「支払い日をうっかり忘れていた」「銀行口座の残高を確認していなかった」などの理由で、賃貸住宅の家賃の支払いが遅れてしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。数日遅れる程度ならそれほど大きな問題にはならないものの、滞納が続くと督促状が届いたり契約解除を通告されたりする恐れがあります。
この記事では、家賃の支払いが遅れたときに行うべき対処法や、滞納を続けた場合に起こり得るリスクについて解説します。家賃の支払いが遅れてしまっている方は、本記事でリスクを正しく把握しましょう。
おすすめ特集から賃貸を探す敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
家賃の支払いが遅れた場合にどのくらいで督促がある?

賃貸物件の管理は、大家から委託された管理会社が行うのが一般的です。支払い期日に家賃を支払っていない入居者がいる場合は、支払い期日の翌日から3営業日程度の間に、管理会社のもとに情報が入ります。そのため、早い物件では支払い期日の翌日〜3日以内に、管理会社や大家から支払いの催促が行われます。
ただ実際には、支払い期日から7〜10日後になっても支払いが確認できない場合に、督促の連絡があることが多いようです。なお督促の連絡は、電話やメール、書面の送付などで行われます。
家賃は期日までに支払うことが大前提であるものの、数日程度の支払い遅れであれば、大きな問題にはならないケースが多いでしょう。
一方、滞納が長期にわたると、連帯保証人のもとへ連絡が入ったり信用情報にキズが付いたり、契約解除の通告を受けるなど事態は一変します。これについては後述の「家賃の支払いが遅れた場合の段階的なリスク」で詳しく解説します。
おすすめ特集から賃貸を探す 敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
家賃の支払いが遅れた際に行うべき対処法

家賃は期日までに支払うのが原則ですが、万が一遅れてしまったときは、次のような対処を速やかに行いましょう。
大家もしくは管理会社へ連絡する
家賃の支払い遅れが判明した時点で、できるだけ早く管理会社や大家さんに連絡しましょう。その際、支払いが遅れる理由と支払い予定日をなるべく具体的に伝えます。もし、事前に支払いが遅れてしまうことが分かっているのであれば、その段階で連絡しておいた方がよいでしょう。
たとえ2、3日の遅れであっても“滞納”であることに変わりはありません。一般的に家賃の滞納は契約解除要件となっており、すぐに契約解除されることはなくても、管理会社や大家さんとの信頼関係は損なわれてしまいます。
迅速に連絡するなどの誠実な対応は、信頼関係の維持やその後のトラブル防止につながります。期日を過ぎても一切連絡せず、管理会社や大家さんからの催促を待つのは得策ではありません。
速やかに滞納分を支払う
管理会社や大家さんに連絡を入れたら、可能な限り速やかに滞納分を支払うのが鉄則です。滞納分の支払い方法は物件によって異なるため、連絡時に確認しておく必要があります。
一般的なのは、管理会社や大家さんの指定する銀行口座に振り込む方法です。支払い方法で口座振り込みを指定された場合、銀行名・支店名(支店番号)・口座番号・名義も併せて確認しておきましょう。
なお、口座振り込みにかかる振り込み手数料は、滞納した借主側が負担するのが基本です。指定口座と同じ金融機関であれば手数料が無料のこともあるので、口座を複数持っている場合は、同じ金融機関の口座から振り込むとよいでしょう。
物件によっては、管理会社や大家さんの事務所へ直接持参するよう求められるケースもあります。滞納分のお金を手渡ししたら、支払った証拠として領収書や証明書などを発行してもらうことが大切です。また、訪問時に直接謝罪の気持ちを伝えることで、信頼関係の維持が期待できます。
家賃の支払いが遅れた場合の段階的なリスク

