外国籍・生活保護利用者・車いすユーザー…多様な住まい探しに対応してきたサポートデスク1年間の実績
不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sが運営する「LIFULL HOME’S FRIENDLY DOOR」は、部屋探しに困難を抱える”住宅弱者“が安心して住まいを見つけるための不動産情報サービスだ。
住宅弱者のバックグラウンドに合わせ、外国籍、LGBTQ(※)、生活保護利用者、高齢者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者、家族に頼れない若者、フリーランスの9つのカテゴリー(属性)に分けて、サービスに賛同する不動産会社や、物件の検索、個別相談サポートを展開している。
登録不動産会社数も年々増加し、利用者数も増えている中、運営を通じてわかったのが、住宅弱者の多くが自身の背景の複雑さから不動産会社とコンタクトを取ることを躊躇している、という実態だった。
そこで、当事者のより最適な住まい探しをサポートするために2024年6月よりサポートデスクを設置。LINEで友だち追加をし、トーク画面を通じて問合せができるようになっている。
またこのサービスは、株式会社オリィ研究所の移動困難者の就労支援を行うFLEMEE事業との提携によって運用されている。担当するサポートデスクオペレーターも車いすユーザーであり、相談者と同じ目線で一人ひとりの問合せに対応しているのだ。
サポートデスク業務がスタートして1年。この記事では、サポートデスクにはどんな問合せが寄せられているのか、問合せから読み取れる傾向、サポートデスクでの対応例、そしてサポートデスク担当者の声を紹介する。
サポートデスクに寄せられる問合せ 「生活保護利用者」「障害者」からの相談が多数
サポートデスクが設置された目的は、「不安を取り除き、一人ひとりの状況に合わせた住まい探しの情報提供を行うこと」。
居住支援や不動産賃貸に関するトレーニングを受けたサポートデスク担当者が専任となり、寄せられた相談に対応している。
具体的には、「高齢の親の住み替えをどうしたらいいのか」「身体に障害があり、部屋探しが難航している」といった個別の状況と困りごとをヒアリングし、解決方法を提案する。
解決方法の主軸はFRIENDLY DOORに登録の不動産会社の紹介のほか、LIFULL HOME’SやFRIENDLY DOORの使い方、住まい探しの流れや手順、エリアごとの家賃相場、住む場所や物件の選び方、契約時に必要な書類の説明など、相談者の状況に合わせて多岐にわたる。
ここで、これまでの傾向を見てみよう。
寄せられる相談者の背景を9つのカテゴリーに照らし合わせて見ると、生活保護利用者と障害者が顕著に多いことがわかる。
なかでも、生活保護利用者が半数以上、障害者がそれに次いで40%を占めており、この2つのカテゴリーでの困りごと、住宅に関する相談先が少ないと推測される。
3つ目に多かった「その他」は、9つのカテゴリーに属さない人からの相談だ。
内訳を説明すると、子どもを持たない離婚をした、または離婚予定の女性、転職活動中などで生活保護利用予定の人、明記がない無職の人からの問合せで、やはり既存カテゴリーとの親和性が高い様相がわかる。
また、相談を進める中で、特に生活保護利用者は他カテゴリーと重複しがちなことがわかった。例えば、生活保護を利用しながらシングルマザーであったり、障害者であったりという具合だ。このことから、経済的な困窮から住まい探しに苦戦したり、不安を抱えたりする人が多いと推察される。
サポートに“マニュアル”はない――一人ひとり異なる住まいの悩みに向き合う
問合せ内容では、「自分に合った不動産会社を紹介してほしい」「住む場所や物件の選び方を相談したい」といった希望が多く見られる。だが、実際は人それぞれ悩みや置かれている状況が複雑なため、サポートには確立された方法が存在しない。一人ひとりに合わせた対応を行っている。
住み替えが特に困難な人からの相談で見られる傾向には、家族を含めた人間関係の変化に経済的な理由が重なることが多い、ということがわかってきた。
加えて、早く引越したい希望はあるのに、なかなか動けていない状況の相談も多い。
その背景には、転居先を探したものの断られてしまった、経済的な理由から踏み出したいけれど踏み出せない、そうしたジレンマが不安感を増幅させていることがヒアリングでわかってきた。
またヒアリングを重ねる中で、FRIENDLY DOORに登録の不動産会社では対応できない状況と判断される場合には、公的支援につなぐこともある。
たとえば、ケースワーカーへの相談を促す、利用が可能な行政の支援制度の紹介、居住支援法人の紹介も行う。公営住宅への入居をサポートしたことも珍しくない。
身元保証人を立てられない場合には、保証会社や居住支援を行うNPOを紹介することも、DVなどの緊急性の高い事情を抱える女性には、シェルターを案内することもある。
問合せを受けて、サポートデスク担当者が必ず尋ねる質問が2つある。“住まい探しの理由”と“引越し予定時期”だ。
置かれている状況と部屋探しに関する不安、そしてこの2つの情報で、解決の方向性が変わってくることもある。
FRIENDLY DOORサポートデスクは、不動産業界と社会保障制度、両方の知見をもって総合的な第三者的視点から意見を仰ぐことができる、稀有な場ともいえるだろう。
