
ラグジュアリーな旅行先として人気を集める、アラブ首長国連邦のドバイ。この地に住む外国人は人口の約9割を占めています。就労の機会も多く、個人所得税はありません。生活・教育水準は高く、治安が良いことでも知られています。
雑誌やテレビなどで、巨大なショッピングモールや超高層ビルが立ち並ぶドバイの近未来的な風景を見たことがある方も多いかと思いますが、実際の日常生活、住居事情などはなかなか伝わってきません。今回は実際にドバイに住んだ私が、ドバイの住宅事情、人気住宅エリアなどをご紹介します。
もくじ
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旅行者だけではなく移住者にも人気のドバイ
住居事情をお伝えする前に、ドバイの情報を少しご紹介しましょう。
ドバイ(Dubai)は、アラブ首長国連邦(UAE)を構成する7つの首長国の1つで、アラビア半島ペルシャ湾の湾岸に位置します。人口は、約366万人(2024年1月30日現在、出典:ドバイ統計センター)で、在留邦人の数は3,557人(2023年10月1日現在、出典:在ドバイ日本国総領事館)。海外から訪れる観光客数も世界屈指で、2019年には、1,593万人(2019年、出典:Global Destination cites Index 2019)と、バンコク、パリ、ロンドンに次ぐ世界第4位の訪問者数を誇ります。
国教はイスラム教ですが、戒律は比較的緩く、ほかの宗教に対しても寛容です。英語が常用語であり、欧州、アジア、アフリカなどどこへでも行きやすいロケーションのため、旅行者のみならず、移住を考えている人にもとっても、魅力的なところとなっています。
ドバイの住宅・住環境はどうなっている?
ドバイの気候は熱帯砂漠気候で、夏季(4月~10月)は、最高気温は平均42度前後。さらに50度以上にも上ることがあります。冬(11月〜3月)は温暖で平均最高気温は23度。1年間の降水量は87.3mm。雨が多いのは冬季の1~3月です。湿度は年間通して高く、平均59%。1、2月には65%にもなります。
近未来的な都市、熱帯砂漠気候・・・こういったドバイの住宅事情はどのようになっているのでしょうか?イメージが膨らみます。実際にいくつかご紹介していきましょう。
ダウンタウンと接するアル・ワスルにあるタウンハウス © Mari Sato-Clothier
一般的で手頃な住居は「アパートメント」や「ヴィラ」
ドバイでも最も一般的で、手頃な住居といえば「アパートメント」です。スタジオ、1~3のベッドルームといったところのほかに、ベッドルームが上階にある「デュプレックス・アパートメント」もあります。いわゆる「家」は、「ヴィラ」と呼ばれ、2~6のベッドルーム、庭、プール、ガレージなどを備えています。
一戸建てのヴィラは「インディペンデント・ヴィラ」、1つの壁を隣家と共有した家は「セミ・デタッチト・ヴィラ」と呼ばれています。ヴィラより手頃な家が、「タウンハウス」です。一般的に2~3階建てで、各戸が壁でつながっており、プールやジムなどの施設を周辺住民と共用します。ほかにも、ハウスキーピングやコンシェルジュといったサービスが受けられる「サービスト・アパートメント」、ホテルに付属した「ホテル・アパートメント」などがあります。
また「ヴィラ・コミュニティ/ヴィラ・コンパウンズ」は、一般的に25~50戸のヴィラの集まりが、1つのコミュニティとしてまとめられ、住民はプールやジムなどの共有施設を使います。各所でそこならではの雰囲気を備えていて、自分はコミュニティの一員だという感覚を育んでいます。
この中には、塀やフェンスなどで囲まれた、「ゲーテッド・コミュニティ」も含まれます。ゲーテッド・コミュニティは規模が大きいことが多く、1,000戸以上のヴィラが集まっているところもあります。警備が行われ、中に入ってくる人も車も限られているため、セキュリティ面で優れています。
一戸建て住宅の多くは「広く」、「メイド・ルーム」が置かれている家も
