- 2026年度に二世帯住宅で使える国の補助金
- 新築なら「みらいエコ住宅2026事業」が柱となり、GX志向型住宅で1戸あたり110万〜125万円、長期優良住宅で75万〜80万円などの補助が受けられます。GX志向型はすべての世帯が対象で、長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯・若者夫婦世帯が対象という違いがあるため、親世帯・子世帯のどちらが建築主になるかで使える枠が変わる点まで整理して解説します。
- リフォームで二世帯化する場合の支援策
- 実家を改修して二世帯住宅にするケースでは、みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠(1戸あたり最大100万円)が使えます。断熱改修などの必須工事と組み合わせれば、対面キッチンへの交換やバリアフリー改修も補助対象にできる仕組みを、必須工事の内容とあわせて具体的に説明します。
- 古い情報に惑わされないための注意点と判断軸
- 「地域型住宅グリーン化事業」「すまい給付金」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」など、検索上位に残りがちな制度はすでに終了しています。終了済み制度の見分け方、床面積240㎡以下という二世帯住宅ならではの落とし穴、予算枯渇前に動くためのスケジュール感まで、申請前に確認すべきポイントをチェックリスト形式で示します。
親世帯との同居を考え始めて「二世帯住宅 補助金」と検索したものの、出てくる制度名がサイトごとにばらばらで、どれが今も使えるのか分からない—そんな戸惑いを感じていないでしょうか。
無理もありません。住宅の補助金制度は数年単位で名称や条件が入れ替わり、ネット上には終了した制度の解説記事が数多く残っています。実際、かつて二世帯住宅の定番だった「地域型住宅グリーン化事業」や「すまい給付金」は、すでに新規の申請ができません。
一方で、2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」という新しい国の制度が動いており、条件を満たせば新築で1戸あたり最大125万円、リフォームで最大100万円の補助が受けられます。さらに自治体独自の同居・近居支援や税の軽減を組み合わせれば、負担軽減の効果はより大きくなります。
この先では、2026年8月時点で実際に申請できる制度に絞って、金額・条件・申請の流れ、そして二世帯住宅ならではの落とし穴を順に見ていきます。
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二世帯住宅こそ補助金の「鮮度」が重要な理由

建築費が高くなりやすいからこそ、補助金の効果も大きい
二世帯住宅は、キッチン・浴室・玄関などの設備を世帯ごとに設けるかどうかで、完全同居型・部分共用型・完全分離型の3タイプに分かれます。共用部分が少なくなるほど設備が二重になり、同規模の単世帯住宅より建築費は高くなる傾向があります。延床面積も大きくなりやすいため、総費用が数百万円単位で膨らむことは珍しくありません。
だからこそ、100万円規模の補助金や税の軽減を取りこぼさないことが、単世帯住宅を建てる場合以上に重要になります。タイプ別の費用感を先に把握しておきたい方は、二世帯住宅は3種類。予算の目安とメリット・デメリットをタイプ別に紹介もあわせてお読みください。
「地域型住宅グリーン化事業」「すまい給付金」はもう使えない
二世帯住宅の補助金を調べると、今でも「地域型住宅グリーン化事業(三世代同居加算で最大30万円)」や「すまい給付金(最大50万円)」を紹介する記事が見つかりますが、いずれも新規申請はできません。すまい給付金は2021年11月(一部特例で2022年12月)までの契約分で終了し、地域型住宅グリーン化事業も令和5年度(2023年度)をもって事業を終えています。
また、三世代同居対応改修に加算があった「長期優良住宅化リフォーム推進事業」も、国土交通省の事業サイトで「令和7年度予算分をもって終了」「令和8年度、本事業は実施しません」と明示されています(出典:国土交通省「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」)。
つまり、2026年度に二世帯住宅で頼れる国の制度は、後述する「みらいエコ住宅2026事業」を中心に組み立てるのが基本線になります。制度名の後ろに年度が入っているか、公式サイトのドメインがかどうかを確かめるだけでも、古い情報をつかむリスクは大きく減らせます。
