「OPEN HOUSE ARENA OTA」(太田市総合体育館)が、「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」に選定

群馬県の南東部に位置し、自動車会社の工場が多数あることから企業城下町と呼ばれる群馬県太田市。人口約22万人強の都市だ(2023年3月31日現在)。
その太田市に注目の建物がある。2023年4月に完成し、プロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」のホームアリーナとしても使われる「OPEN HOUSE ARENA OTA」(太田市総合体育館)。

スポーツ庁および経済産業省では、地域活性化の起爆剤となる潜在力の高いスタジアム・アリーナの実現を目指す「スタジアム・アリーナ改革」に取り組んでおり(2025 年までに20ヶ所のスタジアム・アリーナの実現を目指すことが具体的な目標として掲げられている)、2022年度に「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」の対象施設として、このOPEN HOUSE ARENA OTAが選定された。

今回、新しい街のシンボルともいえるこのアリーナが生まれた背景、地域活性化への貢献などを、「群馬クレインサンダーズ」のオーナー企業であり、地域共創を積極的に推進する株式会社オープンハウスグループ 事業開発部長の横瀬寛隆さんにお聞きした。

群馬クレインサンダーズのホームアリーナとしても使用されるOPEN HOUSE ARENA OTA群馬クレインサンダーズのホームアリーナとしても使用されるOPEN HOUSE ARENA OTA
群馬クレインサンダーズのホームアリーナとしても使用されるOPEN HOUSE ARENA OTAOPEN HOUSE ARENA OTAは、スポーツを通した新たな地域価値を創出

太田市が抱えていた課題と群馬クレインサンダーズが抱えていた課題が一致し、ホームタウンを移転

OPEN HOUSE ARENA OTAが完成する前の旧太田市民体育館が老朽化していたことに加え、地域の防災拠点として建て替えを検討していた太田市。また、太田市に本拠地を置いていた東日本を代表する社会人ラクビーチーム「埼玉パナソニックワイルドナイツ」が、2021年に太田市から埼玉県熊谷市に練習拠点を移転。スポーツ振興での街づくりに注力する太田市は、プロスポーツチームの誘致を欲していた。

一方、B.LEAGUE発足当初からホームアリーナとしていた前橋市のヤマト市民体育館前橋では、2026年に設立される新しいB1(B.LEAGUE PREMIER)の厳しい参入条件を満たせず、条件を満たすホームアリーナを望んでいた「群馬クレインサンダーズ」。その両者の想いが合致し、2021年5月に太田市に新しいアリーナの建設が決定。2023年4月にOPEN HOUSE ARENA OTAが完成した。

「アリーナの総工費は約82.5億円。オープンハウスグループからの企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)」、国からの地方創生拠点整備交付金、群馬県からの市町村競技別拠点スポーツ施設整備事業補助金などを財源にアリーナを建設しました。アリーナの計画から完成までのスピード感のある進行は、太田市を群馬県のバスケの聖地にするという公民の共通認識により、行政との連携がスムーズにいった結果だと思います」(横瀬さん)

オープンハウスグループからの企業版ふるさと納税を財源の一部に充て太田市がアリーナを新築。</br>スポーツを軸とした官民共創による地域活性のモデルケースとなったオープンハウスグループからの企業版ふるさと納税を財源の一部に充て太田市がアリーナを新築。
スポーツを軸とした官民共創による地域活性のモデルケースとなった

人口約22万人の太田市にジャストサイズのアリーナは、市民も利用しやすく、避難所拠点機能も備える

新B1基準を満たすOPEN HOUSE ARENA OTAは、群馬クレインサンダーズのホームアリーナとして活用されるだけでなく、市民の多様な活動をサポートするアリーナとして、多くの市民にスポーツを「する」場、健康づくりの場を提供している。また、避難所拠点機能まで兼ね備えた市民の安心・安全を守る施設として、新たな地域価値を創出している。

群馬クレインサンダーズのホームアリーナとして、最先端のスポーツエンターテイメント空間を実現している点も見逃せない。
「全国で収容人数1万人以上の大きなアリーナ建設が進む中、人口約22万人の都市に合ったちょうどいい5,000人規模のアリーナとなっています。合計14面の総面積約6100インチの日本最大級の可動式センタービジョンや、世界最高峰と評されるフランスのエルアコースティックス社のサウンドシステムを国内バスケットボールアリーナで初導入しました。50機のスピーカーと24機のサブウーハー機が配置されており、どこにいても臨場感のあるサウンドを体感することができるのも特徴です。最先端のエンターテインメント空間を実現し、さらにスイートラウンジも兼ね備えるなど、『また来たい』と思えるホスピタリティ満載のアリーナとなっています」と横瀬さん。

観客席はできる限りコートに近づけることで観やすく一体感のある観戦空間を実現したほか、可動観客席を収納することで、市民利用時にはバスケ3面利用が可能とするなど、Bリーグ利用と市民利用を両立できる設計になっている。
「あくまでも市民体育館として、群馬クレインサンダーズが使用しない日に関しては一般貸し出しを行い、バドミントンの試合や学生バスケの試合など、様々な活用がされています。2024年からは成人式の会場としても使われています」

