4人家族で暮らす物件を探すときに大切なのは、世帯年収と家賃のバランスです。年収に見合った物件を選ばなければ、毎月の家賃の支払いが負担に感じてしまうケースがあるでしょう。

適切な家賃の物件を選ぶには、候補となるエリアの家賃相場をきちんと把握しておくことが重要です。この記事では、世帯年収700万円で4人家族が住む物件の家賃相場や家賃の上限額の目安、物件選びのポイントを解説します。

3LDKの物件4LDK以上の物件ファミリー向け物件

4人家族の世帯年収から家賃の目安を考えるとき、まず知っておきたいのが「手取り額」です。手取り額とは、給与の総支払額から所得税や社会保険料などを差し引いたものであり、総支払額の75~85%程度が目安といわれています。

 

世帯年収700万円であれば、手取り額は「700万円×75%=525万円」となります。1ヶ月に換算すると「約44万円」です。

 

家賃の目安は一般的に、「手取り額の3分の1程度」が無理のない範囲といわれています。毎月の手取り額を44万円とするならば、「44万円×3分の1=14万6,000円程度」が家賃上限額の目安となります。

 

ただし、あくまで目安なので、家賃にどれくらいのお金をかけるかは人によって異なります。家族のライフスタイルや住みたいエリア、物件の希望条件などを踏まえ、自分たちで決めた家賃上限額の範囲に収まる物件を選ぶようにしましょう。

 

3LDKの物件 4LDK以上の物件 ファミリー向け物件

住むエリアにもよりますが、世帯年収700万円であれば、4人家族でも十分な居住スペースを確保した物件を見つけられるでしょう。

 

4人家族が住むのに適した広さと家賃相場について解説します。

国土交通省が公表している「住生活基本計画」によれば、4人世帯の最低居住面積水準は45~50平米となっています。世帯人数別の広さの基準は、以下のとおりです。

 

必要な面積(m2)

1人世帯

2人世帯

3人世帯

4人世帯

最低居住面積水準

25

30(30)

40(35)

50(45)

誘導居住面積水準(都市型)

40

55(55)

75(65)

95(85)

誘導居住面積水準(一般型)

55

75(75)

100(87.5)

125(112.5)

※( )は3~5歳児が1名いる場合

  • 最低居住面積水準:健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な広さ

  • 誘導居住面積水準:多様なライフスタイルを想定したゆとりのある広さ(都市型:都市部の集合住宅/一般型:郊外の一戸建て住宅)

また、4人家族が住む家の間取りは3LDK以上が理想です。居室が3つあれば、夫婦の寝室と、子どもそれぞれに個室を持たせることができます。

 

3LDKの場合、比較的見つけやすいのが50~70平米の物件です。この広さであれば、生活に必要な最低限度のスペースは確保できます。都市部の方が家賃は高くなる傾向があるため、さらに広い居住面積の物件を探すときは、郊外のエリアも視野に入れてみるとよいでしょう。

 

(出典:国土交通省『住生活基本計画における「水準」について』)

4人家族で住むときの間取りは、子どもが成長して子ども部屋が必要になるときのことなどを考えると、3LDK以上が適しています。ここでは、LIFULL HOME’Sの「家賃相場」(2025年3月26日現在)から、主要都市の4人家族向けの賃貸物件の家賃相場を見ていきましょう。

 

エリア別家賃相場

エリア

3LDK・4K・4DK

北海道札幌市(中央区)

16.57万円

宮城県仙台市(青葉区)

15.41万円

東京都渋谷区

43.38万円

東京都八王子市

19.94万円

愛知県名古屋市(中区)

18.05万円

大阪府大阪市(西区)

28.85万円

広島県広島市(中区)

13.79万円

福岡県福岡市(博多区)

14.32万円

 

手取り額が44万円だった場合、家賃の上限額の目安は14万6,000円程度です。上記の表と比較してみると、全体的にややオーバーしているといえるでしょう。ただ、上記の金額はあくまで都市部の家賃であるため、エリアを少し広げてみれば、上限額に収まる物件を見つけることも可能です。

 

住みたいエリアの家賃相場を把握しておくことで、物件選びをスムーズに進めやすくなります。

賃貸物件の水回り設備や部屋の配置にはさまざまなパターンがあります。それぞれの特徴を理解しておくことで、自分たちに合った物件を見つけやすくなるはずです。

 