家賃の支払いが遅れるほど、借主の状況は悪化していきます。
遅延期間ごとに起こり得るリスクは以下のとおりです。ただし、下記の期間は一般的な目安であり、実際は管理会社や大家さんによって異なります。
支払い期日からの期間(目安) | 起こり得るリスク |
|---|---|
数日程度 | 書面もしくは電話での催促・督促 |
1ヶ月程度 | 連帯保証人への連絡 |
(遅れた日数による) | 督促手数料や延滞金の発生 |
2ヶ月程度 | 信用情報機関への登録 |
3ヶ月以上 | 契約解除通告、強制退去の執行 |
各段階でのリスクについて、詳しく見ていきましょう。
書面もしくは電話で催促・督促がある
前述したように、家賃の支払いが数日過ぎた場合は、管理会社や大家さんから電話や書面などで支払いの催促を受けます。この時点では「たまたま銀行口座の残高が不足していた」「支払い期日を忘れていた」といったミスも考えられるため、支払い確認の連絡と考えてよいでしょう。
大切なのは、この段階で速やかに滞納分を支払うことです。初めての遅延であれば、大目に見てもらえる可能性も高いでしょう。
連帯保証人に連絡がいく
最初の催促から1ヶ月が経過しても支払わなかった場合、契約書に記載の連帯保証人のもとに連絡が入るのが一般的です。連帯保証人とは、契約者(借主)本人が家賃を支払えなくなった場合などに、契約者に代わって支払い義務を負う人のことをいいます。
なお、連帯保証人への連絡までの期間は、それまでの支払い状況や入居期間の長さなどによって異なるようです。今まで問題なく支払っていた人が連絡もなく急に滞納している、いつも遅れがちな人が連絡しても一向に支払わないといったケースでは、1ヶ月経過前に連帯保証人へ連絡が入る可能性もあります。
最近では、連帯保証人の代わりに家賃保証会社を利用するケースも増えています。この場合、滞納から1〜2ヶ月程度で代位弁済(家賃保証会社による家賃の立て替え)が行われ、それ以降の督促は家賃保証会社から行われるのが基本です。家賃保証会社からすれば、連帯保証人が設定されていないので、滞納分は借主本人から回収するほかにありません。そのため、連帯保証人のいる契約に比べて、督促のスピード感や切迫感が高まる傾向にあります。
督促手数料や延滞金が発生する
家賃の支払いが期日から1日でも遅れてしまうと滞納扱いになるため、原則として、期日の翌日から延滞金(延滞損害金)が発生します。
延滞損害金の利率は、法律によって上限が年14.6%と定められています。上限の範囲内であれば大家さんが自由に決められることになっていますが、賃貸借契約書に記載がない場合は、民法によって年3%となります。滞納日数が長引くほど、延滞金額は高くなるため注意しましょう。ただ、滞納日数が数日程度であれば延滞金もごくわずかのため、実際には請求されないケースもあります。
家賃保証会社を利用しているケースでは、家賃保証会社による代位弁済が行われた後に、家賃保証会社に対して滞納分の家賃+延滞金を支払わなくてはなりません。また、延滞金とは別に、督促手数料(督促業務にかかった費用)の支払いを求められることもあります。
信用情報機関に登録される
一般的に、家賃の支払い期日から2ヶ月経過しても支払いがない場合、信用情報機関に滞納した事実を登録されてしまいます。特に、家賃保証会社を利用している物件では注意しましょう。
信用情報とは、クレジットカードやローンの利用状況・返済状況、家賃などの支払い状況など、個人の経済的信用を表す情報のことを指します。こうした信用情報を保有し、金融機関やクレジットカード会社などに提供しているのが信用情報機関です。
信用情報機関に滞納情報が登録されると、信用情報に「異動」と記録されることになります。これはいわゆる“ブラックリストに載る”という状態を指します。信用情報に異動の記録がなされると、一定期間にわたって新規のローン契約やクレジットカードの作成ができなくなる恐れがあります。
契約解除が通告される
多くのケースにおいて、家賃の支払い期日から3ヶ月経過しても支払いがない場合、内容証明郵便で賃貸借契約の解除予告通知が送られてきます。3ヶ月以上滞納すると「貸主と借主の間の信頼関係が失われた」と認められる可能性が高く、貸主側が法的な手段に出ることが可能です。
通知を受け取ってからも支払いなどの動きが見られないと、大家によって訴訟が行われ、最終段階に入ります。裁判所が借主側に問題ありと判断すれば、強制退去や給与の差し押さえなどが執行されるでしょう。
おすすめ特集から賃貸を探す 敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
まとめ

家賃の支払いが遅れると、延滞金が発生したり信用情報機関に登録されたりと、さまざまなリスクが生じます。強制退去が執行されれば、今後の生活に影響を及ぼすことは間違いありません。
支払いが遅れる原因の一つに、借りている部屋の家賃が収入に見合っていないことが挙げられます。家賃が生活を圧迫している場合は、収入に見合った家賃の物件を探してみるのも一つの方法です。家賃の支払いを期日までに済ませ、延滞によって生じるリスクを回避できるよう、普段の生活から気をつけましょう。
おすすめ特集から賃貸を探す 敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
公開日:










