高齢者向け住宅は健康状態と介護の要不要で選ぶ
高齢者向けの住まいは、自立〜軽度介護者向けのサ高住やシニアマンション、介護が必要な方向けの介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホーム(特養)などに大別されます。居住者の身体状態や必要なサポートに合わせて選ぶことが重要です。
詳しくは、「1-1. 健康状態(自立・要支援・要介護)による主な分類」をご覧ください。
要介護3以上は費用を抑えられる公的施設が選択肢
公的施設である特別養護老人ホーム(特養)は、原則として要介護3以上が入居条件となります。民間施設に比べて入居一時金がかからず月額費用も低く抑えられるため、重度の介護が必要な場合の有力な選択肢です。
詳しくは、「3-2. 特別養護老人ホーム(特養)」をご覧ください。
住まい選びは月額費用と将来の退去リスクを確認
高齢者向け住宅を選ぶ際は、初期費用だけでなく将来にわたって月額費用を無理なく支払えるかシミュレーションすることが不可欠です。また、介護度が高くなった場合にそのまま住み続けられるか、退去要件を事前に確認しておきましょう。
詳しくは、「4. 自分や家族に合った高齢者向け住宅の選び方」をご覧ください。

高齢者向け住宅や施設の種類・違いを分かりやすく解説。
サ高住やシニアマンションなどの自立向けから、介護付き有料老人ホーム・特養などの介護向けまで、費用相場や入居条件、メリット・デメリットを比較表でまとめています。自分や家族に合った住まい選びの参考にしてください。
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今のシニア世代はアクティブシニアといわれ、高齢者になっても生き生きと暮らしを楽しむ人が増えています。シニアになってから住まいを変える場合、高齢者向けの施設を選ぶケースも増えてきているようです。いったいどういった住まい方があるのでしょうか? 高齢者向けの施設の種類や住まい方の違いなどを解説します。

 

高齢者のための住まいというと、介護を必要とする人のための特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームが思い浮かぶかもしれません。しかし、介護を必要としない自立した状態の高齢者に向けた施設として、シニアマンションなどがあります。健康な高齢者であっても、加齢によって家事が負担になる人や、一人で暮らすことに不安を感じる人もいます。シニアマンションなど自立した高齢者向けの施設では、生活支援サービスを受けられるため、安心して暮らすことができるのです。

 

高齢者向けの住まいには、介護保険による介護サービスが付帯している施設と、介護サービスは提供されない施設があります。また、運営主体によって「民間施設」と「公的施設」に大きく分かれます。

 

民間施設はサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームなどで、サービス内容や費用の幅が広いのが特徴です。一方、公的施設は特別養護老人ホーム(特養)などで、費用が比較的安く抑えられます。

 

 

高齢者向け住宅や施設は、入居者の健康状態によって適した種類が変わります。大きく「自立〜軽度介護(要支援など)の方向け」と「介護が必要な方向け」に分かれます。

 

健康で自立している段階や、要支援などの軽度な状態であれば、一般的な賃貸住宅や分譲マンションの延長線上にある住まい(サ高住、シニアマンションなど)も有力な選択肢です。一方で、日常的な生活援助が必要になる「要介護3」は、公的介護施設である特別養護老人ホームに入居できるボーダーライン(原則要介護3以上)となります。自身の現在の健康状態だけでなく、将来どのように変化するかを見据えて分類を理解しておきましょう。

 

 

高齢者向け住宅・施設の代表的な種類について、対象となる健康状態や費用の目安を一覧にまとめました。

 

施設の種類対象者の目安初期費用の目安月額費用の目安
サービス付き高齢者向け住宅自立〜軽度要介護数十万円(敷金など)10万〜25万円
シニア向け分譲マンション自立〜軽度要介護数千万円(購入費)10万〜20万円(管理費など)
自立型有料老人ホーム自立数百万円〜数千万円15万〜30万円
介護付き有料老人ホーム自立〜要介護50円〜数千万円15万〜30万円
住宅型有料老人ホーム自立〜要介護0円〜数千万円10万〜25万円
特別養護老人ホーム(特養)原則要介護3以上0円10万〜15万円
グループホーム要支援2以上(認知症)0円〜数十万円10万〜20万円
ケアハウス自立〜軽度要介護(一般型)など0円〜数百万円7万〜15万円

 

※費用は施設や地域によって大きく異なります。目安として参考にしてください。

 

介護保険による介護サービスのない高齢者向けの住まいの中で、民間事業者の運営によるサービス付き高齢者向け住宅と自立型有料老人ホーム、シニア向け分譲マンションのメリットやデメリットを比較してみましょう。

