(60m2換算で約16万円)となっており、いずれの地域もこの5年間で1.3倍以上(名古屋市は1.1倍)の上昇率を示している。
東京カンテイによる解説動画
高騰の要因は“大家側の強気の賃料設定”?ただし修繕管理費高騰の影響も大きい
全国的な家賃の高騰は“新築・築浅の分譲賃貸が増加し、大家側が強気の賃料設定を行っていることが要因”とされているが、実は区分所有物件を賃貸運用している筆者自身が“大家の立場”として考えてみると、近年の値上げには致し方ない事情もある。
最も大きく影響しているのは修繕管理費の高騰だ。公益財団法人東日本不動産流通機構の調査(2024年度)によると、首都圏中古マンションの管理費は1m2あたり月額平均216円、修繕積立金は1m2あたり月額平均205円に。特に修繕積立金に関しては工事費高騰の影響を受けてこの1年間で5.5%もの上昇率を示している。
また、国土交通省が《マンションの修繕積立金に関するガイドライン》を改正したことも大きい。マンション業界の慣例とされてきた“段階増額積立方式=新築当初の金額を少なく設定し、徐々に値上げしていく方式”について“値上げ幅は1.8倍まで”とガイドラインに明示されたことで“健全な修繕計画の在り方”が見直され、新築・築浅の分譲マンションは修繕積立金の当初額が高額設定に。これでは賃貸運用を行う際にも実質利回りが大きく低下する。
適正か?便乗値上げか?物件を見極めた上で検討を
ただし、賃料相場の引き上げによって“便乗値上げ”を行っている物件も少なくない。住まい探しの際には、まず“周辺相場を把握すること”、次に“築年数と性能を比較すること”、その上で“適正な賃料を(その背景も含めて)見極めること”を心がけてみてほしい。




