共用部分の日常的な清掃や点検から大規模修繕まで幅広い内容を含み、建物の維持と快適な住み心地を保つのがマンション管理の目的。物件を選ぶときにも管理は大切なポイントになります。
マンションの管理はだれがどのように行っているのでしょうか?また、管理のレベルはどのようにチェックすればいいのでしょうか?

「マンション管理」って何?

マンション管理は具体的にどのようなことを行うのか、また、だれが行うのか、マンション管理の基本を知っておきましょう。

管理組合が管理会社に委託して行うのが一般的

マンション管理の業務範囲は幅広く、日常の清掃・点検などから、総会や理事会の運営・広報、防災・防犯対策、大規模修繕の計画までが対象となります。

管理を行う主体は、マンションの住人で構成される「管理組合」ですが、具体的な業務は、管理会社に委託して行われるのが一般的です。少ないですが管理組合が自主管理するケースもあります。自主管理のメリットはコストを抑えられることですが、住人が管理に対する高い意識を持っていないと、管理が不十分になるおそれもあります。

管理会社にすべてを委託しているケースでも、管理の主体はあくまで管理組合です。
総会や理事会を通して、管理の状況を常に住人がチェックし、必要な場合は意見を述べたり、協議したりします。管理会社に委託している場合でも住人が管理に対して高い意識を持つべきなのは同じです。

管理費の目安は?

管理費は、大規模修繕のための修繕積立金とは別に、日常の清掃業務や点検、日常的なメンテナンスなど管理にかかるお金をまかなう費用です。

国土交通省のマンション総合調査(2013年)ではマンションの規模別に管理費の平均額を出しています。

それによると、総戸数20戸以下のマンションは1㎡当たり201円、21~30戸では同151万円、51戸~75戸では同148円、101戸~150戸では同128円、301戸~500戸では108円と規模が大きくなるほど管理費が安くなる傾向が見られます(ただし501戸以上は同145円)。概ね戸数が増えるほど各戸の負担割合が少なくなるというわけです。

リノベーション目的なら「管理規約」は要チェック

マンションは区分所有法に基づいて「管理規約」を定めることになっています。

管理規約では、管理組合の運営や共用部の範囲、使い方などについて定めていますが、住まい方の細かいルールについては「使用細則」に記されます。個々のマンションで独自に定めているので、内容に違いもあります。

リノベーションを目的に購入する場合は、購入を決める前に不動産仲介会社の営業担当者に入手してもらい、必ず使用細則のリフォームに関する定めを読んでおきましょう。

とくに床材の制限についての決まりを見落とすと、「フローリングにしようと思っていたのにできなかった!」と後悔することもあり得るので要注意です。またフローリングは許可されていても、遮音等級が定められていることも多いです。

管理のレベルは「見た目」にあらわれる

管理がきちんと行われているかどうかは、マンションの見た目にもあらわれます。
例えばエントランスがきれいに清掃されている、植栽がきれいに手入れされているマンションは、日常の清掃が行き届いている証拠。

そのほか以下のようなところを見ておきましょう。
・階段や廊下、ゴミ置き場はきれいに清掃されて、清潔な印象があるか。
・駐輪場はきちんと整理されていて、放置自転車がないか。
・エントランス内の掲示板のお知らせが更新されているか。古いお知らせが貼りっぱなしになっていないか。
・外装の亀裂やタイルの割れが放置されていないか、きちんとメンテナンスされているか。

こうした見た目の印象からも、そのマンションの管理意識の高さや低さがうかがえるものです。

まとめ

マンションは管理を買え、といわれるくらい、管理は資産価値や住み心地に大きく影響します。管理費も安ければいいというわけではなく、共用施設の充実やどのような管理が行われているかが金額に影響します。

それを考慮して納得できるかどうか、検討しましょう。