- 「トリガールーム」を起点とした省エネ改修が必須
- 「みらいエコ住宅2026事業」の補助金を利用するためには、リビングや寝室など1つの部屋を起点とする「要件化工事」が不可欠です。起点となる部屋で断熱改修などの条件を満たすことで、リフォーム全体が補助の対象になります。
詳しくは、「補助を受けるのに押さえておきたいポイントは?」をご覧ください。 - 古い住宅ほど手厚く、最大100万円の補助金がもらえる
- リフォームでもらえる補助金額は、住宅の新築時期と実施する省エネ基準によって異なり、1戸あたり最大100万円です。最も手厚いのは平成3年以前に建てられた住宅で、古い家ほど上限額が大きく設定されています。
詳しくは、「実際にもらえる補助金額は最大100万円」をご覧ください。 - 申請は登録事業者のみ可能で、予算上限に達すると早期終了する
- 補助金の申請手続きは、みらいエコ住宅2026事業の登録事業者が行います。DIYでの工事や自分で申請することはできません。また、国の予算上限に達した時点で受付が終了するため、リフォームは早めに計画することが重要です。
詳しくは、「申請は2026年6月30日スタート」をご覧ください。
中古マンションを探す中古一戸建てを探すリフォーム・リノベーションについて相談する
住宅価格の高騰を受け、新築ではなく中古住宅を購入し、リフォーム・リノベーションして暮らすことを検討する人が増えています。中古住宅は購入費を抑えやすい一方で、入居前後のリフォーム費用がかさむこともありがちです。
そこで利用を考えたいのが、住宅の省エネ性能向上を支援する国の補助制度「みらいエコ住宅2026事業」です。政府は、2050年カーボンニュートラル(炭素排出量ゼロ)を実現するため、省エネ性能の高い住宅の普及を推進しています。築年数の古い住宅は窓や床・壁・天井の断熱が十分でないことが多く、夏の暑さや冬の寒さ、結露、冷暖房効率の悪さにつながりやすいです。
こうした性能を底上げする工事を後押しするのも、この制度の狙いのひとつです。そのため中古住宅のリフォームも対象となっており、上手く利用すれば、内容によって40万~最大100万円の補助金を受け取れます。
リフォームの補助金が受けられる基本的な条件は?

補助を受けるには、省エネ改修を中心とした「要件化工事」が必須
実際、どんなリフォームが対象なのでしょう。この事業は「住宅の省エネ性能を高めること」を目的としているため、窓・ドアや床・壁・天井の断熱改修、省エネ性能の高い設備の設置などが中心になります。
畳の部屋をフローリングに張り替えたり、システムキッチンを入れ替えるといった工事は対象にならない可能性が高いので注意しましょう(対象設備を組み合わせると補助対象になるケースもあります)。
補助を受ける中古住宅の対象は、原則として2016(平成28)年12月31日以前に建てられた住宅です。「いつ建てられたか(建築時期)」によって補助上限額も変わります(後述)。
また、住宅を所有して自分で住む人だけでなく、家族が住む住宅を所有する人、賃貸住宅の所有者や賃借人、管理組合・管理組合法人、買取再販事業者なども対象になり得ます。
補助を受けるために押さえておきたいポイントは?
実際に補助を受けるには、必須となる「要件化工事」を行う必要があります。
まず、省エネ改修の起点となる部屋を1つ決めます。これを制度上「トリガールーム」と呼びます。この部屋を起点に審査が行われるためです。
トリガールームに定められるのは、リビングやLDK、寝室、子ども部屋など、外気に面する窓・ドアがある居室が対象で、その部屋で決められた断熱改修などを行います。
また、要件化工事には下表の2つの基準があり、どちらかを選ぶことになります。
| 要件化工事の基準 | 必要な工事の組み合わせ |
|---|---|
| 義務基準に相当する工事 | 開口部の断熱改修+躯体の断熱改修 +特定エコ住宅設備の設置 |
| 次世代省エネ基準に相当する工事 | 開口部の断熱改修+躯体の断熱改修 |
要件化工事の基準を満たしたうえで、補助額の計算対象になる「補助対象工事」を選んでいきます。
補助対象工事には8種類があり、行った工事ごとに補助額が積み上がっていきます。どの工事をどのように組み合わせるかは、実際に工事をする業者と相談して、上手く補助金を受けられるよう計画しましょう。
実際にもらえる補助金額は最大100万円

補助額は、対象工事ごとの補助額を合計して計算し、1戸あたりの上限額が決まっています。上限額は「住宅の新築時期」と「実施する要件化工事の基準」の組み合わせで、次のとおりです。
対象となる住宅の新築時期 | 実施する要件化工事の基準 | |
| 義務基準に相当する工事 | 次世代省エネ基準に相当する工事 | |
