2DKは「ワンルームからもっと広い部屋に引越したい」「同棲などで複数の部屋が必要」といったときに、候補になりやすい間取りです。
今回は2DKの間取りについて、具体的な特徴や床面積の広さを中心に解説していきます。そのうえで、2DKの物件を探すときに押さえておきたいコツについて見ていきましょう。
2DKの物件
床面積と生活に適した広さの目安とは?

2DKの広さについて見ていくうえで、まず床面積の定義について理解しておきましょう。また、実際に生活をするうえで、どのくらいの広さが必要となるのか解説していきます。
床面積に関する言葉の定義
「床面積」の意味は、建築基準法によって定められており、建物の壁や柱で囲まれた部分の面積(壁芯面積)のことを指します。
似た言葉として「延べ床面積」がありますが、こちらは主に一戸建てなどで使われることが多く、各階の床面積を合計した建物全体の広さを表しています。
賃貸物件の不動産情報においては「専有面積」が使用されており、これは部屋の全体からバルコニーやロフトなどを除いた広さを示す数字です。
賃貸物件で物件の床面積を示す際には、専有面積のことを指しているため、誤解しないように注意しておきましょう。
生活に適した広さの目安はどのくらい?
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、住まいの面積について、世帯人数ごとの目安が以下のように設定されています。
| 単身世帯 (平米) | 2人世帯 (平米) | 3人世帯 (平米) |
|---|---|---|---|
最低居住面積水準 | 25 | 30 【30】 | 40 【35】 |
誘導居住面積水準(都市居住型) | 40 | 55 【55】 | 75 【65】 |
誘導居住面積水準(一般型) | 55 | 75 【75】 | 100 【87.5】 |
※【 】は3~5歳児が1人いる場合
健康で文化的な生活を送るために必要な面積を「最低居住面積水準」、多様なライフスタイルを想定した場合に必要な面積を「誘導居住面積水準」として定めています。
子どもの人数については、「3歳未満を0.25人」「3歳以上6歳未満を0.5人」「6歳以上10歳未満を0.75人」と計算します。
部屋探しをするうえでは、世帯の人数に合わせた最低居住面積水準と誘導居住面積水準を意識しておきましょう。
2DKの間取りの特徴

間取りから部屋探しを行う際には、それぞれの具体的な特徴を押さえておくとスムーズです。ここでは、2DKの間取りについて解説していきます。
2つの居室とダイニングキッチン
2DKは「居室が2つとダイニングキッチン」を組み合わせた間取りを指します。
ダイニングキッチンとは、食事をするスペースとキッチンが一体化した場所のことを指し、キッチンよりも広く、LDK(リビングダイニングキッチン)より狭い点が特徴です。
具体的な広さの目安は、「不動産公正取引協議会連合会」によって定められており、居室が2つある場合には「6畳以上10畳未満」のものがDK、「10畳以上」のものがLDKとして扱われます。
2DKの間取りにおいては、DKの広さや使い方によって、生活のスタイルが大きく変化するといえます。
掘り出し物の物件が見つかることも
2DKは1980年代頃に多く見られた物件であり、比較的に築年数が経過している物件も少なくありません。そのため、専有面積の割に家賃が安く、掘り出し物の物件が見つかることもあるのです。
築年数が経過していても、内装や設備がリフォームされていれば、生活をしていて気になる場面はあまりないでしょう。そのため、2DKの物件を探す際には、リフォーム済みかどうかに注目するのもひとつのポイントです。
2DKの物件2DKと2LDKの違い

2DKと似ている間取りに2LDKがあります。2DKの物件を探すうえでは、間取りの候補として検討されることも多いため、ここで具体的な特徴や違いを押さえておきましょう。
2LDKの特徴
2LDKは、2つの居室にリビングダイニングキッチンを組み合わせた間取りを指します。10畳以上の広さのリビングダイニングキッチンがあり、2DKよりも夫婦や家族でゆったりと過ごせる空間を確保できる点がメリットです。
ただ、比較的に築年数が浅い物件が多く、家賃はやや高く設定されているといえます。2DKとそれほど変わらない賃料の物件を探そうとすると、立地条件などを妥協しなくてはならないこともあるため、優先すべき条件を明確にしておくことが重要です。
2LDKの物件平均面積はどのくらい? 2DKの具体的な広さと専有面積の違いによる特徴

