一人暮らしをするときは、まず賃貸アパートやマンションを探す人が多いでしょう。しかし、賃貸一戸建てにも魅力はたくさんあります。
この記事では、賃貸一戸建てを選択した場合のメリット・デメリットや、物件を探す際の注意点を解説します。
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賃貸一戸建てを選択するメリット

まずは、賃貸物件の中で一戸建てを選択するメリットについて見ていきましょう。アパートやマンションとの違いを知ることで、物件探しの幅が広がります。
マンションやアパートのように細かな規制がない
一戸建ての賃貸物件は、マンションやアパートと比べて居住ルールの自由度が高い点が魅力です。一戸建てであれば、ペットの飼育や楽器の演奏など、集合住宅では認められにくい行為が許されるケースも多いです。
ただし、近隣住民への配慮をしっかりとしたうえで楽しむことが前提となります。周囲への気づかいは忘れないようにしましょう。
専有面積が広い
一般的な集合住宅と比べ、一戸建ての賃貸物件は専有面積が広いことが多いです。その広さは、一人暮らしには十分なスペースであることがほとんどです。
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、一人暮らしに最低限必要な広さは25平米、ゆとりのある広さが55平米となっています。
一戸建ての賃貸物件では、55平米を超える物件も少なくありません。また、部屋数も多い傾向にあるため、部屋の使い方の選択肢が広がります。
収納が多い
専有面積の広さは、収納の多さにもつながります。
一戸建てでは各居室に収納が設けられていることが多いうえ、使わない居室があれば1部屋を丸ごと収納空間にして、ウォークインクローゼットのように使うことも可能です。
そのため、収納が足りないからと服を処分したり、大きい家具の購入を我慢したりする必要は少ないでしょう。
庭や駐車場が付いている場合も多い
一戸建ての賃貸物件には、庭や駐車場が付いている物件も多くあります。庭付きであれば、家庭菜園やガーデニングなどを楽しむことができます。
自家用車を日常的に利用する人であれば、駐車場付き物件は利便性・コスト面ともに大きなメリットになります。
自分の敷地内に車を駐車できるため、すぐに車の利用ができますし、別途駐車場代金を支払う必要がありません。
また、敷地内駐車場であれば、車上荒らしや盗難などのリスクも減ります。
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賃貸一戸建てを選択するデメリット

賃貸一戸建てを選ぶメリットを紹介しましたが、一方で気をつけておきたいデメリットもあります。具体的に見ていきましょう。
掃除や管理の手間が増える
一戸建てのメリットである専有面積の広さや部屋数の多さは、掃除の面ではデメリットになることがあります。
コンパクトでシンプルな間取りのアパートやマンションと比べて、掃除に手間がかかることが多いでしょう。
また、庭がある場合は、植栽の手入れなども必要です。管理に手間やコストがかかる点は押さえておきましょう。
駅からの距離が遠い
一般的に、駅から近く利便性の高いエリアは、マンションやアパートなどが建てられるケースが多いです。それに対して一戸建ては、駅から離れた住宅街に建てられることが多い傾向にあります。
そのため、通勤に電車を利用する場合は、少し不便に感じることがあるでしょう。また、スーパーやコンビニなどが近くにない場合は買い物に手間がかかり、日々の生活が不自由だと感じることもあります。
物件を選ぶ際には実際の生活をしっかりとイメージしながら選択することが大切です。
定期借家のケースに注意する
一戸建ての賃貸物件の中には、契約の更新ができず、期間が満了したら退去しなければならない、あるいは再契約をしなければならない物件もあります。このような契約を「定期借家契約」と呼びます。
大半の賃貸物件では、更新手続きをすれば引き続き住むことができる「普通借家契約」が用いられていますが、一戸建ての賃貸物件の場合は定期借家契約であることも珍しくありません。
その理由は、一戸建ての物件は本来オーナーが自分で住むために購入しており、長期の出張などの事情で、ある一定の期間だけ貸し出されることが多いからです。
定期借家契約の場合、いくら住み心地がよかったとしても、いずれは退去しなければいけません。オーナーとの交渉で再契約ができる可能性はありますが、必ず認めてもらえるわけではないことに注意が必要です。
賃貸一戸建てが向いている人の特徴

賃貸一戸建てでの一人暮らしが向いているのは、どのような人でしょうか。主な点を挙げて解説します。
収入にゆとりがある人
賃貸物件の一戸建ては、マンションやアパートに比べて広い分、光熱費が一般的な物件よりも高くなる傾向があります。そのため、ある程度収入にゆとりを持てる人の方が、安心して借りることができるでしょう。
メンテナンスが苦にならない人
一戸建ての住宅は、先述のとおり、集合住宅よりも広めにつくられていることが多く、掃除や管理に手間がかかりがちです。特に、庭付きの賃貸一戸建ての場合は、庭の手入れも行わなければいけません。
そのため、メンテナンスや掃除が苦にならない人であれば、一人暮らしでも楽しみながら生活できるでしょう。
車や庭を使った趣味がある人
家庭菜園やDIY、車やバイクなどの趣味がある人は、一戸建ての賃貸物件がおすすめです。
マンションやアパートでは十分な広さを確保することは難しいですが、一戸建てであれば庭や駐車スペースでのびのびと趣味を楽しむことができます。ただし、近隣への配慮は忘れないようにしましょう。
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賃貸一戸建てを探すときに注意したいポイント