LIFULL HOME’Sで実際に掲載されている物件の中から、ここでは3つの事例を紹介します。

こちらは、「田」の字のように部屋が四方に配置されている3LDKの物件で、マンションではスタンダードな間取りです。それぞれの部屋の独立性が高いため、家族間のプライバシーを大切にしながら暮らせます。リモートワークが多い家庭や、勉強に集中させたい年頃の子どもがいる家庭に向いている間取りといえるでしょう。

 

また、水回り設備が1ヶ所にまとまっているため家事動線が短く、家事の負担軽減につながります。

3階建ての一戸建て賃貸物件です。間取りは屋根裏部屋含めて4DKとなり、部屋数が多いため、子どもの成長に合わせて柔軟に部屋の使い方を考えられるのが魅力です。

 

ただ、食事や入浴といったスペースが1階に固まっているため、慣れるまではやや不便に感じることがあるかもしれません。また、子どもが成長した後は部屋を持て余してしまう可能性もあります。

 

将来的に住み替えをするかどうかも含めて検討してみましょう。

真ん中にLDKが配置された3LDKの間取りです。どの部屋もリビングから近いため、家族団らんの時間をつくりやすい間取りといえます。特に、南側に配置された2部屋にはリビングを通らなければ辿り着けないため、自然と顔を合わせる機会が増えるでしょう。

 

また、3つの部屋の窓が南に向いているため、住まい全体の日当たりも期待できます。

 

3LDKの物件 4LDK以上の物件 ファミリー向け物件

4人家族に適した住まいを選ぶときは、次の点がポイントとなります。

ポイント

  • 部屋の用途を検討する

  • 収納スペースがしっかり確保できているか

  • リビングと居室の広さへのこだわり

  • 周辺環境もきちんと確認する

それぞれの点について、詳しく見ていきましょう。

物件の間取りを考えるときには、子ども部屋がいくつ必要か、夫婦の部屋は1つでいいのか、書斎や仕事部屋は必要かという点を家族でしっかり相談することが大切です。たとえば、リモートワークが多ければ、専用の部屋を設けた方が仕事に集中できます。

 

また、寝室にベッドを置くかどうかで必要な部屋の広さ、用途は変わります。出し入れ可能な布団を採用すれば、日中は部屋を広く使え、寝室以外の使い方も検討しやすくなるものです。ライフスタイルに合わせて部屋の用途を決めるようにしましょう。

衣類をはじめ、趣味の道具や子どものおもちゃなど、4人家族だと荷物の量も多くなりがちです。これらを収納できるスペースがあるか、あるいは収納家具を配置できるスペースがあるかをしっかりと確認しましょう。

 

荷物の量と部屋数によっては、1部屋を収納スペースとして使うのも選択肢のひとつです。

家族団らんの時間を大切にするか、個々のプライベートな時間を大事にするかによって、リビングと居室に必要な広さは変わります。

 

広い物件は家賃も高くなる傾向にあるため、必要以上に広ければその分の家賃がもったいないともいえますし、掃除をするのも大変です。リビングと居室にどれくらいの広さが必要か、事前に考えておくとよいでしょう。

物件の間取りに問題がなかったとしても、周辺環境に問題があれば結果的に住みづらさを感じてしまうでしょう。そのため、物件を選ぶときには環境も含めてチェックしておく必要があります。

 

交通の利便性や、近くに商業施設や病院など暮らしに必要なものがそろっているかなどを現地に出向いて確認してみましょう。実際の様子を確かめてみると、地図だけでは得られない気づきがあるはずです。

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

 

Q:世帯年収700万円の場合の手取り額と家賃の目安はいくら?

A:手取り額は、給与の総支払額の75~85%程度になるのが一般的です。年収700万円の手取り額は約525万円、1ヶ月に換算すると約44万円です。無理なく支払える家賃は手取り額の3分の1程度とされているため、このケースであれば「14万6,000円程度」となります。

 

Q:4人家族が物件を選ぶポイントは?

A:子ども部屋はいくつ必要か、夫婦の部屋は1つでいいのかなど、子どもの年齢やライフスタイルを考慮して部屋の用途を決めることが大切です。また、収納スペースの広さや周辺環境も住み心地を左右するポイントになります。

 

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