一般的にドバイの住宅のほとんどが、すっきりしたラインと自然光を取り入れた、モダンかつコンテンポラリーなスタイルです。コンクリートと鉄骨造りで、強い太陽光や高い湿度に耐えられるようになっています。住宅内は広々としています。家族や友人を招き、食事などを共にする機会が多いことを前提に、リビング・ダイニングルームにスペースが大きくとられていて、ベッドルームは複数、収納スペースも十分あります。
太陽光を取り入れて明るく、広いリビング・ダイニングルーム © Dubai Holiday Villas (CC BY-NC 2.0 Deed)
住宅内には、日本人には馴染みがない「メイド・ルーム」が設けられているところもあります。住み込みのお手伝い(メイド)さん用で、サイズは小さいですが、シャワーなども付いています。ドバイでは、住み込みのメイドさんを雇っている家族が少なくないのです。
ドバイで人気の住居エリア3選
アラブ首長国連邦でも、指折りの情報量を誇る、不動産ポータルサイト「ベイユート」によると、2023年第3四半期に、物件を買う人、借りる人ともに人気だったエリアの中に、ジュメイラ・ビレッジ・サークル(JVC)、ドバイ・マリーナ、ダウンタウンが入っていました。
その1 ジュメイラ・ビレッジ・サークル(JVC)
近年人気が出てきたのが、ジュメイラ・ビレッジ・サークル(JVC)です。家族向けに開発され、2,000戸を超えるヴィラやタウンハウス、アパートメントがあります。住民の多くが子どもがいる世帯で、コミュニティ感覚を大切にしており、コミュ二ティブログを載せたウェブサイトやFacebookグループもあります。
ジュメイラ・ビレッジ・サークル(JVC)
エリア内の交通量は少なく、穏やかな雰囲気。アパートメントの建物内のほか、ショッピングモール内などにジムがあります。緑豊かな公園にはランニングコースなども設けられ、ジョギングやサイクリングを楽しむ人の姿をよく見かけます。近隣にゴルフコースを備えたホテルがあるので、ゴルフ好きにはたまらないロケーションに違いありません。
評判の高い学校、病院、スーパーマーケットのほか、ショッピングモールもあり、生活に必要なものがエリア内で手に入ります。ドバイ国際空港まで車で約30分、ダウンタウンまで25分。公共交通機関にはバスがあります。
その2 ドバイ・マリーナ
JVCから、エミレーツ・ヒルを越え、海岸へ向かったところにあるのが、世界最大規模の人工マリーナ、ドバイ・マリーナです。ウォーターフロントの1等地とされ、海に臨んだ高層高級アパートメントが200以上のほか、ヴィラもあります。エンターテインメント・アウトドアアクティビティ施設やレストランが集まり、ショッピングモールがあるため、ツーリストも多く、活気あふれるエリアです。
高層ビルだけでなく、アパートメントやヴィラも © Dubai Economy and Tourism
住民たちは、7kmにわたる遊歩道「マリーナ・ウォーク」でウォーキングや、ジョギング、ジュメイラ・ビーチ・レジデンス(JBR)・ビーチでは、ウォータースポーツなども楽しめます。1年を通してコミュニティ・イベントが開催され、マリーナ・ウォーク沿いで開かれる子ども向けのイベントや、涼しい季節の屋外クラフトマーケットはいつもにぎわいを見せています。
マリーナ・ウォークは住民お気に入りの場所 © Dubai Economy and Tourism
ドバイ国際空港までは車で25分、ダウンタウンまでは20分。幹線道路に通じているだけでなく、ドバイメトロ(都市鉄道)やトラムなどの公共交通機関での移動も簡単にできます。
その3 ダウンタウン
高さ828mを誇るブルジュ・ハリファや、ドバイ・モールなど、見どころが多いダウンタウンは、ツーリストだけでなく、家探しをする人にも人気が高いエリアです。
ブルジュ・ハリファ
特に初めてドバイに住む人に人気があるのが、このエリア。高級高層アパートメントは、スタジオから4ベッドルームまでのものが主流です。ちなみに、ブルジュ・ハリファに住むこともできます。数は限られていますが、2~4ベッドルームのヴィラもあります。
エリア内には保育園・幼稚園はあるものの、学校はないので、車で10~12分の隣接エリアに通います。ドバイ・モールにはブランドショップだけでなく、クリニックやスーパーマーケット、電化製品、家具・インテリアのアウトレットもあります。
