賃貸物件を選ぶときには、できればじっくりと時間をかけて条件整理や部屋探しを進めたいところです。焦って決めたばかりに、住んでみて後悔してしまうといったケースも少なくはありません。

今回は後悔しない物件選びのコツについて失敗例と対策をセットで紹介します。どのような点を意識すべきなのか、具体的な失敗例を通して学んでいきましょう。
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賃貸物件イメージ

 

まずは、家賃に関する失敗例を見ていきましょう。

 

家賃よりも先に細かな条件を決めてしまった場合に起こりやすいケースです。賃貸物件を探すときには、最初に無理なく支払える家賃を決めてから、条件を調整するようにするとスムーズです。

 

一般的に、家賃は「手取りの3分の1」以内とされているので、まずはこの数値を目安にしながら、固定費や生活費とのバランスを考慮して上限を設定しましょう。

 

賃貸物件には、管理費・共益費があらかじめ賃料に組み込まれている場合と、家賃とは別に請求される場合の2つのパターンがあります。家賃をほかの物件と比べるときには、管理費も合算して比較するようにしましょう。

 

賃貸物件を借りるときには、敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用がかかります。目安は家賃の「4~6ヶ月分」と大きな額になるので、事前に把握しておきましょう。

 

めやすを見る

 

なお、LIFULL HOME’Sに掲載されている物件情報には、ページの下のほうにこの物件に住んだときの費用目安を知る「めやすを見る」というボタンがあります。

 

ボタンを押すと、自動的に初期費用や月額費用の目安を計算できるので、具体的な費用を確かめるのに便利です。

 

リサーチ不足のまま物件を選ぶと、似たような条件でもっと家賃の安い物件を見落としてしまうケースがあります。

 

家賃相場

 

LIFULL HOME’Sの「家賃相場」では、住みたいエリアや条件を設定すると、おおまかな家賃の相場をチェックできるので活用してみてください。

周辺の騒音が気になる

 

立地については、特に住んでみてから気づくポイントが多くあるので、できるだけ事前に細かなリサーチをしておきたいところです。

 

まずは「駅からの徒歩所要時間」を確認しましょう。徒歩所要時間とは歩いて移動したときにかかる分数のことであり、不動産情報の表記ルールにのっとり、「80m/分」で計算されています。

 

しかし、徒歩所要時間はあくまで概算であり「物件の入り口から部屋までの時間」「信号・踏切に引っかかる可能性」「坂や階段の上り下りにかかる時間」「駅の出入り口からホームまでの距離」などは計算に含まれていません。

 

そのため、候補の物件が見つかったら、実際に駅や周辺施設まで歩いてみて、時間やルートの状況を確認しておくことが大切です。

 

利便性の高いエリアには、線路沿いや幹線道路沿いなどの騒音が気になりやすい物件もあります。

 

こうしたエリアでは、二重窓などの騒音対策がとられているところも多いですが、対策がなされていない場合は音の問題が気になってしまうケースもあります。

 

騒音が気になる場合は、物件の防音対策とともに、周辺エリアの交通量などもチェックしておきましょう。

 

生活利便性を決める要因は数多くあり、価値観やライフスタイルによっても異なります。スーパーやコンビニまでの距離は多くの人が重要視しますが、それ以外にも幅広い視点で生活環境を考えることが大切です。

 

たとえば、ペットを飼育している場合の動物病院までの距離、子育て世帯の場合の公園や小学校・幼稚園・保育園の有無や距離など、人によって重視すべきポイントは異なります。

 

日常生活に必要な施設を書き出して、あらかじめ条件を明確にしておくと部屋探しがスムーズに進むでしょう。

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間取り・収納に関する失敗例

 

間取りや収納に関する失敗例は、初めて賃貸物件を借りる場合に起こるものが多いです。

 

一般的に、部屋の形状は正方形や長方形のほうが使いやすいとされています。特殊な形状の場合は、内見時に細かく採寸しておくなどして、問題なく家具を設置できるかチェックしましょう。

 

また、内見のタイミングでは、玄関ドアの間口も確認することが大切です。大型のベッドなどは入らない可能性もあるので、あらかじめ採寸をしてから内見に臨むようにしましょう。

 

意外と見落としてしまいがちなポイントとして「コンセントの位置」が挙げられます。コンセントの位置によって、ある程度家電の配置が決まってしまうので、内見のときには間取り図に書き込んでおくといいでしょう。

 

一人暮らしをする場合は、大きく分けて「ワンルーム」と「1K」の2種類から間取りタイプを選ぶケースが多いです。

 

両者の違いは「キッチンと居室が仕切られているかどうか」であり、キッチンとの間に仕切りのある1Kには以下のようなメリットがあります。

メリット

  • キッチンのにおいが居住スペースに移りにくい
  • 玄関から居室が見えないため宅配などの対応がしやすい
  • 洗濯機の音が居室まで届きにくい

一方、ワンルームは同じ広さの1Kと比べて家賃が安くなりやすいのがメリットです。そのため、「あまり自炊はしない」「家賃の安さを重視したい」といった人にはおすすめです。