一戸建ての賃貸物件を探すときは、通常の賃貸物件を探すときとは異なるポイントに注意する必要があります。
家賃
一戸建ての賃貸物件は専有面積が広い分、マンションやアパートと比較して家賃が高いケースがあります。家賃の高さは初期費用の額にも影響するため、金銭的に余裕のある引越し計画を立てることが大切です。
家賃は「手取り収入の3分の1」以内に収まる金額を目安として設定すると、余裕が生まれやすくなるでしょう。
契約形態
一戸建ての賃貸物件の中には、定期借家契約の住宅も多くあります。
デメリットの項目でも解説しましたが、定期借家契約では借りられる期間があらかじめ決まっているため、気に入った物件であっても時期が来れば退去しなければなりません。
長く住める賃貸物件を探しているのであれば、普通借家契約を結べる物件を探しましょう。
設備
物件の内見時には、必要な設備があるか、不具合がないかといった点を忘れずにチェックしましょう。
部屋が複数ある場合は、各部屋にエアコンが付いていると快適に過ごせます。築古物件であれば、インターホンや水回り設備、窓をはじめとした各種扉の動作確認を行っておくと安心です。
また、築古物件の場合は耐震性にも気をつけましょう。耐震性を判断するときの目安になるのが建築年です。1981年6月1日以降、あるいは2000年6月1日以降に建築確認申請を行って建てられた一戸建てを選ぶといいでしょう。
1981年6月1日以降に建築確認申請を行って建てられた物件であれば、新耐震基準(震度6強~7程度の揺れに耐えられる構造)で建てられた住宅と判断できます。
さらに2000年には、地盤調査の義務化、耐力壁のバランスや接合部の金物が指定されるなど、木造住宅の耐震性に関わる項目が改正されました。
そのため、2000年以降に建築確認申請を行って建てられたものであれば、より厳しい耐震基準で建築された住宅と判断できます。
広さと日当たり
一戸建てで一人暮らしをする場合、間取りによってはスペースを持て余してしまうことがあります。
広さは家賃に影響するため、無駄なスペースに家賃を払うのは避けたいところです。事前に自分の生活に必要な広さや間取りを決めておきましょう。
また、2階建て以上の一戸建ての場合、1階部分は周辺の環境によって採光を十分に確保できないケースもあるので注意しましょう。
日当たりが悪いと家の中に湿気がこもりやすくなり、冬場は暖房費がかかるなどのデメリットが生じます。
交通の利便性と近隣の雰囲気
一戸建ては駅から離れた立地にあることが多いので、駅までの経路や時間、近くにスーパーやコンビニがあるかといった点は必ず確認しましょう。
あらかじめ、不動産会社に希望条件を伝えたり、ポータルサイトの検索条件を細かく設定したりすることが大事です。
また、一戸建てではアパートやマンションより周辺住民との交流が必要になるケースがあります。たとえば、地域行事への参加やゴミ集積場の清掃などが当番制で回ってくることも。
そのため、気に入った物件が見つかったら、事前に不動産会社の担当者に地域のルールや雰囲気などを聞いておくと安心です。
一戸建ての賃貸物件の探し方

実際に一戸建てを借りて住んでみたいという人に向けて、一戸建ての賃貸物件の探し方を紹介します。
LIFULL HOME’Sの「物件検索」を上手に使おう
一戸建ての賃貸物件を探すときは、通常の賃貸物件と同様に、不動産会社に直接相談する方法と、不動産情報ポータルサイトで検索する方法があります。
LIFULL HOME’Sでは、「賃貸一戸建てを探す」というページを設けています。駅や路線、地域を選択するだけで簡単に一戸建ての賃貸物件のみを検索できます。
複数物件を比較検討することで、家賃相場をつかむこともできるでしょう。物件探しの際に、ぜひ活用してみてください。
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記事のおさらい
一戸建ての賃貸物件を選ぶメリットは?
専有面積が広くゆったりと暮らせ、収納場所も確保しやすいです。また、集合住宅ほど規則が厳しくない物件が多く、ペットの飼育や楽器演奏など、自分が思うような暮らしを手に入れやすい点がメリットです。
賃貸の一戸建てが合うのはどんな人?
収入にゆとりがあり、庭などのメンテナンスを苦に思わない人が向いています。また、家庭菜園やDIY、車やバイクの趣味がある人にもおすすめです。
一戸建ての賃貸物件を借りる際の注意点は?
まずは、定期借家契約かどうかを確認しましょう。定期借家契約の場合は、期間が満了したら原則として退去しなければなりません。そのほか、築古物件であれば耐震性の確認、さらに2階建て以上の一戸建てであれば、1階部分の採光を確認するとよいでしょう。
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