一見、住宅などなさそうに見えるダウンタウン © Dubai Economy and Tourism
ブルジュ・パークでは、ウォーキングやジョギング、サイクリングを楽しんだり、ペットに特化した公園で犬を遊ばせたりと、アウトドアをエンジョイできます。ほかにも各種ショーやコンサートが開催される、ドバイ・オペラがあります。新年のカウントダウンほか、年中行事の多くがダウンタウンで行われます。
2つのビジネス地区が目と鼻の先にあり、またドバイ国際空港へは車で18分。ドバイメトロやバスなどの公共交通機関を利用しやすいエリアでもあります。
ラグジュアリーライフの代名詞「パーム・ジュメイラ」
ドバイで最もラグジュアリーな住宅エリアの代表といえば、世界最大規模の人工島「パーム・ジュメイラ」でしょう。年ごと、四半期ごとに、人気のエリアは替わりますが、パーム・ジュメイラは常に、ラグジュアリーライフのイメージを保ち続けています。
ヤシの木型の島、パーム・ジュメイラの「葉」の部分には、ぎっしりとヴィラが並ぶ © Eugene Phoen (CC BY-NC-ND 2.0 Deed)
「パーム」という名のとおり、ヤシの木の形をしており、アパートメントは「幹」の部分に、ヴィラは「葉」の部分に、半月型の島には、ラグジュアリーホテルとホテル・アパートメントがあります。多くの物件は最高級の家具や設備を備えています。
アパートメントは、スタジオから6ベッドルームまで。中には1,000m2を超えるフロア面積のところも。広々としたリビングルーム、オンスイートバスルーム、作り付けのワードローブなどのほかに、バルコニーやメイド・ルームを備えているところもあります。
ヴィラは2~10ベッドルームで、フロア面積は370~3,250m2あります。中近東の伝統的な様式、超モダンなハイテク・スタイル、豪華な別荘風と、ヴィラのタイプは大まかにいって3つに分けられます。パーム・ジュメイラに住む醍醐味は、何といっても眺望。物件はどれもオーシャンビューで、アパートメントであれば、水平線とスカイラインを途切れることなく見渡せます。またヴィラであれば、家から出れば、もうそこはビーチです。
パーム・ジュメイラのヴィラの一つ © Dubai Holiday Villa
家から一歩出れば、そこはビーチ © Dubai Holiday Villa
エリア内の公共交通機関としてはモノレールやバスがあり、ほかのエリアへの移動にはタクシーや車が便利です。「幹」の部分には数多くのスーパーマーケット、ドバイで一、二を争う病院を含め、医療施設、ショッピングモールが複数あります。高級ホテルやモールを中心に、レストランの数は数えきれないほどです。
エリア内ではビーチを中心としたウォータースポーツが盛ん。一方でウォーキングやジョギングにぴったりな公園も点在しています。ラグジュアリーホテルがある半月型の島には「ボードウォーク」と呼ばれる11キロにわたるウォーキングコースがあります。アラビア湾に面していて、波間に太陽の光を受けて輝く海を眺めることができます。
エリア内の教育施設としては、保育園・幼稚園があります。周辺部には、大学を擁する「ドバイ・ナレッジ・パーク」や、有名校を含め、学校があり、不便はありません。
大規模プロジェクトが進行中のドバイ
ドバイの住宅事情、住環境は皆さんがイメージしていたものに近かったでしょうか?ドバイでは、今も人工島の建設を含む複数の大規模プロジェクトが進行中。今後どのような住環境が作られ、そこにどのような個性的な住宅ができるのか、楽しみです。
ドバイまで大規模ではないものの、もちろん日本国内にも風光明媚なエリア、海を見ながら暮らせる素敵な住居や物件がたくさんあります。まずは日本で海の見える生活にトライしてみるのもいいかもしれません。
トップ画像:© Dubai Economy and Tourism
記事執筆
クローディアー真理
フリーランスライター・ジャーナリスト。ニュージーランド在住。地元日本語月刊誌の編集職を経て、メディア会社を創設。日本語季刊誌発行のほか、ニュージーランド航空や政府観光局など他社媒体に寄稿。