一戸建てを購入してリノベーションしても、住み続けるケースばかりではありません。住み替えたり、賃貸に出したりするケースもあります。

ライフスタイルに合わせて自由に購入しリノベーションするために、知っておきたいこと【一戸建てリノベ編】をまとめました。

住み続けるためには何が大事?

購入した中古一戸建てに住み続けるためには、どんな物件やリノベーションがふさわしいのか探っていきましょう。

耐震性などの性能向上リノベが必須

一戸建てに安心して快適に住み続けるためには、耐震性や耐久性、断熱性といった性能をきちんと確保しておくことが大切です。

一戸建ては1981年の新耐震基準以降の物件でも、老朽化などにより性能を損ねていることがあるので、耐震診断を受けておくのがよいでしょう。診断結果で必要とされたら適切な耐震補強を行いましょう。

同時に、中古一戸建ては断熱不足のケースも多いので、あらためて現行基準レベルに断熱性を高めておきましょう。耐震補強も断熱工事も同じように壁の中の工事になるので、同時に行うと効率がよいのです。

築年数にはこだわらなくても大丈夫

一戸建ては、リノベーションで性能を確保できるので、築年数にはそれほどこだわる必要はありません。住みたいエリアや欲しい広さを優先するのがよいのではないでしょうか。

ただ築年数が古いと補強などにお金がかかるため、購入前にリノベ会社に物件を見てもらって、必要なリノベーションと費用の目安を聞いておきましょう。

リノベーション費用の積み立ても

住み続けるうちに家族の成長や独立があるでしょう。そのたびに大規模なリノベーションをしていては大変ですから、最初のリノベーションの際に、将来の成長を見越したプランにしておくと小規模なリノベで済みます。例えば子どもが2人以上いる場合、小さいうちは部屋を仕切らず、人数分のドアを設け、成長とともに間仕切り壁を設置できるようにしておくといったプランです。

なお、屋根・外壁の塗装などのメンテナンスは定期的に行わなければならず、そのためには費用を積み立てておく必要があります。外壁と屋根の補修、塗装には1回約100万円かかるとみて、10年に1度行うためには年間10万円の積み立てが必要ということになります。

設備や内装も傷んでくるので、それも合わせて積立金額を考えると、年間20万円~30万円程度になるでしょうか。一戸建てはマンションと違って、強制的な修繕積立金の徴収がありませんから、自分で心がけるようにしましょう。

住み替えを視野に入れると何が大事?

将来は住み替えをしたいと考えている場合は、どんなことを重視して物件選びやリノベーションをすればよいのかを知っておきましょう。

物件の立地選びは慎重に

買い換えを考慮すると、できるだけ売りやすい立地を選んでおくのがよいでしょう。最寄り駅まで徒歩圏内、周囲に商店が多く、日常の買い物に便利かどうかなどをポイントに探しましょう。

注意したいのは、地盤がぜい弱だったり、水害のおそれがあったりする立地。自治体が発行しているハザードマップで確認しておくのがよいでしょう。

売却に伴う諸費用の準備が必要

売却には諸費用が必要です。仲介手数料(物件価格の6~8%、不動産会社が再販用に購入する場合は仲介手数料が不要)、抵当権抹消に伴う登記費用(2~3万円)、売買契約の印紙税(物件価格が1,000万円超5,000万円以下の場合1万円)などが必要。これに住み替える物件購入に伴う諸費用も必要です。

なお、借地権の場合、売却には地主の承諾が必要で、一般に承諾料(借地権価格の10%程度)を支払うことになっているので注意しましょう。

収益が見込めるなら賃貸もあり

売却をしないで賃貸にする方法もありますが、ローンが残っていると、住宅ローンからアパートローン(投資用ローン)への借り換えが必要。アパートローンは自身が居住することが条件の住宅ローンより金利が高いので注意が必要です。周辺の賃料相場が、アパートローンに切り換えた際の毎月返済額を上回るかどうかを調べて慎重に検討しましょう。

また、賃貸にするときは直前に内装交換などのリノベーションに費用がかかることもあります。その費用も考慮に入れておきましょう。

まとめ

永住を目的としていると思われがちな一戸建てですが、老後、手入れの楽なマンションに移る、交通が便利な都心部に移るなど、住み替えをするケースも少なくありません。

ライフスタイルの変化によって、住まいも変わることがあることを念頭に、物件選びやリノベーションをしましょう。