超低金利時代は終息へ?

快適なマイホーム。低金利が続く間に住宅ローンの借換えも検討したい快適なマイホーム。低金利が続く間に住宅ローンの借換えも検討したい

金利に上昇圧力がかかっているが、住宅ローンを返済中のあなたは借換えを実行されたであろうか。借換えを実行しないまでも、借換えを検討し試算してみたであろうか。マイナス金利という未だかつて無い歴史的低金利時代は過去のこととなりつつある。足元の長期金利は0.06%。日銀は限りなく0.00%に誘導する方針だが果たしてどうか。あなたの住宅ローンは借換えでメリットが出る?金利タイプを変更すべき?賞味期限間近の低金利メリットを享受すべく住宅ローンの借換えについて基礎と注意点を確認しておこう。

1.この数字にピンと来たらシミュレーション

現在(2016年12月)の金利水準をみてみよう。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する長期固定型の「フラット35」は、返済期間が21年以上35年以下の場合の金利幅は年1.10%~年1.65%。返済期間が20年以下の場合の金利幅は年1.03%~年1.58%。民間金融機関の変動金利は0.50%台。10年固定型は0.45%のものもある。20年固定型は0.90%台と「フラット35」よりも低い金利で提供する金融機関もある。金利は金融機関によって、また金利のタイプによって異なる。万が一、あなたが上記の金利水準よりも高い金利で返済中ならば、借換えのシミュレーションをおすすめする。

一般的に借換えによってメリットが出る目安は、借入残高が1000万円以上あり、残返済期間が10年以上で、返済中の金利と借換え後の金利差が1%以上ある場合とされる。だが、借換え相談で試算をしていると、金利差が僅かでも残債が多い、残期間が長い、などの場合はメリットが出る場合も多い。なお、ここで言う「メリット」とは、借換えることによって総返済額が当初プランよりも減額となることを意味する。他には、変動金利型を低水準の固定型に借換えて金利上昇リスクを解消することも借換えのメリットであろう。自分にあった借換えを行うには、借換えによって何を得たいかという希望と優先順位を明確にしておくことが大切だ。

借換え検討の目安となる金利を確認しておこう借換え検討の目安となる金利を確認しておこう

2.借換えする?しない?は、トータルコストで判断

前項で紹介した借換えの目安の金利差は1%。理論的には、金利差が0.1%であっても毎月返済額が下がれば総返済額は減少する。例えば、3000万円を35年返済で借入れ、5年後に0.1%低い住宅ローンに借換えたとすると、残り30年間の利息総額は、約50万円の減額となる。いかに現在より低い金利の住宅ローンに借り換えるか、が成功の鍵というわけだ。

ところが、意識しておくべきファクターがある。手数料等の借換えコストだ。住宅ローン選びは金利の低さだけでなくトータルコストで検討すべきことは、住宅購入時も借換え時も同じ。先の試算で50万円の減額に成功しても、48万円のコストが発生するならばどうだろう。金融機関との交渉、必要書類の準備等の手間暇を考えると3万円の減額メリットでは割が合わないかもしれない。毎月返済額の減額、返済期間の短縮、金利上昇リスクの解消など、総返済額の減額以外のメリットがないと、一歩踏み出す動機付けにはなりにくい。金利も含めトータルコストの低い金融機関を選ぶことが重要だ。

借換え時に必要な諸費用は、新規借入れの時とほぼ同じ。融資手数料、保証料、団体信用生命保険料、収入印紙、登記関連費用など。融資手数料や保証料は金融機関にとって異なる。団信保険料は「フラット35」には必要だが、民間金融機関では別途支払いが必要となるケースはほとんどない。融資手数料は、「定額払い」と「借入額×利率」という支払い方があるが、残債が多い場合は後者が割高となるため、慎重に試算したい。