国内最大級の可動式センタービジョンが試合を盛り上げる国内最大級の可動式センタービジョンが試合を盛り上げる
国内最大級の可動式センタービジョンが試合を盛り上げる観客席とコートをできる限り近づけることで、臨場感と一体感を生み出す
国内最大級の可動式センタービジョンが試合を盛り上げる人口約22万人の太田市にジャストサイズの5,000人規模のアリーナ

プロバスケットボールチームの誘致は、スポーツ振興の街づくりにも貢献

2021-2022年シーズンから、太田市に本拠地を移した群馬クレインサンダーズ。太田市とチームが協力して、様々な取り組みが行われている。

「群馬クレインサンダーズの試合日に30店以上が出店して活気に満ちあふれている太田マルシェ、6時から21時まで誰でも利用可能なナイター設備も完備した市内10ヶ所のコートの設置、太田市とコラボしたポロシャツの販売、サンダ君(クレインサンダーズのマスコットキャラクター)の郵便ポストを市内26ヶ所に設置し、バスケットを通じて地域を盛り上げるなど、太田市の発展に貢献しています。市役所の職員の方も業務時にコラボポロシャツを着用するなど、市役所もサンダーズ一色になっています」と横瀬さん。

B.LEAGUE初年度の2017年は数百人だったこともあった入場者数も、2023-2024シーズンでは平均で5,000人を超える入場者数まで増えたという。太田市を中心としたエリアや群馬県での交流人口増加にも大きく貢献しているといえるだろう。

試合日にはアリーナ前に多くの店が出店する、活気のある太田マルシェ試合日にはアリーナ前に多くの店が出店する、活気のある太田マルシェ

「シビックプライド」が生まれた瞬間を見られたのが最高の喜び

「2023年4月にOPEN HOUSE ARENA OTAでバスケの試合を初めて開催したのですが、泣いて喜んでくださる方もいて。そのような場所、街づくりをすることで、地元の方がより自分の街を誇れるようになる、それを目の当たりにできるのが地域共創のやりがいですね。『太田市にはOPEN HOUSE ARENA OTAがある』『バスケットを観戦できる日本一のアリーナがある』と皆さんがおっしゃってくれて。シビックプライドが生まれた瞬間を目の前で見られたことが、このプロジェクト最大の喜びでした」「2023年4月にOPEN HOUSE ARENA OTAでバスケの試合を初めて開催したのですが、泣いて喜んでくださる方もいて。そのような場所、街づくりをすることで、地元の方がより自分の街を誇れるようになる、それを目の当たりにできるのが地域共創のやりがいですね。『太田市にはOPEN HOUSE ARENA OTAがある』『バスケットを観戦できる日本一のアリーナがある』と皆さんがおっしゃってくれて。シビックプライドが生まれた瞬間を目の前で見られたことが、このプロジェクト最大の喜びでした」

企業版ふるさと納税などを有効活用することで、自治体と民間の負担を抑えて完成したOPEN HOUSE ARENA OTA。

Bリーグ2部で準優勝経験がありながら、運営会社の債務超過などが原因で1部に昇格できなかった過去(2019年にオープンハウスグループが債務超過を解消)を持つ群馬クレインサンダーズの収支も劇的に改善された。

「2019年と2023年の比較で 平均入場者数は1,367人から5,014人へと大幅に増加しました。営業収益3億3577万円は15億9000万円に、スポンサー収入は1億8,000万円から11億2,000万円に、入場料収入は8,800万円から2億4,000万円になりました。『多くの投資を実現することでさらなる成長を』として、2022-23シーズンでは営業収益15億円を達成しました。2023-24シーズンでは更なる増収を見込んでいます」(データは取材日時点)と横瀬さん。

また官民連携により完成した新アリーナは、「民間活力の活用によりコストを抑えつつ施設の充実やサービス向上が図れる」「クラブの自助努力による経営安定化が図れることで、プロスポーツを地域に根付かせることができる」「クラブと行政が一体となった運用ができるため、指定管理業務委託施設以外の包括的な取組みに発展できる」「指定管理者との取り決めにより、修繕費用の軽減を図っていくことで安定的な施設運営が可能になる」などのメリットもあると横瀬さんは話す。

オープンハウスグループでは、スポーツチームと自治体、そして企業が連携して、「まち・ひと・しごと」の良い循環を生み、サステナブルな地方創生につなげることを「太田モデル」として推進。人口増加を見込んで、太田市に仲介部門の拠点「太田営業センター」も出店したという。

企業版ふるさと納税などを有効活用して誕生したOPEN HOUSE ARENA OTA。
群馬クレインサンダーズ、太田市、オープンハウスグループによる地域共創は、全国の自治体やプロスポーツに参画したい企業などに、大いに参考になるのではないだろうか。

■オープンハウスグループ 「地域共創」プロジェクト
https://kyoso.openhouse-group.co.jp/

■群馬クレインサンダーズ
https://g-crane-thunders.jp/

■群馬クレインサンダーズの関連リンク:加齢はネガティブなこと、なんてない。―43歳プロバスケットボール選手・五十嵐圭に聞く「年齢とは何か」―
https://media.lifull.com/stories/20240206307/

■群馬クレインサンダーズの関連リンク:親の夢と子育てはトレードオフ、なんてない。 ―群馬クレインサンダーズ・並里成選手に聞く「仕事と育児」―
https://media.lifull.com/stories/20240416311/

■関連リンク:郡山総合体育館が新B1リーグへ対応。アリーナを起点とした新たな「市街地再開発」に結びつく可能
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_01642/

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