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補助額の一覧と対象住宅
2026年度に新築の二世帯住宅で使える国の補助金の柱が「みらいエコ住宅2026事業」です。2025年の「子育てグリーン住宅支援事業」の後継にあたり、省エネ性能の高い住宅の新築に対して、次の金額が補助されます(出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」)。
| 住宅の区分 | 1〜4地域(寒冷地など) | 5〜8地域(首都圏など) | 対象世帯 |
|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
長期優良住宅とZEH水準住宅には、古家の除却(解体)を伴う場合に20万円/戸の加算もあります。実家の建て替えで二世帯住宅にするケースでは、この除却加算が使える可能性が高いので覚えておきたいポイントです。
最も補助額が大きいGX志向型住宅は、断熱等級6以上・高い一次エネルギー消費量削減率などを満たす、ZEHのさらに上をいく省エネ住宅です。要件の詳細はGX志向型住宅とは? 補助金を受け取るための条件を分かりやすく解説で解説しています。
二世帯住宅で特に確認したい対象要件
みらいエコ住宅2026事業には、二世帯住宅だからこそ引っかかりやすい要件があります。
まず対象世帯の区分です。GX志向型住宅は世帯構成を問わずすべての世帯が対象ですが、長期優良住宅・ZEH水準住宅の補助は「子育て世帯(申請時点で18歳未満の子を有する世帯)」または「若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)」に限られます。二世帯住宅では親世帯・子世帯のどちらを建築主(申請者)にするかで、使える枠が変わる可能性があるということです。
次に床面積の要件で、補助対象は50㎡以上240㎡以下とされています。設備をすべて二重に設ける完全分離型の二世帯住宅は延床面積が大きくなりやすく、240㎡を超えると補助対象から外れてしまいます。間取りの検討段階から、施工会社に補助金の要件を伝えておくことが大切です。
申請は事業者経由。個人で手続きはできない
この補助金は、住宅を建てる人が自分で国に申請するのではなく、事業に登録した施工会社・販売会社(みらいエコ住宅事業者)が申請手続きを行い、補助金を契約代金への充当などの形で建築主に還元する仕組みです。つまり、依頼先が登録事業者でなければ、要件を満たす住宅を建てても補助は受けられません。
スケジュールの目安として、2025年11月28日以降に基礎工事に着手した住宅が対象で、交付申請の受付は2026年12月31日まで(予約は2026年11月16日まで)とされています。ただし予算(国土交通省1,450億円・環境省750億円)の上限に達し次第、受付は前倒しで終了します。前身の子育てグリーン住宅支援事業でも、GX志向型住宅の枠が期限を待たずに受付終了となった経緯があるため(出典:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業」)、利用を考えるなら早めに動くに越したことはありません。
省エネ住宅の住宅カタログを探す ZEH・Nearly ZEH住宅の住宅カタログを探す 長期優良住宅の住宅カタログを探す【リフォーム】実家を二世帯化する場合も最大100万円

みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠
実家に手を入れて二世帯住宅にする「リフォーム二世帯化」でも、みらいエコ住宅2026事業が使えます。リフォーム枠では、窓・ドアなど開口部の断熱改修、外壁・屋根・床などの躯体断熱改修、高効率給湯器などの設置といった省エネ工事を軸に、1戸あたり最大100万円(住宅の建築時期と工事の水準による)が補助されます。
二世帯化との関係で注目したいのは、必須の省エネ工事と組み合わせることで、手すり設置や段差解消といったバリアフリー改修、対面キッチンへの交換などの子育て対応改修も補助対象にできる点です。親世帯の暮らしやすさと子世帯の家事動線を同時に整えられるため、二世帯リフォームとの相性は良い制度といえます。