 

 

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、民間の事業者の運営によるバリアフリー構造の賃貸住宅です。都道府県の認定によって登録され、指導や監督が行われています。専門スタッフによる安否確認と生活相談のサービスを提供することが施設に義務付けられています。そのほかのサービスの提供は施設によって異なりますが、食事サービスを提供する施設は多いようです。

 

介護が必要になった時には、訪問介護サービスなどの外部サービスを利用することで、軽度の介護状態までは暮らせます。生活の自由度が高いことがメリットですが、一般的な賃貸住宅よりも賃料が高いこと、施設によるサービスの差が大きいことがデメリットです。また、あくまで賃貸住宅であるため、重度の介護状態になったり、常時医療ケアが必要になったりした場合は、退去して別の介護施設へ移ることを求められるリスクがある点には注意が必要です。

 

 

シニア向け分譲マンションはシニアマンションとも呼ばれ、売却や相続が一般的な分譲マンションと同様にできることがメリットです。食事や掃除などのサービスが提供され、サークル活動などのレクリエーション活動が充実していること、カラオケルームやフィットネス施設、大浴場といった共用施設が充実していることが魅力です。

 

一方で、購入費用や月額の管理費等が高いことがデメリットとして挙げられます。また、サ高住と同様に、重度の介護状態になった時に住み続けるのが難しいケースが多い点もあらかじめ理解しておきましょう。

 

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自立型有料老人ホームは、民間事業者が運営する有料老人ホームの中でも、自立状態にある高齢者のための施設です。居室はマンションと同様にキッチンや浴室、トイレなどが備えられたゆとりある個室で、プールや大浴場、カラオケルームなど共用施設が充実しているケースもあります。

 

スタッフが24時間常駐し、食事は3食提供しているところが多く、施設によってはレクリエーション活動も充実しています。ただし入居一時金や月額利用料など、費用が高いことがデメリットです。介護が必要になった場合は、同じ施設内の提携する介護対応の居室に移るという契約形態になっているところが多く、将来の安心感は高いと言えます。

 

介護が必要な方向けの住まいには、以下のようなものがあります。介護保険を使って介護サービスを受けるためには、居住する自治体で要介護認定を受けることが必要です。ご自身の介護度や必要な医療ケア、認知症の有無によって適した施設が異なります。

 

 

有料老人ホームは民間事業者による運営で、大きく「介護付き」と「住宅型」に分かれます。手厚い介護や医療ケアを希望する場合は「介護付き有料老人ホーム」が適しています。24時間の介護体制が整っており、看取りまで対応している施設も多いため、医療面での安心感は高いと言えます。

 

一方、「住宅型有料老人ホーム」は、生活支援サービスは提供されますが、介護が必要になった場合には外部の訪問介護サービスなどを利用する形態です。必要な介護サービスだけを選んで利用できるため、比較的介護度が低い方に選ばれやすい傾向があります。

 

利用料は施設ごとに異なり、サービス内容や居室のグレード、立地などにより大きく変わってきます。自分の予算や希望するサービスに合致した施設を選ぶことができるのが最大のメリットと言えるでしょう。

 

 

特別養護老人ホームは、地方自治体や社会福祉法人などが運営する公的な入居型の施設です。主に介護度の高い方を受け入れており、入浴や食事、排せつ介助など日常生活を営むのに必要な介護サービスが提供されています。原則として要介護3以上の方が入居対象となります。

 

利用料は所得によって異なりますが、入居一時金がかからず、民間施設に比べて毎月の費用を低く抑えられるのが最大の特長です。費用を徹底的に抑えたい重度介護の方にとって最適な選択肢となります。利用希望者が多いため入居の難易度が高いと思われがちですが、地域によっては定員割れする施設も出てきており、必ずしも入居が困難というわけではありません。

 

 

グループホームは、認知症の高齢者が専門スタッフのサポートを受けながら、少人数(1ユニット5〜9人程度)で共同生活を送ることができる施設です。入居には、施設と同じ市区町村に住民票があることや、医師の診断書が必要です。利用者の身辺自立を手助けすることで、認知症の進行を緩やかにすることを目的としています。家庭的な環境で過ごすことができますが、日常的な医療ケアが必要となった場合などには退去を迫られるケースもあります。認知症の症状がある方に適した施設です。

 

ケアハウス(軽費老人ホーム)は、家族との同居が困難な方が入居する公的な施設で、自治体の助成を受けられるため利用料が安く抑えられます。日常生活が自立している人を対象とする「一般型」と、要介護者を受け入れる「介護型」の2種類があります。

