新たなニーズに対応する女子のための“なごや女子部屋”

「たのしー賃貸物件、つくっちゃいました!」がキャッチコピーのコラボルームと、「女の子のひとり暮らしを“たのしー&カワイイ”に!」をテーマにした“なごや女子部屋”。「たのしー賃貸物件、つくっちゃいました!」がキャッチコピーのコラボルームと、「女の子のひとり暮らしを“たのしー&カワイイ”に!」をテーマにした“なごや女子部屋”。

真っ白なクロス、ガランとした空間…。個性はないが汎用性が高い、そんな賃貸のイメージに新風を吹き込んだのが前回の記事で紹介した、ニッショー×ヴィレッジヴァンガードのコラボルーム。
【前回の記事はこちらから】

発案者である株式会社ニッショーの営業企画課係長鈴木伸哉氏は「コラボルームは20代後半~30代後半の、いわば賃貸慣れした人たちに受けていました」と話す。何度か賃貸暮らしを経験し失敗を繰り返したり、または物足りなさを感じていた、冒険したかったなど、さまざまな理由があるだろうが、とにかく目の肥えた人たちが飛びついたのが斬新なコンセプトが目を引くコラボルームだったという。

「ただ、コラボルームはオンリーワンの部屋で、量産ができません。コラボルームを展開したことで、ここまで個性的でなくてもいいからオシャレに住みたいといった新たなニーズも実感できたので、そういう人たちにも対応できる部屋を作ってみようと始めたのが“なごや女子部屋”です」(鈴木氏)

センスとセキュリティを併せ持つ洗練された部屋が女性から支持

“なごや女子部屋”とは、「女性がワクワクする部屋」がテーマ。女性インテリアコーディネーターがテーマにあわせてコーディネートした部屋や、ファッション誌で活躍する人気モデルがプロデュースした部屋など、女性が住みたくなる部屋がコンセプトだ。“女子部屋”とうたっているだけに、セキュリティに配慮して建物の二階以上、オートロックもしくはダブルロックといった条件を満たした物件をセレクトしている点も重要なポイントだ。

2014年秋から始まった舟山久美子(くみっきー)、近藤千尋、筆岡裕子といった人気モデルがプロデュースする部屋は“なごや女子部屋”の目玉。
「ファッションブランドを立ち上げていたり、センスを生かす仕事をしているだけに、部屋づくりにおいてもプロ意識が高いんです。木の雰囲気やクロスなど、細かい部分にまでこだわって作りこんでいるので、そこが女性を惹きつける魅力の一つになっているような気がします」と鈴木氏。
おしゃれな部屋には憧れるけれど、自分で一から作りこむのは大変。そこをついたモデルプロデュース賃貸のミソは“完成させるのは入居者”。という点だと鈴木氏は続ける。例えば、壁にしつらえたシェルフ。「ここに何を飾るかでその人らしさを演出してほしい。そこがこの物件の魅力なんです」。
ヴィレッジヴァンガード(以下:ヴィレバン)とのコラボルームがオンリーワンの物件だったのに対し、こちらは自分のオリジナルをプラスするプラスワンの部屋というわけだ。

一方、人気スタイリストやインテリアコーディネーターがプロデュースする部屋も、2014年秋からのプロジェクトだ。
「“女子”と一括りにしても大学生や社会人、主婦、年代やテイストなど、好みも使い方も違うので、いろいろな方を起用して賃貸の新しい可能性を提案していきたい」と鈴木氏。
現在のところ、ニッショーが管理する“なごや女子部屋”は100件以上にのぼるが、入居率が高く賃貸のピークである今年の春先にはすべて満室という人気ぶりだという。
「オーナーさんにも評判がよく、毎週のように新しい“女子部屋”が誕生しています」と鈴木氏。
ヴィレヴァンとのコラボから派生した、女子に特化したこの部屋は、今後もさらに人気が高まっていきそうだ。

写真左上:舟山久美子プロデュースの「空と緑のマリーガーデン」、右上:近藤千尋プロデュースの「街中のビーチハウス」、左下:筆岡裕子プロデュースの「ネイビーブルーの大人カフェ」。右下は、女性ファッション誌で活躍するスタイリストが提案する“なごや女子部屋”のイメージ。写真左上:舟山久美子プロデュースの「空と緑のマリーガーデン」、右上:近藤千尋プロデュースの「街中のビーチハウス」、左下:筆岡裕子プロデュースの「ネイビーブルーの大人カフェ」。右下は、女性ファッション誌で活躍するスタイリストが提案する“なごや女子部屋”のイメージ。

それって本当に必要? よりいい物件を探すにはデメリットに着目すべし!

手紙でもしたためたくなる和室のしつらえ「THE TATAMI」の部屋。これを“粋”と捉えられる人は意外と多いのでは?手紙でもしたためたくなる和室のしつらえ「THE TATAMI」の部屋。これを“粋”と捉えられる人は意外と多いのでは?

