大学への進学や就職を機に初めて一人暮らしをするとき、新生活に期待する半面、分からないことが多く不安に感じる人も多いのではないでしょうか。一人暮らしを始める際は、生活に必要なことを自身で準備しなければなりません。特に重要なのが「電気・ガス・水道」などの手続きです。

手続きをしないと費用未払いのまま無断使用することになり、トラブルにつながる可能性があります。

そこでこの記事では、一人暮らしが決まったら必要な電気・ガス・水道の手続き、それ以外の必須の手続きについて詳しく解説します。また、ライフライン関係で発生しやすいトラブルもまとめて紹介するので、これから一人暮らしを始める人はぜひ参考にしてみてください。

一人暮らしにぴったりな物件賃貸物件を探す

まずは、一人暮らしが決まった時点で早めに行うべき電気・ガス・水道の手続きについて紹介します。今回は入居時の手続きに関する説明ですが、退去時にも同様の手続きが必要です。

電気の使用開始手続きは、電話もしくは電力会社のWebサイトから簡単に行えます。どちらの方法でも、遅くとも引越しの3日前までには手続きを行いましょう。インターネットでの手続きを例にすると、入力フォーム上で新居の住所、契約者名、契約アンペア数などの必要情報、使用開始予定日を記入すれば契約できます。

 

電気に関しては、原則として使用開始当日の立ち会いは必要ありません。近年の住宅はスマートメーター(電気の使用状況を遠隔で取得できる装置)が設置されているケースが多く、遠隔で使用開始の操作が行われます。ただし、エコキュートや電気温水器などが設置されている物件に引越す場合は、作業員による通電作業が別途必要になるため注意しましょう。

 

3月やゴールデンウィークなど引越しの多い時期は、使用開始手続きが集中する傾向にあります。手続きを忘れていて、引越し当日に慌てて申請したとしても、翌日以降の対応になる可能性もあるでしょう。そのため、引越し日が決まったら、なるべく早めに使用開始手続きを行うことをおすすめします。

水道も事前に使用開始手続きが必要です。新居のある自治体の水道局へ、電話・郵送・インターネットいずれかの方法で申請します。できれば引越しの1週間前、遅くとも3日前までに手続きを済ませておきましょう。

 

実は、水道は手続きをしなくても当日から使えるケースが多く、立ち会いも必要ありません。ただし、手続きを忘れて使い続けていると無断使用になるため注意が必要です。

 

賃貸物件では多くの場合、玄関やポストなどに「上下水道使用申込書」が用意されています。申込書に必要事項を記入し、水道局へ郵送すれば使用開始手続きが完了します。

 

先述したとおり、電気・水道の使用開始時は基本的に立ち会いの必要がありませんが、ガスだけは当日の立ち会いが求められます。これは、何か不具合があると大きな事故につながるためです。なお、立ち会い時には開栓作業だけでなく、作業員による点火確認やガス器具の点検なども行われます。

 

都市ガス供給エリアであれば地域を所管する都市ガス事業者、それ以外のエリアであればプロパンガス事業者へ使用開始を伝える必要があります。立ち会いのスケジュール調整もあるため、遅くとも引越しの3~4日前には伝えるようにしましょう。

 

ただし、年度末など引越しが集中する時期は、申し込みから利用開始まで時間がかかる可能性があります。できれば引越し日の1~2週間前には申し込みをするのが望ましいでしょう。引越しが決まった時点で連絡を入れ、立ち会いの日程を押さえておくことをおすすめします。

 

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電気・ガス・水道の手続きを忘れると、トラブルが発生したり生活に支障をきたしたりする可能性があります。以下で紹介する内容を押さえておくことが大切です。

賃貸物件では入居希望者の内見時対応のため、入居前からすでに通電状態となっているケースが多く見受けられます。

 

スマートメーターではない従来タイプの電気メーターの場合、前の入居者の電気代支払いは終了していても、内見時から通電していることがあります。この状態で手続きをせずに使い続けていると「無断使用」となり、後でまとめて費用を請求されることになります。

 

無断使用を避けるためにも、引越しした段階で電力会社へ連絡し、新たに契約することが大切です。

 

なお、スマートメーターの場合は遠隔で通電を操作するため、前の入居者が退去手続きをした時点で通電が停止します。内見時対応に備えて通電したい場合、大家さんが自ら契約する必要があるため、入居時点では電力供給を一旦停止しているケースが多いでしょう。