築年数の古い実家ほど補助上限が高く設定されているのも特徴で、断熱性能が不足しがちな昭和〜平成初期の住宅を二世帯化するなら、省エネ改修とセットで計画する価値は十分にあります。
「三世代同居加算」があった旧制度は終了。代わりの探し方
前述のとおり、三世代同居対応改修(キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設)に最大50万円の加算があった長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和7年度で終了しました。「同居対応」という切り口の国の加算は2026年度時点でなくなっているため、同居のための増設工事そのものへの支援は、次に紹介する自治体制度で補うのが現実的です。
なお、リフォームでも申請は登録事業者が代行します。見積もりの段階で「みらいエコ住宅2026の登録事業者かどうか」「どの工事が補助対象になるか」を確認しておきましょう。
無料でリフォームについてオンライン相談する 住まいの窓口店舗一覧自治体の同居・近居支援と税の軽減も忘れずに
自治体には「同居そのもの」を支援する制度がある
国の制度が省エネ性能を軸にしているのに対し、自治体には親世帯との同居・近居そのものを応援する制度があります。
例えば千葉県松戸市の「親元近居・同居住宅取得支援」では、市内に1年以上住む親世帯と同居するために住宅を取得する子育て世帯などに対し、同居で75万円・近居(直線2km以内)で50万円、市外からの転入ならさらに25万円が加算され、最大100万円が支給されます(出典:松戸市「親元近居・同居住宅取得支援」)。住宅取得の契約前に事前相談が必要という手続き上の条件がある点も、多くの自治体制度に共通する特徴です。
こうした制度は市区町村ごとに有無も内容もまったく異なり、年度途中で受付を締め切ることもあります。「〇〇市(建てる予定の市区町村名) 同居 補助金」「〇〇市 三世代 住宅 支援」で自治体の公式サイトを検索し、必ず最新の募集状況を確認してください。国の補助金と自治体の補助金は財源が異なるため、併用できるケースが多いのも見逃せないポイントです。
補助金だけじゃない。固定資産税・不動産取得税は「2戸分」の軽減も
二世帯住宅の負担軽減を考えるうえで、補助金と並んで効果が大きいのが税制です。構造上・利用上の独立性を満たす二世帯住宅は、固定資産税や不動産取得税の計算上「2戸」として扱われ、新築住宅の固定資産税減額や不動産取得税の控除をそれぞれの住戸で受けられる場合があります。
ただし、独立性の要件や登記の仕方(区分登記か共有登記か)によって扱いが変わり、住宅ローン控除や将来の相続(小規模宅地等の特例)にも影響します。詳しくは二世帯住宅の固定資産税、軽減措置は2戸分に! 適用条件とリスクを解説で解説していますので、間取りと登記を決める前に一度目を通しておくことをおすすめします。
二世帯住宅の住宅カタログを探す 二世帯住宅が得意な会社を探す意外と知られていない落とし穴と、後悔しないための判断軸
補助金で失敗する3つの典型パターン
二世帯住宅の補助金でつまずくパターンは、おおむね次の3つに集約されます。
1つ目は「古い制度を前提に資金計画を立ててしまう」ケースです。数年前の記事を参考に「三世代同居加算で50万円もらえるはず」と見込んでいたのに、制度自体が終了していた—という行き違いは実際に起こり得ます。資金計画に組み込む補助金は、必ず公式サイトで現行制度であることを確かめましょう。
2つ目は「要件の見落とし」です。床面積240㎡以下の上限、対象世帯の区分、登録事業者との契約、着工時期—どれか1つ欠けても補助は受けられません。特に完全分離型の大きな二世帯住宅は面積上限に注意が必要です。
3つ目は「予算枯渇」です。国の補助金は先着順に近い運用で、予算上限に達すると期限前でも受付が終わります。「間取りが固まってから調べよう」では、着工する頃に枠がなくなっている可能性があります。
申請前チェックリスト10項目
計画段階で次の10項目を確認しておけば、大きな取りこぼしはほぼ防げます。
- 参考にしている補助金情報は2026年度の現行制度か(公式サイトで確認したか)
- 建てる住宅はGX志向型・長期優良・ZEH水準のどの区分を狙うか決めたか
- 建築主(申請者)を親世帯・子世帯のどちらにするか、対象世帯の要件と照らして検討したか
- 延床面積は50〜240㎡の範囲に収まっているか
- 依頼予定の施工会社は「みらいエコ住宅事業者」として登録済みか
- 建て替えの場合、古家の除却加算(20万円)の対象になるか確認したか