ところで、部屋を選ぶ際の条件として、あなたはどんなこだわりをもっているだろうか。
新築、駅近、南向き、角部屋、付帯設備など、部屋を選ぶときにだいたい一般的に「いい」とされる条件を基準にしている人が多いのではないだろうか。鈴木氏いわく「本当に自分にとっていい部屋というのは、デメリットに注目してみるとよくわかる」のだとか。
日当たりのよくない部屋でも、日中仕事でほぼ家にいないという人にとっては、許容できる範囲。南向きにこだわらず、東向きの部屋であればもっといい条件で探せるはず。料理をしない人であればキッチンも必要ない。
そこで、必要最低限のリフォームのみであえてなにもせず、切り口を変えて部屋選びに新たな気づきをもってもらえたらと始めたのが“漢の部屋さがし”というコンテンツだ。

例えば、畳の賃貸物件を集めた「THE TATAMI」では、今やフローリングが主流の賃貸の中で畳は敬遠されがちだが、「日本の固有の文化である畳をあえて選ぶ」という切り口で物件を紹介。「部屋にいても浴びてしまう紫外線はシワやシミなどの原因に!それなら陽の当たらない物件は?」と、マイナスに思える要素でも捉え方を変えてみるきっかけを与えてくれる。フローリングや日当たりにこだわらなければ、名古屋市内でも2万円台でワンルームの部屋を見つけることができるという。

チェックボックスで条件を入力し、部屋探しができるポータルサイトは便利だが、鈴木氏いわく「チェックボックスで条件を絞ってしまうと、本当にいい物件には巡り合えない」という。
このように“なごや女子部屋”、“漢の部屋さがし”など、どのターゲットにも対応できる軸を持っているのがニッショーの強みといえそうだ。

増えるシニア世代に対応するため「シニアライフサポート」サービスを開始

一定時間人の動きを感知しないとセコムに通知するライフ監視センサー(写真右上)や、転倒・急病で動けなくなった場合に押せばセコムが駆けつける救急ボタン(写真右下)などで、暮らしに安心をプラス(利用料は初期費用3万円、月額使用料6,000円~)。一定時間人の動きを感知しないとセコムに通知するライフ監視センサー(写真右上)や、転倒・急病で動けなくなった場合に押せばセコムが駆けつける救急ボタン(写真右下)などで、暮らしに安心をプラス(利用料は初期費用3万円、月額使用料6,000円~)。

もうひとつ、ニッショーが力を入れているのが、高齢者向けのサービス「シニアライフサポート」だ。
昨今、高齢者が賃貸に入るのは厳しい。孤独死や認知症などの問題があり、オーナーが入居に対して消極的なのが理由だ。
「寿命が長くなっていく中で、高齢者人口増加のピークは2042年と言われています。60代から老人ホームに入っていてはコストがかかる。子どもが独立した後の自宅は広くて掃除も大変で維持管理が難しくなっていきます。自宅を売却して便利な都心に住んだり、子どもの近くに部屋を借りたいという人が増えてきているのに受け皿がないんです」と鈴木氏。
そこでこの問題の解決策として、郵便局でも利用しているみまもり電話とセキュリティ大手のセコム株式会社が提供しているホームセキュリティを融合させた「シニアライフサポート」を賃貸に取り入れた。
設定した時間に毎日電話がかかってきて、元気にしているかどうかの確認をとり、離れて住む身内など登録したメールアドレスにメールで連絡。毎日の体調を把握することができる。キッチンやトイレなど、必ず一日に一度は通る場所にライフ監視センサーを設置し、24時間(12時間の設定も可)人の通行を感知しないと、セコムに連絡が入り、必要に応じて駆け付け対応をしてくれるという。実際に今年の8月上旬にトイレで倒れた入居者を救助した実績があるとのこと。

さらに、年間3,000件にのぼる高齢者宅での火災にも対応。煙センサーが火災を察知するとセコムに連絡がいくシステムで、実際に高齢者救助の実績もあり、賃貸オーナーとしては宅内での死亡事故をなくすことができるため、今後、高齢者の入居増加の鍵を握るサービスと言えそうだ。

コミュニティ、DIY、地元のニーズの一歩先を

デザイナーズ賃貸、コンセプト賃貸など、これまでにさまざまな賃貸スタイルを提案してきた同社だが、今後の名古屋における市場はどのように見ているのだろうか。引き続き鈴木氏に伺うと
「DIY可能な部屋というのは今もニーズがありますし、地道に増えていくと思います。あとは、東京などで注目されているシェアハウスやコミュニティ賃貸はまだ名古屋では展開していませんが、コミュニティを求めている人は実際に多いと感じますし、大須や栄などエリア限定でニーズはあると思っているので検討していく可能性はあります」とのこと。

ヴィレヴァンとのコラボルーム、モデルやスタイリストが提案する“なごや女子部屋”など、目新しくてワクワクする賃貸を提案する同社の、次なる一手が楽しみだ。


取材協力、写真提供/株式会社ニッショー
http://www.nissho-apn.co.jp/

2015年 09月07日 11時07分