和室掃除の基本は上から下へ、奥から手前へ

畳の掃除は「畳の目に沿って」が鉄則畳の掃除は「畳の目に沿って」が鉄則

年末は大掃除……というご家庭も多いだろう。畳、障子など建材や素材が洋室とは異なる和室。現在よく使用される掃除道具は、おおむね洋室用としているものが多いようだ。板の壁と違い、和室の土壁をモップや雑巾で掃除したり、掃除機を畳の上でゴロゴロ移動させれば、壁や畳を傷つけてしまうだろう。

また、紙でできたふすまや障子、藺草を編んだ畳で構成された和室は、なるべく水を使わずに済ませる方がよい。和室ならではの工夫が必要なのだ。使う道具ははたきや帚、雑巾、掃除機などだが、現在、普段の掃除ではたきを使う機会はあまりなく、はたきのかけ方も忘れてしまった方も多いかもしれない。そこで、和室の掃除の仕方をおさらいしておこう。

和室の掃除は、まずはたきがけから。はたきは市販のものを購入してもよいが、古くなったストッキングを適当な長さに切りそろえ、棒にしばりつけたものでもよい。もちろん土壁を傷つけない化学繊維のような柔らかい素材なら、ワイパーでもよいだろう。
床や棚の上のものは埃のかからない場所に移動させるか、埃よけをかけてから、天井から壁へと、上から順に埃を払っていこう。壁と天井、柱と壁などの境目は特に埃がたまっているので、念入りに。

床の間の掃除をする際は、飾ってある掛け軸や花瓶などは、埃のかからない場所に避難させておく。棚の上をはたきがけして、乾いた雑巾でから拭きをしたら、花瓶を洗い、掛け軸の埃をはたきなどでそっと払って、飾り直すか、別のものと取り替えよう。
畳の掃除は「畳の目に沿って」が鉄則。畳がけばだったり、縁が傷んだりする原因になるので、必ず守ってほしい。掃除機は床に置かず、手に持とう。フローリングの床なら、掃除機の車輪が転がっても大丈夫だが、繊細な畳表や畳の縁は、損傷してしまう可能性があるからだ。また、畳のへりなどに埃がたまっている場合は、乾いた歯ブラシで掻きだして、埃を浮き上がらせると、掃除しやすいだろう。

もし、掃除機だけで落としきれない汚れがあるときは、乾いた雑巾でから拭きしよう。それでも落ちなければ水拭をするが、なるべく早く乾くよう、天気の良い日に行うのがベター。このとき、水に酢を混ぜると汚れがきれいに落ち、カビ防止にもなるので試してほしい。濃度は水1リットルに酢を大匙2杯程度。あまり濃くすると、掃除後の部屋に酸っぱいにおいが残ってしまうので、気をつけよう。ぬらした雑巾は、できれば洗濯機で脱水するなどして、固く絞る。そして掃除の後は短時間でもよいから窓を開けて風を通し、素早く乾くようにしよう。

ふすまや障子の掃除の仕方は?

ふすまや障子の滑りが悪いと感じたなら、ロウソクのロウをさんに塗り付けると良いふすまや障子の滑りが悪いと感じたなら、ロウソクのロウをさんに塗り付けると良い

ふすまや障子は、はたきや刷毛を使ってやさしく埃を落としていく。とくに障子の桟は、表面加工されていない白木が使われていることが多く、水に弱いから、雑巾を使うなら、から拭きで。埃のたまりやすい場所なので、念入りに行おう。

障子の黄ばみにも、酢が活躍する。水1リットルに酢大匙2杯程度を混ぜた酢水を、黄ばんだところにスプレーすると、きれいになることがあるのだ。また、障子紙を張り替えたときは、あらかじめスプレーしておくと汚れ防止に役立つ。ただし紙質によっては変色する可能性もあるので、目立たないところで試してみるのを忘れずに。

ふすまや障子がきれいになったら、さんだ。埃がたまりやすい場所なので、しっかり掃除しておこう。まず軽く掃除機をかける。ブラシのついたノズルを使うときれいになるが、なければ、歯ブラシを使って埃を掻き集めるのも効果的。それでもゴミが残ったら、さんの上に輪ゴムを置き、その上を滑らせるようにふすまや障子を開け閉めしてみよう。ゴムに細かい毛や埃がついてくるので、スッキリするはずだ。
その後、ふすまや障子を開け閉めしてみて、滑りが悪いと感じたなら、ロウソクのロウをさんに塗り付けると良い。

神棚を清めてお正月を迎えよう

最後に和室ならではの、神棚の掃除を見てみよう。

神棚は、神様を祀っている場所なので、ほかの場所と同じように掃除はできない。また、掃除の後に榊などを供えるので、一夜飾りにならないよう、31日に行わず、30日までに済ませてしまおう。また、29日は「二重苦」に通じ、縁起が悪いので避けるほうがよい。そのほかにもいくつか注意点があるので見ていこう。

神様に対して失礼とされるのは、
・お札に息が直接かかること
・お社やお札を汚れた手で触ること
・お社やお札を床に直接置くこと
など。

神棚を掃除する前に、「これから清めさせていただきます」の思いをこめて一礼し、お社を降ろそう。棚を掃除する間は、綺麗に拭いたテーブルに和紙などを敷き、その上に乗せると良い。神棚には水に弱い白木が使われていることも多いので、まずはたきをかけ、乾いた清潔な雑巾で拭くと良いだろう。雑巾は他の場所を拭いたものを使いまわしせず、新しいものをおろすか、洗濯機で綺麗に洗ったものを使おう。

お札を扱うときは、和紙や榊の葉を口にくわえる。これは口から吐いた息がお札にかからないための配慮だ。そして掃除が終われば「これで掃除を終わらせていただきます」の思いをこめて、一礼。
古い榊や和紙は普通に廃棄しても良いが、お札や紙垂、注連縄、雲は神社に納めるか、小正月に寺社や町内で開催されるとんど(左義長)で焚き上げてもらおう。

洋室の掃除に比べると、繊細な気づかいが必要だが、埃のとりはらわれた和室に座っていると、心が鎮まるものだ。また、和室はお正月だからこそ、家族や親せき、お客様などと過ごす場所でもある。

気持ちよく新年を迎えられるように、早めに和室の大掃除に取り掛かろう。

神棚の掃除は31日に行わず、30日までに済ませてしまおう。また、29日は「二重苦」に通じ、縁起が悪いので避けたい神棚の掃除は31日に行わず、30日までに済ませてしまおう。また、29日は「二重苦」に通じ、縁起が悪いので避けたい

2016年 12月24日 11時00分