3.試算すべきは借換えの先の先/未来試算が勝負

ここまで、試算が重要であることを述べてきた。自分にあった金融機関と金利もコストも低い住宅ローンの絞り込みができれば、インターネツト上の比較サイトやシュミレーションソフトなどで計算が可能である。金利は毎月異なり、低さを競う金融機関のランキングも毎月変わる。12月の金利で試算しても、借換え実行が2月であれば、2月の金利水準となる。余裕を持った試算とプランニングを心がけたい。申込みから実行まで1~2ヶ月は見込んでおきたいし、金融機関に混み具合と実行時期を尋ねる事も大切だ。

そして、借換え時だけでなく、その先までの試算をおすすめする。選択する金利のタイプに応じて考えておこう。

[全期間固定]
「フラット35」に代表される全期間固定型。「フラット35」の金利が史上最低を記録した2016年は、「フラット35」から「フラット35」への借換えも人気だ。全期間において金利が固定されるため金利上昇リスクはない。「フラット35」へ借換える際は、「フラット35・S」の金利優遇は適用されないため注意が必要だ。同じ金融機関での借換えであっても、抵当権は抹消⇒設定という手順となるため登記手数料が発生することも抑えておきたい。

[変動型]
超低金利の昨今だが、金融機関の基準金利はさほど下がっていない。金利の低下に貢献しているのは、各金融機関の優遇幅の拡大だ。住宅ローン利用者が返済する際の適用金利は「基準金利-優遇幅=適用金利」となるが、優遇幅の拡大により適用金利が低くなっている。「変動金利だから借換えは関係無い」と思っていると恩恵も無い。過去の変動金利での契約を見直すことで、拡大された優遇幅を利用できるチャンスがある。

変動金利型は5年毎に返済額が見直されるケースが多い。これは5年間の返済額が固定されているだけで金利は固定されていない。よって、金利が上昇すれば上昇しただけの利息を支払う必要がある。返済額の見直し時期を目安に、金利上昇を想定した毎月返済額の増額分を試算しておこう。今は低金利でも、将来の返済が滞るような返済プランは選択すべきでないかもしれないし、家計の見直し等の対応策が必要だ。金利が上昇してからでは遅い。現在の金利や残債額等は、金融機関から送られてくる返済予定表で確認しておきたい。

[固定期間選択型]
驚くほど金利が低下しているのがこのタイプだ。マイナス金利のおかげで、金融機関の資金調達コストが下がり、固定期間の長い住宅ローン金利の低下に好影響が出ている。このタイプは借換え時の試算だけでなく、固定期間終了時の試算が最重要だ。固定期間の適用金利も「基準金利-優遇幅=適用金利」。金利の固定期間が終了すると、その時の基準金利で再計算される。さらに優遇幅は、当初の優遇幅がそのまま適用されるタイプと優遇幅が縮小されるタイプがある。例えば、「当初固定期間割引▲2.00%、期間終了後割引▲1.0」といった具合だ。

10年固定を選び、10年後に基準金利は上昇、優遇幅は縮小されて再計算。家計支出は子どもの教育費と生活費が上昇しているとなればどうだろう。支出の増額以上に給与等の収入増の見込みがあればよいが、そうでなければ家計には大打撃である。目先の金利だけにとらわれず、基準金利の水準、優遇の条件、ライフプランに応じた固定期間の選択、などが重要となる。固定期間終了時の金利上昇を想定した未来試算をして欲しい。

購入時の住宅ローン相談や借換え相談を受けていると、固定金利期間選択型を金利の低さだけで選択しているケースが多いのが気になる。変動金利を希望する場合も「金利は上昇しない」という根拠のない前提で選択しているケースもある。金利は上昇するかもしれないし、上昇しないかもしれない。だからこそ、上昇した際に家計破綻しないよう安心安全な選択と事前の対応策が最初に必要なのだ。適切にシミュレーションしよう。

目先の金利にとらわれず、基準金利の水準や優遇の条件、ライフプランに応じた固定期間の選択などが重要となる目先の金利にとらわれず、基準金利の水準や優遇の条件、ライフプランに応じた固定期間の選択などが重要となる

2017年 01月29日 11時00分