マンションはどのように進化してきたのか? どの築年数を選べばよいのか?中古マンションを買おうとするとき、疑問や不安に思うことも多いでしょう。
ここでは、築年代別の特徴や価格などを紹介。中古マンションを選ぶメリットについても解説します。
中古マンション、売れている築年数は? 価格は上がっている?
中古マンションはどれくらいの築年数のものがよく売れていて、価格はどう動いているのでしょうか。データから探ってみましょう。
売れているのは築20年以内と築31年以上の物件に二極化
中古住宅は売りに出されると、レインズという不動産会社間のネットワークに登録されます。
2018年の中古マンションは首都圏だけでも毎月平均1万7,241件が新規登録されましたが、そのうち成約に結びついたのは、月平均3,101件。
これを築年数別に見たのが次のグラフです。

一番多く購入されたのが築31年~(25.3%)ですが、築6年~20年で区切ると47.5%となります。
築20年以内の物件と、築31年以上の物件に二極化しているといえます。
過去1年間の中古マンションの価格は安定推移
首都圏ではこの6年ほど中古マンションの価格が上昇傾向でしたが、直近の1年間では中古マンションの価格は安定的に推移しているようです。

中古マンションの新規登録件数と在庫件数は増加傾向なので、価格は今後も安定的に推移する、もしくは下降する局面もあるでしょう。
また、中古マンションは売主が個人の場合、消費税が非課税なので、税率アップの影響も受けません。
今後とも選択肢の多い中でじっくり検討できる状況が続くのではないでしょうか。
築年別の中古マンション価格
中古マンションの価格は築年数とともにどう変わるのでしょうか?
築年帯別の平均値を見てみましょう。
築26年以降は価格が下がらない?!
中古マンションの価格はエリアの相場に大きく影響されるので、必ずしも古くなるとともに下がっていくわけではありません。
しかし平均値で見ると、下のグラフのように古くなるほど下がり、築16年になると新築物件より約3割安く、築21年では新築物件の半額以下になります。さらに、築26年を超えると下げ止まるという現象も。
築21年以降の物件であれば、価値が下がりにくいといえそうです。
こうした価格の低下とエリアの相場を考慮しつつ、検討材料にするとよいでしょう。

建築年代別の中古マンションの傾向
「築古マンションと築浅マンションではどう違うの?」と疑問を持つ人も多いでしょう。
そこで年代を追ってマンションがどう変化してきたのかをまとめてみました。
1980年代に現代のマンションの基本形ができた
1981年6月に「新耐震基準」が施行されました。耐震性においてはこの基準で建てられたマンションは一定の信頼がおけます。
70年代から80年代初期のマンションは耐震診断をしているか、補強をすませているかを確認するのがよいでしょう。
また、そのほかの注意点としては以下のようなことが挙げられます。
・エアコンのスリーブがあるか。
居室によってはスリーブがなく、窓エアコンしか設置できない場合があります。
・直天井かどうか
直天井だと天井配管をいじれません。
・配水管が下階を通っていないか
この場合は配水管の移設ができません。
80年代には徐々に現代のマンションの基本形ができ、間取りもDKに日の当たりにくい中DKスタイルから、ベランダ側にLDKを配置するパターンが増えていきます。
床も二重床となり、配管の移設の自由度、遮音性が高まりました。
90年代~2000年代は共用部や設備も充実へ
90年代~2000年代には、床スラブも20cm程度と厚くなり、外壁の断熱、複層ガラスや浴室換気暖房乾燥機、ディスポーザーの導入、オール電化など設備が充実したマンションも増えました。
また、キッズルームやゲストルームを併設するなど共用部が充実。コンシェルジュやガードマンが常駐するなど、セキュリティが高いマンションも登場します。
間取りもアウトフレーム(柱・梁を室外に出す)工法の登場で、室内に柱・梁が出ず、スッキリした空間に。
リノベーションで対応できることも多い
工法や共用部などはリノベーションでは対応できませんが、そのほかの部分は、リノベーションで十分対応が可能なことも多いです。
選択肢が多く、築年数や地域を選べる中古マンション。
無理のない予算で購入し、リノベーションで思いどおりの空間をつくりましょう。

