中古マンションを購入するときに、まず心配なのが耐震性ですね。
築年での見分け方、さらに建物の形状やメンテナンス状態での見分け方について解説しましょう。
広告でわかること
築年数などが耐震性のポイントになることはわかったけど、広告でどの程度の確認できるのでしょうか?
広告でわかる「耐震性」
築年数は中古マンションの基本的な情報ですから、不動産ポータルサイトの物件情報でも、不動産会社で見られるマイソクといわれる広告にも必ず記載されています。
新耐震基準が施行されたのが1981年6月1日なので、築年が1983年以降なら新耐震基準に適合している可能性が高いでしょう。
しかし、築年が古くても耐震補強を実施しているマンションもあります。広告にその旨記載されていたら、耐震性を確保したマンションと見ていいでしょう。
また、「耐震基準適合証明」や「フラット35適合証明」などを取得している場合も耐震性がよいマンションといえます。耐震診断や耐震補強を行って、その性能を証明済みだからです。
不動産ポータルサイトのキーワード絞り込みで「耐震補強」で検索すると、耐震補強実施済みあるいは「耐震基準適合証明」などを取得しているマンションがヒットします。
なお住宅ローン控除は、マンションで築25年以内という要件がありますが、「耐震適合証明」があれば、築年数要件を満たさなくても住宅ローン控除が受けられます。
免震や制震構造って何?
比較的築浅のマンションで「免震構造」「制震構造」のものもあります。
「免震」は建物下部に免震装置を置いて地震の揺れを建物に直接伝えないようにする構造、「制震」は建物に制震部材を組み込んで、地震の揺れを吸収する方法です。
いずれも建物を地震の揺れから守る構造となっており、揺れが少なくなるので、家具の転倒なども防止できます。
現地に行ってわかること
広告ではわからないけど、現地に行って実物を見てわかることもあります。
建物の形や管理状態は現地で確認
現地に行くと建物の形状だけでなく、メンテナンスの状態も見ることができます。
外壁や基礎のコンクリートやタイルに亀裂が入っていないか、ベランダの手すりにさびが出ていないかなどを見ておきましょう。
外廊下の天井や窓の周辺などに亀裂が出やすいので、現地ではそのあたりを中心にチェックするとよいでしょう。
すでに亀裂を埋める補修がしてあるようなら、メンテナンスのよいマンションといえます。
メンテナンスの実施状況は「長期修繕計画書」でわかる
気に入った物件があったら、大規模修繕の実施状況や今後の計画がわかる「長期修繕計画書」を見ておきましょう。不動産会社の担当者にいえばコピーを入手してくれます。
計画書を見て、十数年ごとにきちんと実施されていることを確認しましょう。
大規模修繕は、毎月積み立てる修繕積立金で賄いますが、適正な額を徴収しているどうかも大切な問題です。大規模修繕の際に、積立金が不足していると一時金を徴収しなければなりません。そうならないように、適正な額を積み立てている必要があるのです。
首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金の調査(東日本不動産流通機構調べ2017年度)では、築10年以内の修繕積立金は月額平均8,661円、築11~20年は同1万1,028円、築21~30年は同1万337円(月額)。一般に新築時は修繕積立金が安く設定されていますが、築10年を超えると平均では月額1万円を超えています。
修繕積立金と管理費も広告に記載されるので、チェックしておきましょう。
地盤はハザードマップで確認を
マンションは建設時に地盤の状況に応じて固い盤面まで杭打ちを行うので、基本的には地盤に対する措置はなされています。
ただ、地震で液状化する場合もありますから、心配な場合はハザードマップを見ておくとよいでしょう。
国土交通省が全国のハザードマップにリンクしたサイトがこちらです。<国土交通省ハザードマップポータルサイト>
まとめ
耐震性はポイントを押さえて見ていけば、自分でもある程度は判断できるということがおわかりいただけたでしょうか?
耐震性をむやみに心配しすぎないことも大事です。
ひととおりの確認をし終えてから購入の検討に進みましょう。

