不動産事業者だけが閲覧可能なレインズ(REINS)とは?
レインズ(REINS)とは、REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM(不動産流通標準情報システム)の略称で、平成2年5月から運用が開始された宅建事業者のみが閲覧可能な不動産情報データベースだ。売却物件情報、賃貸物件情報を始め、成約情報などが閲覧できる。
不動産会社へ土地や中古の住宅の売買を依頼する場合、媒介契約を結ぶ必要がある。媒介契約には、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類があり、売主の依頼者は、このうちのどれかを選んで不動産会社と媒介契約を結ぶことになる。このうち、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」については、宅地建物取引業法により、指定流通機構への登録(レインズへの掲出)が義務付けられており、媒介契約書を売主の依頼者に交付することを定めている。
媒介契約の種類とレインズへの掲出
「専属専任媒介契約」
不動産会社1社にのみ媒介を依頼し、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)についても、依頼した不動産会社を通して取引することが、契約で義務づけられる。
「専任媒介契約」
不動産会社1社にのみ媒介を依頼し、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)とは、不動産会社を通すことなく契約することがでる。
「一般媒介契約」
複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することができる契約で、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)とも、不動産会社を通すことなく契約することができる。
ゆえに、「一般媒介契約」の物件と「自ら売主」の物件についてはレインズに掲出されない可能性があり得るが、ほとんどの物件が掲出されていると言っても過言ではない。
| 媒介契約の種類と特徴 | |||
| 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
| 複数社への仲介依頼 | × | × | ○ |
| 自己発見取引 | × | ○ | ○ |
| 契約の有効期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 制限なし |
| 指定流通機構への登録 | 媒介契約締結の日から5日以内 | 媒介契約締結の日から7日以内 | 義務なし |
| 業務処理状況の報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
不動産仲介事業者を回遊する、購入顧客
「未公開物件」という広告表記を良く見かける。まあ、そもそも公開しなければ誰も買いに来ないのでおかしな表現ではあるが。あまり積極的に公開しない物件と言うことであれば、「自ら売主でレインズにも掲出していない場合」や「売却予定の事実を第三者に知られたくない為、1社に一般媒介でお願いするような場合」だろう。しかし、売主のメリットは、一人でも多くの購入予定者の目に留まり、「早く高く売れること」が良いことであるはずなので、未公開物件と売主の利害は基本的に合致しない。
実際はどの不動産会社に行っても、得られる売買物件情報はほとんど同じなのだが、購入顧客は「別の会社に行ったらもっといい情報があるのでは」と考え、不動産事業者を回遊することになる。また、不動産事会社の方も「未公開物件」等と表示し、他社にはない独自の情報を提供できるかのように表示し、顧客を誘っている。顧客の情報不足(情報の非対称性)を利用し、顧客の購入心理を煽ったり、希少感を演出したりするこのような広告表現は、決して褒められたものではない。売主の為にもなっていないどころか、買主にも無駄な時間と労力を強いている実態がある。
売主は売りたいのに、売り止めされている?
両手仲介の弊害については以前も記述し、多くの方が記事にもされているのであまり触れないが、売主と買主の仲介を同一の仲介人が行う取引では、利益相反関係の調整は難しい。顧客に対してベストを尽くした結果が両手仲介だったなら問題ないが、顧客の利益を反故にして、手数料が2倍になる自らの利益を優先した場合は顧客に対する大きな背信行為である。
私の会社では、バイヤーズエージェントと言って「買主にだけ徹底的に寄り添う」ことを顧客にお約束しており、それゆえ基本的に売り物件は預からない。その結果、片手仲介がほとんどになる。ゆえに、毎回売主の仲介会社に買い付け申し込みを入れることになる訳だが、「現在商談中で売り止めになっています」「2件話が来ていて3番手になります」等、「本当に?」と感じさせる回答がよくある。実際に話が来ているのであれば全く問題ないのだが、両手仲介を優先させたいがあまり、売主に対する背信行為をはたらいていたとしたら、これは大問題である。
もし、こんな事が日常的に行われ、その事実が明るみになったら社会問題になるであろう。不動産事業者が顧客に対して不利益を被らせてしまう時の金額は、10万単位や100万単位である。
その様な取引にかかわるプロには、高い倫理観が求められて当然である。
買い付け申し込み書には、売主の確認サインを求めよう!
この様な事件が発生してしまわないように、「買い付けの申し込み書は、全ての売主に確認してもらい、押印や自署などをもらって買主に返還する」これを提案したい。この実行だけで、売主や買主が不利益を被る可能性はほとんど無くなるはずだ。
売却の際には担当仲介会社に「買い付け申し込みには自分(売主)が全て確認サインをする」旨、覚書などで交わしてほしい。また、買主からの買い付け申し込みが売主に伝わっていることを確認するために、買主からの買い付け申し込みについては必ず売主の押印・自署を求め、エビデンスを残しておくことが重要だ。背信行為をはたらいていないという証拠にもなる。
例え、売主の仲介会社に了解が取れても、担当者となぜか連絡が取れない、連絡の返信が無い、売主が捕まらない等の理由で先に進まない。私たちの不毛な作業は終わらないのだろうか…。
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