リノベーションの設計に入る段階で考えておきたいのは、どの程度自由にプランをつくるかということです。
フルオーダーで、一つひとつの素材までこだわってつくり上げるか、セミオーダーで価格や期間を優先するか。
それぞれのメリットを知っておきましょう。

総費用の目安がわかりやすいセミオーダー「定価制(定額制)リノベーション」


リノベーションは、すでにそこにあるマンションや戸建てをもとに、新たに生まれ変わらせるため、建物の状況によって費用が変動することがあるのは否めません。しかし、それでは依頼する側として、いったいいくらくらいかかるのか不安なもの。そこで解体から設備、造作、内装などの工事費用と設計費等を含む総費用を「面積×単価(m2あるいは坪)」として表示する会社も増えています。これが「定価制」の表示です。とはいえ、システムキッチンは数十万円から数百万円までありますし、内装も廉価なビニールクロスを貼るのと、珪藻土、漆喰などの塗り壁を使用するのでは価格に大きな差があります。したがって、「定価制」を採用している会社の場合、システムキッチンやユニットバスなどのサイズやグレード、フローリングやクロスなどの内装については、素材、仕上げに「標準仕様」が決まっています。
「リビングに間接照明を入れたい」「おしゃれな家具を造り付けしたい」など「標準仕様」に含まれていないものは「オプション」として追加料金になるのが一般的です。「標準仕様」というベースがあるため、打ち合わせにかかる時間を短縮でき、全体の費用を下げることができるという大きなメリットがありますが、すべてを自分の思い通りにつくれないというデメリットもあります。
「標準仕様」から大きく逸脱すると、かえって割高になることもあるので、標準仕様の内容やオプションの価格などもしっかりと把握し、できるだけ「標準仕様」の範囲内で設計することがポイントです。

「フルオーダー」にこだわる会社も多い


一方、あえて「定価制」を採用せず、「フルオーダー」にこだわっている会社も多く存在します。
注文住宅をつくるように、デザイン、素材、設備など、一から選んでつくり上げていくため、時間や手間はかかりますが、「自由に好きな住まいをつくる」という意味で、リノベーションの醍醐味を味わうことができます。ただ、「理想的なプランができあがったけれども、見積もってもらったら、とても手が出ない」ということにもなりかねません。あらかじめ、およその予算をリノベーション会社に伝えて、その範囲で優先順位をつけながら設計していくのが良いでしょう。

フルオーダー(自由設計) セミオーダー(定価制)
リノベーション費用 設計が終わるまで分からない 工事面積などから算出することができる
デザイン・設備・素材 すべて自由に決めることができる 「標準プラン」の範囲内で決める
手間ひま 一つ一つ打ち合わせを重ねるので時間と手間がかかる 「標準プラン」をベースに進めるので、それほど手間はかからない