住宅を取得したときに必ず利用したいのが住宅ローン控除制度です。この制度を使えば毎年支払う所得税や住民税が安くなりますが、住宅ローン控除はどれくらいの期間受けることができるのでしょうか。また、申請は難しいのでしょうか? 今回は、住宅ローン控除の期間や申請方法についてご紹介します。

住宅ローン控除の適用期間には上限がありますが、その上限は住宅に入居した時期によって異なり、以下のようになっています。

住宅に入居した時期 住宅ローン控除期間
2007年1月1日〜2008年12月31日 15年
2009年1月1日〜2021年12月31日 10年

 

消費税が10%に増税されることに合わせ、2019年10月〜2020年12月の間で消費税10%の住宅を取得した場合には、住宅ローン控除期間は13年となります。

住宅に入居した時期 住宅ローン控除期間 消費税率
2019年10月1日~2020年12月31日 13年 消費税10%

住宅ローン控除について検討するときに押さえておきたいのが「入居時期」です。住宅ローン控除の起点は住宅の売買契約などを交わした時期ではなく、住宅に居住を開始した時期とされているからです。

さらに、住宅ローン控除は「年末の住宅ローン残高」を基に控除額を計算します。そのため、入居時期が遅いほどその年の控除額が高くなります。購入が同時期だったとすると、翌年1月に入居するよりも、年内の12月に入居したほうが控除額が高くなるというわけです。

ただし、入居前には契約や引き渡しなどを終えておかなければなりませんので、この点は注意してください。

住宅ローン控除の適用条件は、新築や中古物件、リフォームの場合によって異なることも知っておきましょう。例えば新築や中古物件の場合、以下のような適用条件があります。

【新築物件の場合】

・物件を取得、または新築した日から6ヶ月以内に引越すこと
・住宅ローン控除を受ける年の所得額が3,000万円以下であること
・住宅の床面積が50m2以上、かつ床面積の2分の1以上が居住用であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上あること

【中古物件の場合】

・建築日から取得日までの期間が20年以下であること。耐火建築物の場合は25年以下であること
・耐震基準に適合している建物であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上あること
・贈与されていないこと
・生計を一にする親族などから取得していないこと

 

住宅ローン控除の計算式は住宅を取得した年によって変わりますが、2014年以降に消費税8%の住宅を取得したときの計算式は【年末の住宅ローン残高×1%×10年】となります。

2019年10月以降で消費税10%の住宅を取得したときも10年目までは同じ計算式ですが、11年目から13年目はローン残高の1%か物件取得価格の2%÷3のうち少ないほうの金額が適用となるなど、計算式が変わってくるので注意が必要です。

また、最大控除額は40万円まで、新築の認定された住宅(認定長期優良住宅および認定炭素住宅)の場合は50万円までと決まっているので、こちらも併せてチェックしておきましょう。

 

例えば消費税10%・物件価格3,000万円の住宅を取得した場合(住宅ローンの返済については考えない)、1年目には【3,000万円×1%=30万円】が控除額となります。
この30万円は、その年の所得税から控除されますが、所得税の額が30万円に達していないときには差額は住民税から控除されます。この住民税からの控除額についても上限があり、前年度課税所得の7%(最高13.65万円)を上限として控除の対象となります。

では次に、住宅ローン控除の申請方法や必要書類についてご紹介します。

住宅ローン控除の申請手続き方法と期限

住宅ローン控除の申請は、1年目と2年目以降で異なります。1年目は確定申告時に税務署に必要書類を提出して申請することになりますが、2年目からは、給与所得者は会社の年末調整で、自営業者は1年目と同じく毎年確定申告時に申請することになります。確定申告の方法にはいくつかあり、居住地域を管轄する税務署に出向いて手続きするほか、書類をそろえて郵送する方法もあります。なお、事前準備が必要ですがインターネット上での確定申告も可能です。

 

確定申告は年によって前後することはあるものの、おおむね毎年2月16日〜3月15日となっています。サラリーマンなどの給与所得者が2年目以降住宅ローン控除の申請をするときには、会社の年末調整が始まりだす11月、12月くらいが申請期限です。

住宅ローン控除の申請に必要な書類

住宅ローン控除の申請時に必要な書類を、初年度と2年目以降に分けてご紹介します。入手方法も併せて記載していますので、参考にしてください。

初年度に必要な書類

  • 確定申告書(税務署で入手する)
    (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署から送られてくる)
  • マイナンバーまたはマイナンバー記載の住民票の写し(市町村役場で入手する)
  • 本人確認書類
  • 登記事項証明書(法務局で入手する)
  • 売買契約書の写し
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合。職場で入手する)

また、中古物件長期優良住宅を取得した場合にはそれぞれ住宅の性能を証明する書類が必要となるため、確定申告に先立って必要な書類を確認しておくことが重要です。

2年目以降に必要となる書類

  • 残高証明書
  • 特定増改築等住宅借入金等特別控除申告書兼証明書(税務署から送られてくる)
  • 住宅ローン控除申告書(年末調整時に必要で、会社で入手する)

住宅ローン控除の申請期限は、確定申告と同じく3月15日が原則となりますが、過ぎてしまった場合でも一定期間内であれば還付が受けられます。

確定申告や年末調整の期限後も、5年までならさかのぼって申告が可能

自営業者は毎年確定申告を行うため、住宅ローン控除の申請を忘れてしまった場合は、確定申告を間違えたということになります。そこで「更正の請求」という手続きを行えば、法定申告期限から5年以内であれば還付を受けることができます。
確定申告の必要がないサラリーマンなどの場合でも、5年まではさかのぼって申告することができます。

会社の提出期限を過ぎたらどうする?

サラリーマンが会社の年末調整で提出期限を過ぎてしまった場合は、まずは会社に相談してみましょう。
会社では、社員全員の書類を取りまとめて確定申告の手続きを行います。そのため、会社がまだ申告手続きの途中であれば、社内で修正するだけで済むこともあるからです。ただし、2月や3月など、時期によっては会社の手続きが終わってしまっていることもありますので、その場合は自分で確定申告をし、住宅ローン控除の申告を行うことが必要になります。

所得税や住民税が節税できる住宅ローン控除。住宅を取得したのなら、使わない手はありません。初年度の申告はやや手間がかかりますが、2年目以降は手続きも簡素化されます。住宅ローン控除制度の内容が変更になることもあるため、活用する際は必ず国税庁の最新情報をチェックすることが重要です。

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