年々減少する銭湯。まちの魅力となる事例も

昭和40年代に内風呂の普及が急速に進み、公衆浴場利用者は減少。銭湯の転廃業が増加することになった昭和40年代に内風呂の普及が急速に進み、公衆浴場利用者は減少。銭湯の転廃業が増加することになった

LIFULL HOME'S PRESSでも度々取り上げてきた銭湯だが、既知のとおり年々公衆浴場の数は減少傾向にある。厚生労働省衛生行政報告例によれば、2021(令和3)年度の一般公衆浴場の数は3,120。前年は3,231、前々年は3,398であり、1年ごとに100以上の施設がなくなっていることが分かる。

東京都も同様に、東京都内の公衆浴場利用者数と公衆浴場数は年々減少傾向にある。公衆浴場の活性化策(平成30年2月東京都公衆浴場活性化検討会)によれば、廃業理由上位3つの推移をみると、「営業不振」が最も多い理由であったが、近年では「経営者高齢・病弱」や「施設の老朽化」が上位を占めるようになっている。

また、昨今の原油価格高騰を受け東京都は2022年7月に公衆浴場入浴料金を値上げ。大人の利用料金は480円から500円になった。大分県でも同様に値上げを実施しており、新型コロナウイルスの影響で入浴客が減少傾向にあるなか、銭湯は非常に厳しい経営を強いられているといえる。住宅の浴室保有率は95.5%という現代で、銭湯という文化を残していくために、公衆浴場の衛生面だけでない役割が、今見直されている。経営者の高齢や後継者不足、施設の老朽化などさまざまな課題に直面する一方で、地域の若者が浴場の経営を引き継いだり、若者が銭湯を中心としたまちづくりにかかわったりする事例も一部で見られるようになっている。

LIFULL HOME'S PRESSでは、銭湯を軸としたまちづくりや、修復され新たなまちの交流拠点となりつつある事例、廃業が続くなかで新しく生まれた銭湯などを取材してきた。まちの魅力のひとつであり、利用者同士の交流が生まれるコミュニケーションの場として、多くの役割が期待される銭湯に今後も注目したい。

厚生労働省衛生行政報告例
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/21/dl/toukei.pdf

公衆浴場の活性化策(平成30年2月東京都公衆浴場活性化検討会)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/chousa/yokujyo/documents/kasseikahoukoku.pdf

公開日:

ホームズ君

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