 

介護施設探しに迷ったら

健康状態や予算に合わせて最適な施設を探すのは大変です。まずはどのような施設があるのか、条件に合わせて検索してみましょう。

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高齢者向けの住まいは、初期費用や月額費用などの費用面や受けられるサービス、生活の自由度などに違いがあります。後悔しない住まい選びのために、具体的なアクション手順と確認すべきポイントを紹介します。

 

 

施設へ支払う費用のほかに、日常生活に必要な費用や医療費、介護保険の自己負担分も発生します。まずは現在の手持ち資金(貯蓄や自宅の売却資金など)と、毎月確実に入ってくる収入(年金など)を計算しましょう。入居一時金などの初期費用が払えるかだけでなく、月額費用を今後5年、10年と無理なく支払い続けられるかをシミュレーションして施設を選ぶことが大切です。

 

 

入居時は自立していても、将来的に介護が必要になった時の対応は施設によって異なります。要介護度が高くなったり、認知症が進行したりした場合、その施設で対応可能なのか、あるいは退去が前提になるのかは、入居前に必ず確認しておく必要があります。医療体制(提携病院との連携、看護師の配置時間など)や看取りへの対応可否も重要な判断材料です。

 

 

同じ施設形態であっても、提供されるサービスやスタッフ、入居者の雰囲気は施設によって異なります。気になる施設があれば、以下の4ステップで行動を進めましょう。

 

  1. パンフレット請求:複数施設から資料を取り寄せ、費用や条件を比較する。
  2. 見学の申し込み:できるだけ昼食時など、入居者の様子がわかる時間帯に見学する。
  3. 見学時の質問・確認:「昼と夜の雰囲気の違い」「スタッフの言葉遣いや接遇」「食事の味や温かさ」「退去しなければならない条件(退去要件)」を直接質問する。
  4. 体験入居:数日から1週間程度の体験入居を利用し、実際の住み心地やほかの入居者との相性を確かめる。

 

できるだけ実際に足を運んで見学をし、自分の目で確かめてから選びましょう。

 

シニアになってからも生き生きとして暮らすことは、本人だけではく家族にも共通する願いと言えるでしょう。高齢者向け住宅や施設にはさまざまな種類があり、それぞれ対象となる健康状態や費用、サービス内容が異なります。ご自身のライフスタイルや将来の介護リスク、予算などを総合的に考え、さまざまな暮らし方の中から自分に合ったスタイルを楽しみながら考えてみてはいかがでしょうか。

 

条件に合った住まいを探すなら

老後の住まい探しは、情報収集から始まります。全国の物件情報から、ご自身やご家族にぴったりの住まいを見つけてください。

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Q. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの違いは何ですか?

A. サ高住は安否確認と生活相談サービスが付いた「賃貸住宅」であり、自由度が高いのが特徴です。一方、有料老人ホームは生活支援や介護サービスを提供する「施設」という位置づけです。介護度が高くなった場合、サ高住は退去リスクがあるのに対し、介護付き有料老人ホームは看取りまで対応可能な場合が多いという違いがあります。

Q. 特別養護老人ホーム(特養)はすぐに入居できますか?

A. 費用が安く人気があるため、入居までに数ヶ月から数年程度の待機期間が発生することが少なくありません。ただし、地域や施設によっては定員割れなどで比較的早く入居できるケースもあります。原則として要介護3以上の方が入居対象となります。

Q. 高齢者でも普通の賃貸住宅を借りることはできますか?

A. はい、借りることは可能です。ただし、年齢や健康状態、連帯保証人の有無などにより入居審査が厳しくなる傾向があります。最近では、シニア歓迎の物件や、高齢者向けの家賃債務保証サービスなどを活用することで借りやすくなっています。

Q. 入居後に介護度が高くなったら退去しなければなりませんか?

A. 施設の種類や契約内容によります。サ高住や自立型有料老人ホーム、グループホームなどでは、重度の介護や常時の医療ケアが必要になった場合、退去を求められることがあります。入居前に必ず「退去要件」を確認しておくことが重要です。

Q. シニアマンションは普通のマンションとどう違うのですか?

A. シニアマンションは、高齢者が暮らしやすいようにバリアフリー化されており、安否確認や食事サービス、フィットネスルームなどの共用施設やレクリエーションが充実しています。分譲タイプの場合、一般的なマンションと同様に売却や相続が可能です。

更新日: / 公開日:2017.10.25