先述したとおり、電気・水道の使用開始手続きと違い、ガスの開栓には必ず立ち会いが必要です。家族や知り合いが代理で立ち会うことも可能ですが、どちらにしても事前の日程調整が欠かせません。

 

ガス開栓時には、ガス事業者の専門の資格所有者が開栓作業を行い、その場で契約者(もしくはその代理人)に、ガス使用にあたっての注意点を伝えることが義務付けられています。

 

専門の作業員を手配する必要があるので、年度末などの引越しが多いシーズンはスケジュールが立て込むことが想定されます。使用開始手続きを忘れていて、いざ当日開栓したいと連絡しても、日程調整がつかない可能性もあるでしょう。

 

引越し当日からガスを使用したいのであれば、電話・郵送・インターネットで必ず事前に開栓日程を決めておくことをおすすめします。

水道が使えないと日常生活に支障をきたすリスクがあるため、事前の手続きがなくても使用できるケースがほとんどです。引越してすぐ蛇口をひねっても、問題なく水は出てくるでしょう。

 

ただし、手続きをしないまま水道を使い続けていると、その間の水道料金を支払わないまま水を使っていることになり、「無断使用」として法律で罰せられる可能性があります。

 

事前に使用開始手続きをしておくのが基本ですが、万が一手続きを忘れていた場合、できる限り早めに水道局へ電話して使用開始を申請しましょう。使用開始日を告げると、さかのぼって水道料金を請求されます。

一人暮らしを開始するにあたって、電気・水道・ガス以外にも必要な手続きはあります。以下で紹介する内容も重要な事柄であるため、引越しの際は忘れずに手続きを行いましょう。

一人暮らしに限らず、引越したときに必要となるのが、転出届・転入届および転居届の提出です。市区町村をまたいでの引越しであれば、引越し前の居住地を管轄している自治体へ「転出届」を提出し、引越し後に新居を管轄している自治体へ「転入届」を提出します。

 

転出届は引越しの前後14日以内で提出可能ですが、旧居のある自治体窓口へ出向く必要があるので、引越し前に提出しておくことをおすすめします。一方で、転入届は住み始めてから14日以内に提出することが義務付けられており、違反すると5万円以下の過料を科せられる可能性があるため、忘れずに手続きを行うようにしましょう。

 

また、同じ市区町村内で引越しする場合には、「転居届」の提出のみで済みます。転入届と同様、新居に住み始めてから14日以内の提出が義務付けられています。

郵便物の転送サービスもあらかじめ手続きしておきましょう。これは郵便局へ「転居届」を事前に提出することで、届出日から1年間、旧住所宛ての郵便物が新住所宛てに無料で転送されるというサービスです。転送期間は届出日からのカウントになるため、手続きをあまり早くしすぎない方がよいでしょう。

 

転居届はインターネットもしくは郵送、郵便局窓口にて手続き可能です。もっとも簡単なのがインターネットで行える「e転居」を使った手続きです。日本郵便が無料で提供する「ゆうびんID」を登録すれば、誰でもインターネット上から手続きを行えます。受け付けから転送開始までに1週間程度かかることがあるので、引越し1週間前を目安に手続きをするとよいでしょう。

 

郵送手続きは郵便局窓口に設置されている転居届に必要事項を記入し、切手を貼らずに専用封筒に入れてポストへ投函します。この際、本人確認資料(運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなど)の写しを添付する必要があります。

郵便局窓口に直接提出する場合は、本人確認資料を持参のうえ窓口で手続きします。

 

なお、以前はヤマト運輸も転居転送サービスを実施していましたが、2023年5月末をもって新規受け付けを終了しています。ほかの宅配会社も基本的に転送は実施していないため、郵便局以外の荷物が届く可能性のある人は、速やかに登録住所の変更手続きを行いましょう。

 

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初めての一人暮らしとなると、引越しの準備だけでも多くの時間を費やします。

 

特に、電気・ガス・水道といったライフラインの手続きは面倒に感じるかもしれませんが、引越し後の生活をスタートするためには必要不可欠な作業です。また、住民票の異動手続きや郵便局の転送手続きも、後々トラブルに発展しないように漏れなく進める必要があります。

 

今回紹介した内容を参考に準備を計画的に進め、余裕を持って新生活をスタートできるようにしましょう。

 

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