| 〜平成3年 | 100万円/戸 | 50万/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万/戸 |
つまり、「古い家ほど、そして省エネ性能を高くするほど上限額が大きい」という仕組みです。最も手厚いのは平成3年以前に建てられた住宅で義務基準に相当する改修を行う場合の100万円/戸、最も低いのは平成4〜28年に建てられた住宅で次世代省エネ基準にとどめる場合の40万円/戸です。
注意したいのは、ここに示した金額はあくまで上限であり、すべてのリフォームで満額が補助されるわけではない点です。実際の補助額は、前述の補助対象工事を積み上げた合計で決まり、上限を超えた分は補助されません。
一方、補助額には下限もあります。原則として、1回の申請でもらえる補助額の合計が5万円以上にならないと、そもそも申請できません。ここでいう5万円は工事費ではなく、積み上げた補助金そのものの合計額を指します。
そのため、ごく小規模な工事だけでは対象外になることがあり、要件化工事と複数の補助対象工事を組み合わせて、補助額の合計が5万円を超えるように計画しておくことがポイントです。
【事例で解説】みらいエコ住宅2026事業でもらえる補助金シミュレーション
実際にどのようなリフォームをしたら、いくら補助金がもらえるのでしょうか。よくある中古住宅のリフォーム事例と、見込める補助金額のシミュレーションをご紹介します。
※補助額はあくまで一例です。実際の補助額は、対象設備の仕様やサイズ、施工内容、住宅の条件などによって異なります。
事例1:LDKを中心に、水まわりも一新したい(築20年・戸建て)

リビング(トリガールーム)の寒さを解消しつつ、古くなったキッチンや浴室をまとめてリフォームするケースです。
実施する工事の例
【要件化工事(トリガールーム:LDK)】
リビングの内窓設置
リビングの床断熱改修
【補助対象工事】
キッチンリフォームに伴うビルトイン食洗機・節湯水栓の設置
浴室リフォームに伴う高断熱浴槽・節湯水栓の設置
段差解消・手すり設置(バリアフリー改修)
【想定補助額合計】 約20~25万円
ポイント
LDKをトリガールームに設定することで、断熱改修の要件を満たしつつ、キッチンや浴室の対象設備、バリアフリー改修なども補助対象として組み合わせることができます。
事例2:家全体の性能を底上げしたい(築35年・戸建て)
古い住宅特有の「冬の底冷え」や「夏の暑さ」を改善するため、家全体の断熱性能を高める大規模リフォームを行うケースです。
実施する工事の例
【要件化工事(トリガールーム:寝室)】
寝室の高断熱窓への交換
寝室の壁・天井の断熱改修
【補助対象工事】
他居室(リビング・子ども部屋など)の窓・ドアの断熱改修
外壁の断熱改修
高効率給湯器の設置
必要に応じて床・天井などの断熱改修
【想定補助額合計】 約80~90万円
ポイント
平成3年以前に建築された住宅は補助上限額が高く設定されています。家全体の断熱性能を現行の省エネ基準相当まで高めるような大規模リフォームでは、補助対象工事の組み合わせによっては、上限額である100万円に近い補助を受けられる可能性があります。リノベーション会社を探すリフォーム・リノベーションについて相談する
みらいエコ住宅2026事業のリフォーム申請の流れ

補助金を確実に受け取るためには、正しい手順を踏む必要があります。「工事が終わってからでは申請できない」という点に十分注意して、以下のステップで進めましょう。
1. 事業者選びと相談
必ず「みらいエコ住宅2026事業の登録事業者」であることを確認し、リフォームの相談・見積もり依頼をします。
2. 契約・交付申請の予約
工事請負契約を結びます。この時点で、事業者が事務局へ「交付申請の予約」を行うことで、予算枠を確保できます。(※予約期限:2026年11月16日まで)
3. リフォーム工事の実施
実際に工事を行います。要件化工事(トリガールームの施工)が含まれているか、着工前に事業者と最終確認しましょう。
4. 交付申請・完了報告
工事完了後、事業者が事務局へ交付申請および完了報告を行います。(※申請期限:遅くとも2026年12月31日まで)
5. 補助金の還元
事務局から事業者に補助金が振り込まれた後、最終的な工事代金から相殺されるか、現金で還元されます。(還元方法は事前に事業者と取り決めておきましょう)
申請は2026年6月30日スタート
実際のみらいエコ住宅2026事業のリフォーム工事の交付申請は、2026年6月30日からスタートしています。
制度に登録された事業者を通じて申請する必要があります。工事が終わってから自分で申請すればよい、という制度ではありません。交付申請期間は2026年12月31日まで、交付申請の予約期間は、申請開始から遅くとも2026年11月16日までです。
| 手続き | 期間 |
| 交付申請 | 申請開始〜遅くとも2026年12月31日まで |
| 交付申請の予約 | 申請開始〜遅くとも2026年11月16日まで |
みらいエコ住宅2026事業で後悔しないための注意点
最後に、みらいエコ住宅2026事業を活用してリフォームする際に注意したいポイントを整理しておきます。
中古住宅は購入前からリフォーム費用まで見込んでおく
中古住宅を購入してリフォームするなら、「買った後に補助金を調べる」のではなく、購入前からリフォーム内容と補助金の活用をある程度イメージしておくことが大切です。
築年数の古い住宅では、キッチンや浴室などの水まわり設備だけでなく、窓の断熱、床・壁・天井の断熱、給湯器やエアコンなどの更新が必要になることがあります。これらは要件化工事や補助対象工事に当たるものも多く、補助金で費用の一部をまかなえる可能性があります。
逆にいえば、補助を活かすには、どの工事を組み合わせれば要件化工事を満たし、上限額に近づけられるかを購入前から見据えておくのが有利です。
どの部屋を省エネ改修の起点にするか考える
補助金を活かすなら、「どの設備を交換するか」より先に「どの部屋を省エネ改修の起点(トリガールーム)にするか」から考えるのがコツです。というのも、前述のとおり要件化工事が「部屋単位」で判定されるためです。
起点に選んだ部屋で断熱改修などの条件を満たすことで、はじめてリフォーム全体が補助の対象になります。だからこそ、どの部屋を起点にするかが、補助の可否や範囲を大きく左右します。
たとえば、LDKを起点にすれば、窓・床・壁・天井の断熱に加えて、キッチン改修や対面キッチン化、食洗機、高効率エアコンなどを組み合わせやすくなります。
寝室を起点にすれば冬の寒さや結露・睡眠環境の改善、子ども部屋を起点にすれば暑さ寒さや結露・カビ対策、学習環境の改善といった目的につなげやすくなります。制度の条件とどの部屋を快適にしたいかの両面から考えると、計画を立てやすくなります。
予算上限によって早期終了の可能性も
住宅関連の補助金は、国の予算上限に達した時点で受付が終了する場合がありますが、みらいエコ住宅2026事業についても、予定より早く受付が終了する可能性があります。
交付申請の締切は遅くとも2026年12月31日まで、交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日までとされていますが、予算上限に達した場合はその時点で終了します。
交付申請の予約ができる場合もありますが、予約だけで補助金の交付が確定するわけではありません。補助金の還元方法や還元時期も、契約前に事業者へ確認しておきましょう。
まとめ|みらいエコ住宅2026事業を賢く活用するために
みらいエコ住宅2026事業は、既存住宅の省エネリフォームに活用できる補助制度です。中古住宅を購入してリフォームする場合も、要件を満たす工事であれば補助の対象になり得ます。
省エネ工事は見栄えに直結しにくい、住宅の躯体に関わる工事のため、つい後回しにしたくなります。ただ、購入時に工事をしておくことで、寒暖差が少なくなり、結果的に光熱費の削減や室内の快適性向上が期待できます。
購入前からリフォーム費用まで含めた資金計画を立て、どの工事が対象になるか・どのくらいの補助額が見込めるか、登録事業者に早めに確認することが、制度を上手に活用するための第一歩です。「早めの情報収集と行動」が、賢いリフォームの鍵となります。
みらいエコ住宅2026リフォームに関するよくある質問(FAQ)
DIYでリフォームしても補助金の対象になりますか?
対象になりません。みらいエコ住宅2026事業は、あらかじめ国に登録された「登録事業者」が施工する工事のみが対象です。材料だけを自分で購入して施工した場合などは申請できませんのでご注意ください。
マンションのリフォームでも補助金は使えますか?
はい、利用可能です。マンション(集合住宅)の場合でも、専有部分の窓の断熱改修(内窓の設置など)や、水まわり設備の省エネ改修などは対象となります。ただし、管理組合の承認が必要な工事もあるため、事前の確認が必須です。
他の補助金制度(自治体の制度など)と併用はできますか?
原則として、「国」が実施する他の補助金制度と、同じ工事箇所(例:同じ窓の改修)で重複して補助を受けることはできません。ただし、「地方自治体」の独自財源による補助金であれば併用可能なケースが多いです。詳しくは施工を依頼する登録事業者にご相談ください。
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