- 建設地の市区町村に同居・近居支援制度があるか調べたか
- 自治体制度の「契約前の事前相談」など手続きの順番を確認したか
- 固定資産税・不動産取得税の2戸分軽減と登記方法の関係を確認したか
- 予算枯渇に備え、申請時期から逆算したスケジュールを施工会社と共有したか
チェックを進めるなかで「そもそもどんな二世帯住宅が建てられるのか、相場感がつかめない」と感じたら、実際の物件情報やカタログを眺めてみるのが近道です。世帯構成や予算のイメージを固める材料として、まずは気軽に見てみてください。
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まとめと次のステップ
2026年度に二世帯住宅で使える支援策は、国の「みらいエコ住宅2026事業」(新築で最大125万円・リフォームで最大100万円)を軸に、自治体の同居・近居支援、固定資産税・不動産取得税の2戸分軽減という3層で考えるのが基本です。かつての定番だった地域型住宅グリーン化事業やすまい給付金、長期優良住宅化リフォーム推進事業はすでに終了しており、古い情報のまま資金計画を立てると、数十万〜百万円規模の見込み違いにつながりかねません。
国の補助金は予算上限に達し次第受付が終わるため、「検討が固まってから調べる」のではなく「調べながら検討を固める」順番のほうが、結果的に選択肢を広く保てます。まずは建てたいエリアでどんな二世帯住宅が実現できそうか、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
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詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。
- 二世帯住宅は3種類。予算の目安とメリット・デメリットをタイプ別に紹介
- GX志向型住宅とは? 補助金を受け取るための条件を分かりやすく解説
- 二世帯住宅の固定資産税、軽減措置は2戸分に! 適用条件とリスクを解説
- 長期優良住宅はメリットが多い! 認定の手続きや条件、必要なことまとめ
- ローコストで二世帯住宅を建てるには? 間取り例や得意なハウスメーカーを紹介
よくある質問
Q1. 二世帯住宅だと補助金を「2戸分」もらえますか?
A. 原則としてもらえません。みらいエコ住宅2026事業の補助は「1戸あたり」で計算されますが、一般的な二世帯住宅は建築確認上1戸として扱われることが多く、その場合の補助は1戸分です。一方、固定資産税や不動産取得税は独立性の要件を満たせば2戸分の軽減を受けられる場合があり、「補助金は1戸分・税は2戸分」という整理になるケースが典型です。個別の扱いは施工会社や自治体に確認してください。
Q2. 親世帯(60代)が建築主でも補助金は使えますか?
A. 使える枠はあります。みらいエコ住宅2026事業のうちGX志向型住宅(110万〜125万円)はすべての世帯が対象のため、親世帯が建築主でも申請できます。一方、長期優良住宅・ZEH水準住宅の枠は子育て世帯・若者夫婦世帯限定のため、この枠を使いたい場合は要件を満たす子世帯を建築主(共有名義を含む検討)とできないか、資金計画とあわせて施工会社に相談するとよいでしょう。
Q3. 補助金の申請は自分でやる必要がありますか?
A. いいえ。みらいエコ住宅2026事業では、事業に登録した施工会社・販売会社が申請手続きを行い、補助金は契約代金への充当などの形で還元されます。施主自身が国へ書類を出すことはありません。ただし、依頼先が登録事業者でないとそもそも補助を受けられないため、契約前に登録の有無を必ず確認してください。自治体の制度は施主自身が申請するものが多く、契約前の事前相談を求められる場合もあります。
Q4. これから計画を始めても2026年度の補助金に間に合いますか?
A. 交付申請の受付は2026年12月31日まで(予約は11月16日まで)とされていますが、予算上限に達すると前倒しで終了します。今から土地探し・プラン検討を始める場合、年内の申請は日程的に厳しい可能性もありますが、こうした国の省エネ住宅支援は近年、名称を変えながら継続的に実施されてきました。次年度制度の公表を見据えつつ、要件(省エネ性能・床面積・登録事業者)を意識したプランづくりを先に進めておくことが、結果的に最善の備えになります。
更新日: / 公開日:2019.09.12