 

部屋探しに慣れないうちは、部屋の広さに気をとられるあまり、収納スペースを見落としてしまいがちです。内見時には収納スペースの広さをきちんと確認するとともに、間口の大きさや扉の開く方向もチェックしておくと安心です。

 

特に女性の場合、キッチン収納が高くて使いにくいと感じられるケースもあります。内見を行う際には、高いところにある収納場所にも無理なく手が届くかどうかを確認しておきましょう。

キッチン

 

間取りとともに、設備に関する失敗も住んでから気づくパターンが多いです。そのため、あらかじめ失敗の傾向と対策をつかんでおくことが大切となります。

 

キッチンは、室内設備のなかでも使用頻度が高く、重要なポイントです。自炊をする場合には「一口コンロ」や「作業スペースが狭い」「動線の効率が悪い」といった点にストレスを感じてしまうケースが少なくありません。

 

頻繁に料理をするなら、コンロの数や配置、作業スペースの使いやすさにも目を向けておきたいところです。また、内見時には冷蔵庫などの配置場所も踏まえて、実際の家事動線を意識しながら検討しましょう。

 

賃貸物件の設備のなかで、もっとも重視されることが多い条件が「バス・トイレ別」です。

 

バス・トイレが一体になっているほうが家賃は抑えられる半面、「トイレやトイレットペーパーがぬれてしまう」「お風呂が使いにくい」「湿気対策が難しい」といったデメリットもあります。

 

賃貸物件のなかには、ベランダなどの室外に洗濯機置き場があるタイプもあります。

 

室外洗濯機置き場の物件は、通常よりも家賃が安い傾向にありますが「洗濯のたびに外に出るのが面倒」「雨の日には使いにくい」「洗濯機が傷みやすい」といった面もあります。

 

よくある失敗例としては「ロフトの上り下りが面倒でほとんど活用できなかった」といったケースが挙げられます。

 

ロフト付きの物件は通常よりも部屋を広く使える点が便利ですが「はしごが使いにくい」「換気がしにくい」といった原因から、住んでみるとあまり使わなかったという人も多いです。

 

また、浴室乾燥機や独立洗面台などは便利な機能ですが、設置されている物件は賃料も高くなりやすい傾向があります。そのため、使用頻度を慎重に考慮しながら必要性を見極めることが大切です。

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家の風通し

 

最後に、その他の条件に関する失敗例と対策方法を見ていきましょう。

 

集合住宅であるアパートやマンションでは、防音性が低いと隣室の生活音が聞こえてきてしまうこともあります。また、自分の生活音が周りに聞こえると、騒音トラブルにつながってしまうケースも考えられます。

 

部屋の防音性を知るひとつの目安として、内見時に「部屋の真ん中で手をたたいてみる」方法があります。音がきちんと返ってくれば、隣室には漏れずに遮音されていると判断でき、音が返ってこなければ周囲に漏れている可能性があるといえます。

 

また、「四方の壁を軽くノックしてみる」のも有効です。軽くコンコンという音が聞こえてきた場合には、壁の密度が低く、音が響きやすい状態だと判断できます。

 

賃貸物件を借りる人のなかには、昼間は仕事で家にいないといった理由から、日当たりや風通しはあまり重視しないというケースも少なくありません。

 

しかし、日当たりや風通しの悪い部屋は、洗濯物が乾きにくかったり、室内の湿気やカビなにもつながります。本当に気にしなくてもいいのか、よく考えておきましょう

 

内見時には建物の方角や周囲の建物との関係性、窓の個数や配置、換気扇の位置をチェックしながら、昼間の日当たりと風通しも意識しておきましょう。

 

ほかの入居者のマナーが悪いと、無用なトラブルに巻き込まれたり、騒音やゴミ出しルールなどでストレスを感じたりしてしまうこともあります。

 

入居者のモラルについては、内見時にもある程度確かめられるので、具体的なポイントを押さえておきましょう。

ポイント

  • ゴミ置き場が散らかっていないか
  • 収集日以外にゴミが捨てられていないか
  • ポスト周辺にチラシなどが散らかっていないか
  • 駐輪場は正しく使われているか
  • 廊下などの共用部分に所有物が放置されていないか

また、入居者向けの掲示板やエレベーター内に、管理会社からの警告や注意が書かれている場合には、騒音トラブルやクレームが発生している可能性も考えられます。

 

その場合は、仲介会社を通じて大家さんに、苦情や入居者同士のトラブルがないか確かめておくと安心です。

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  • 後悔しない物件選びは事前のリサーチが重要
  • 費用については、無理のない家賃設定の方法と相場の調べ方を押さえておく
  • 立地に関しては実際に足を運んでチェックしてみるのが確実
  • 間取りや設備はライフスタイルや家賃条件を考慮して条件を明確にしておく
  • 物件に住む入居者のマナーにも目を向けておこう
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