住宅弱者に寄り添う力。サポートデスクオペレーターが語る現場のリアル
問合せはLINEを通じて行うが、それを受け止めているのはサポートデスク担当者、つまりマンパワーだ。
基本的には1つの問合せに担当者1人が一貫して対応。問合せ内容を事業統括チームと共有し、伝える情報を精査したのち、担当者からLINEメッセージに返信する、という流れだ。
問合せ内容の詳細を聞き取るため、やり取りは数回に及ぶこともあるという業務内容をいかに担当者たちはこなしているのか、2名のオペレーターAさんBさんに話を伺った。
業務をするうえで一番心がけているのは、2人とも「安心して相談できるように寄り添う姿勢でいること」と話す。
Aさん「FRIENDLY DOORの特性上、非常にプライベートな内容を扱うので、最初から状況を開示してもらうことは難しいと感じています。安心して話してもらうためにも、寄り添う姿勢は大切にしています」
Bさん「顔も見えない人に急に相談をするのは、私も怖いと思います。ですので、個人的な事情は、一つひとつ、段階を踏んで伺うようにしています」
また、住宅弱者のバックグラウンドを理由にした部屋探しについて、「盲導犬を伴う部屋探しや制度の狭間で部屋が見つからない状況に、課題を感じている」と語るAさん。
Bさんもまた「不動産会社から不当な対応をされることがこんなにもあるのかと思い知りました。一般的な住み替えより数百倍大変だと思います」と、住宅弱者の置かれている実情に胸を痛めつつ、適切な情報がないかさらに模索しているそうだ。
苦労に寄り添う中で、よかったことはあっただろうか。
Aさん「皆さんが部屋を借りることをいったんのゴールにしているので、『部屋が決まりました』とご報告を受けるときはうれしいですね。たとえ借りられなかったとしても、『サポートを通じて情報が得られてよかった』と言ってくださる方がいて、私もきちんと対応できたと胸をなでおろします」
Bさん「情報を提供して『ありがとうございます』と言われた際、車いすユーザーになって久しく“ありがとう”と言われたことがなかったのでうれしかったです」
お二人の真摯な語り口に、心のこもった対応をされていることが思い浮かぶ。
Bさんは自身が病院に勤務した経験があることから、「病院の職員の方やソーシャルワーカーに住まいに関する知識があれば、退院後の住まいの選択肢が増えるのでは」という話も上がった。
当事者や家族だけでなく、社会福祉に関わる人たちも情報収集の場として活用できる。サポートデスクの可能性を感じるインタビューとなった。
「一人で抱えないで」――人力×AIで広がる住まい相談の選択肢
FRIENDLY DOORサポートデスクは、担当者とチームによる人力で運営されている。家探しに悩んでいる人、不安がある人はぜひ気軽に問合せてみてほしい。
直接人と対話をすることが苦手な方、日本語に不安がある方には、AIを活用したLINEアカウント「AIホームズくん」が最適だ。不動産に関する質問にAIホームズくんが回答してくれる。日本語のみならず、英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ポルトガル語の5つの言語に対応。問合せへのハードルがさらに下がるはずだ。
「身近な人には話せない」「情報がたくさんありすぎて誰かに頼りたい」―不安にとらわれて選択肢を狭めず、可能性を広げる場として、FRIENDLY DOORサポートデスクをぜひ活用してほしい。
■FRIENDLY DOOR サポートデスク
https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor/supportdesk
■AIホームズくん
https://actionforall.homes.co.jp/friendlydoor/ai-homeskun
■「障害者」の表記について
FRIENDLY DOORでは、障害者の方からのヒアリングを行う中で、「自身が持つ障害により社会参加の制限等を受けているので、『障がい者』とにごすのでなく、『障害者』と表記してほしい」という要望をいただきました。当事者の方々の思いに寄り添うとともに、当事者の方の社会参加を阻むさまざまな障害に真摯に向き合い、解決していくことを目指して、「障害者」という表記を使用しています。※LGBTQ=セクシュアルマイノリティの総称の一つ。L(レズビアン:女性同性愛者)・G(ゲイ:男性同性愛者)・B(バイセクシュアル:両性愛者)・T(トランスジェンダー:体の性と心の性が一致しない人)・Q(クエスチョニング:性自認や性的指向が定まっていない人、その他のセクシュアルマイノリティ)を表す。本記事では、あらゆるセクシュアルマイノリティの方が含まれる総称を「LGBTQ」とし、便宜上表記を統一している。
【LIFULL HOME’S ACTION FOR ALL】は、「FRIENDLY DOOR/フレンドリードア」や「えらんでエール」のプロジェクトを通じて、国籍や年齢、性別など、個々のバックグラウンドにかかわらず、誰もが自分らしく「したい暮らし」に出会える世界の実現を目指して取り組んでいます。
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