ポラスグループ(埼玉県越谷市、中内晃次郎代表)が運営をしている「ポラス建築技術訓練校」は、独自のカリキュラムで大工・職人の育成に取り組んでいる。約40年間で966人の修了生を輩出しており、自社商品の品質向上に加えて同社の“一貫施工体制”を支えている。
【今回ピックアップするニュース】
ポラスグループ「ポラス建築技術訓練校」、独自のカリキュラムで大工・職人を育成=40年間で一貫施工体制を支える
「建築科」と「インテリア科」で1年間育成
「ポラス建築技術訓練校」が1987年に設立されたのは、同グループ創業者である中内俊三氏の「このままでは、大工がいなくなり、日本の家づくりは立ち行かなくなる」という危機感がきっかけだ。「これまでの徒弟制度という一方通行的な教え方では、若い人たちには受け入れられない」という考えのもと、給与を得ながら学べる“社員大工”制度や設立以来の全寮制による共同生活、明確なキャリアプランを提示することによって大工および内装工の技術を系統立てて教育。若手人材の確保と着実な育成に取り組む。
もともとは企業内訓練校として発足したが、1998年には埼玉県知事の認可を受けた認定職業訓練校となった。「建築施工系木造建築科(建築科)」と「建築内装系インテリアサービス科(インテリア科)」を運営している。高校卒業以上の場合、1年間の訓練時間は1400時間だ。学科については「グループ社員の中からカリキュラムに適した人に協力いただく」(同社)というほか、実技の指導員は訓練校OBが担う。「現在は指導員1人に対して訓練生は6〜7人」だという。
訓練校修了後は、「建築科」では上棟を中心として屋根下地までの構造躯体および金物の取り付けを担当する「フレーマー」を3~4年にわたり経験する。その次に外装工事が入れる状態までの外部造作を担う「セットアッパー」(2~3年)という独自の育成制度がある。さらには内部造作全般を受け持つ「造作大工」へと進むが、この場合は「二級建築大工技能士」の検定合格が必須となっている。今年度、同校の「二級建築大工技能士」の合格率は100%だった。
「インテリア科」は、クロス工事と電気工事を学び、技能・技術を現場で生かして生産に貢献。複数のスキルを持つ多能工職人として育成する。
建築大工は2023年に30万人だったが、2030年には約20万人まで減少するとの予測がある。そういった状況から、工務店・ビルダーの中には独自で訓練機関を設けているが、指導員の確保などの大きな課題を抱えているのが実情といえる。そのためポラスグループのように毎年30人規模の訓練生を長期にわたって輩出する会社は数少ないというのが現実だ。今後、大工・職人不足に業界としてどのように取り組んでいくのか注目していきたい。
荒 潔の一戸建てニュースピックアップについて
住宅産業新聞記者の荒 潔氏が、一戸建ての業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、一戸建てを探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。






