住宅ローンを組む際に知っておきたいこと

住宅ローンには審査基準がある住宅ローンには審査基準がある

近年、シングル女性が住宅ローンを組んでマンションを購入するケースが増えている。これから住宅を購入するのであれば、住宅ローンについての知識も知っておきたいところだ。

時々、「シングル女性は住宅ローンの審査が通りにくいと聞いたが本当か?」という質問を受ける。結論から言うと、女性だから住宅ローンが組みにくいということはない。ここ数年、夫婦の収入を合算するために夫婦2人で住宅ローンを組むケースが増えているが、女性だからという理由で妻が住宅ローンを組めないという話はない。

例えば、男性女性を問わずにフリーターや創業したての人が住宅ローンを組めないことは多い。住宅ローンの審査基準には、「安定した収入が見込めること」や「年収300万円以上であること」、勤続年数や雇用形態、返済負担率などの要件を設けている銀行が多く、この審査基準をクリアできないと住宅ローンを組むことは難しい。

審査基準をクリアしたという前提で、申し込みのタイミングなど女性が住宅ローンを組む際に知っておきたいことがある。また、審査基準が比較的厳しくないローンや、一部の銀行では女性向け住宅ローンもあるため、それらの知識も身に着けておいた方がよい。

そこで、女性が住宅ローンを組む際の注意点や女性向けの住宅ローンについて紹介する。

申し込みのタイミングに注意

住宅ローンの審査では、1つだけ注意したい点がある。それは、妊娠中だと団体信用生命保険(以下、「団信」と略)に加入できないことが多いことから、審査に通らないというケースだ。団信とは、住宅ローンを組んだ人が死亡または高度障害になった場合に、保険金が下り、その保険金により住宅ローンが完済される生命保険のことである。

通常、民間の銀行で住宅ローンを組む場合、団信への加入が条件となる。しかしながら、妊娠中の場合、団信への加入ができないことから、女性が住宅ローンを組めないことはある。そのため、一旦は購入時期をずらし、団信へ加入できる条件が整ってから、住宅ローンを組むといった対処も必要といえる。

フラット35と一般の銀行の違い

住宅ローンを組む際によく紹介されるのがフラット35だ。フラット35とは、住宅金融支援機構が提供する最長35年間固定金利の住宅ローンである。一般の銀行の住宅ローンに比べて審査基準が緩やかで、広く一般の人が借りやすいローンであるため、よく利用されている。フラット35には、勤続年数や正社員であるかなどの要件もなく、収入要件としてあるのは年収に対する返済負担率だけだ。年収が400万円未満なら返済負担率が30%以下、400万円以上なら35%以下になるようであれば借りられる。一般的に、住宅ローンの適正な返済負担率は20%以下と言われており、フラット35は比較的厳しくないことがわかる。

また、フラット35の特徴として、団信の加入が任意であるという点がある。都市銀行は団信加入を必須としていることが通常であるが、フラット35は団信に加入できなくとも住宅ローンが組める。

なお、以前のフラット35は団信の加入が義務でないことから、団信に加入すると保険料を別で支払う必要があり、都市銀行の住宅ローンよりも保険料の分だけ割高となるデメリットがあった。しかしながら、2017年10月よりフラット35でも団信付きの住宅ローンが登場したため、都市銀行の住宅ローンとの差はなくなりつつある。フラット35は使い勝手がよくなってきているため、希望の条件によっては検討の価値があるローンといえる。

民間の女性向け住宅ローン

一部の銀行では女性向け住宅ローンを商品として提供しているところもある。具体的には、りそな銀行の「凛next」や住宅ローン専用の金融機関ARUHIの「With Woman」といった商品だ。

りそな銀行の「凛next」では、年収についての審査基準は、「前年の税込年収が100万円以上」としている。勤続年数については、給与所得者の場合は勤続年数が1年以上、給与所得者以外の場合は勤続または営業年数が3年以上となっている。通常、一般の金融機関では、「年収は300万円以上」、「勤続年数は3年以上」としているところが多いため、「凛next」の要件は比較的厳しくないことがわかる。

一方で、ARUHIの「With Woman」については、付加価値が手厚いローンとなっている。疾病や非自発的な失業などにより住宅ローンの返済が困難となったときの返済保証の特約が付いているが、その特約料が半額となる。料理教室やエステなどの優待特典もついており、オプションが充実しているといえる。

ARUHIは住宅ローン専門の金融機関であり、長期固定の金利が都市銀行より低いため人気だ。長期固定ローンを組むのであれば、ARUHIも検討してもいいかもしれない。それぞれの住宅ローンの最新の諸条件や金利などはホームページで確認してほしい。

なお、銀行の通常の審査基準を満たす女性であれば、住宅ローンは給与振込口座のある銀行で組むのが一般的だ。給与振込口座となっている銀行では、既に信頼関係があり、融資審査が通りやすいというメリットがある。

繰上返済と貯金のどちらを優先すべきか

貯金を枯渇させるような繰上返済のし過ぎには要注意貯金を枯渇させるような繰上返済のし過ぎには要注意

最後に、繰上返済と貯金のどちらを優先すべきかについて触れておく。住宅ローンを組むと過度に繰上返済を行ってしまう人がいる。女性向け住宅ローンでは、繰上返済手数料無料のサービスを謳うものも多い。

確かに繰上返済は、返済利息を減らす効果があるため、利息を含めた返済総額を減らしてくれる効果がある。しかしながら、預貯金を枯渇させるほど繰上返済をし過ぎるのは禁物だ。

繰上返済をしなければ、その分を貯金に回すことができるため、その方が生活にゆとりが出る。住宅を購入することで貯金が大幅に減る人は、しばらくは繰上返済ではなく貯金を優先したほうがいいだろう。

むろん、一番重要なことは、最初から無理のない住宅ローンを組むことである。老後に向けた預貯金もできるゆとりのある返済計画とし、繰上返済の強迫観念に駆られなくてもいい状態で住宅ローンを組んでいただきたい。

2019年 09月16日 11時00分