一口に2DKの間取りといっても、居室や共有スペースなどの広さには違いがあるため、専有面積もさまざまです。ここでは、LIFULL HOME’Sに掲載されている実際の物件を調べながら、具体的な広さを見ていきましょう。
専有面積ごとに割合を見てみよう
2020年10月末時点、東京都23区に掲載されている2DKの物件は8,731件あります。ここから、専有面積ごとの物件数を調べ、全体と比較した割合を見ていきましょう。
専有面積 | 物件数 | 総物件数に対する割合 |
|---|---|---|
30平米未満 | 97件 | 1% |
30平米以上40平米未満 | 3,391件 | 39% |
40平米以上50平米未満 | 4,580件 | 52% |
50平米以上60平米未満 | 619件 | 7% |
60平米以上 | 44件 | 1% |
以上の表から、2DKの間取りを持つほとんどの物件は、「30平米以上~50平米未満」の専有面積に該当することが分かります。
そして、この範囲には「1人世帯の誘導居住面積水準(都市居住型)」、「2人および3人世帯の最低居住面積水準」が当てはまります。
そのため、一般的な2DKは、2人~3人での生活に適した間取りであるといえるでしょう。
専有面積が広い2DKの特徴
専有面積が広い2DKの特徴のひとつとしては、各居室とDKのほかに、「サービスルーム」や「ウォークインクローゼット」などが設けられている場合があります。
こうした空間は換気や採光の面から居室として扱うことができないため、それなりの広さがあるにもかかわらず、間取りのうえでは表示されません。
また、広い2DKの物件は、廊下や水回りのスペースが十分に確保されている点も大きな特徴です。
専有面積が狭い2DKの特徴
専有面積がそれほど広くない2DKは、限られたスペースに効率よく各部屋を配置している点が特徴です。玄関を入ってすぐにDKがあり、そのまま各部屋に移動できるなど、動線を確保しやすい点はメリットともいえます。
一方で、水回りや廊下のスペースは狭く、各部屋が6畳より小さくなっているケースも少なくありません。また、玄関からDK、居室、居室と縦につながっていて、使い方に工夫が必要となる物件もあります。
ただ、限られた空間が効率的に使われていることによって、部屋数のわりに家賃の安いところも多いです。上手な活用方法を見つけられれば、快適かつリーズナブルな物件を探すこともできるのです。
2DKの物件2DKの物件を選ぶときのコツ

ここまで見てきたとおり、2DKの間取りは広さやつくりによって使い勝手が異なるため、物件を探すうえでは基準を明確にしておくことが重要です。
2DKの物件を選ぶときのコツを見ていきましょう。
ライフスタイルやライフステージを意識しておく
2DKは、家賃を抑えて生活をしたいカップルや夫婦に適した間取りだといえます。特に、あまり持ち物が多くない人や、家で過ごす時間が短い人にとっては、十分に快適な住まいとなるのです。
一方で、友人を呼ぶ機会が多い人や、2人でゆっくり過ごせる空間がほしい人からすれば、2DKでは物足りない部分もあります。少し家賃が高くなっても、リビングのある2LDKがいいと感じる人も少なくありません。
また、2DKは夫婦2人で住む分には問題のない間取りであるものの、子どもができると少し手狭に感じてくることもあります。特に、子どもが小さなうちはなかなか目が離せないため、一緒に過ごせる広めのリビングがほしいと感じる場合が多いのです。
家賃や部屋の広さとともに、自分たちの生活スタイルをきちんと考慮しておくことが、部屋探しを成功させる重要なポイントとなります。
2DKの専有面積は30平米~50平米が多い
- 2DKは2つの居室に6畳以上10畳未満のダイニングキッチンを組み合わせた間取り
- 世帯人数に合わせた最低居住面積水準と誘導居住面積水準を把握しておくことが重要
- 23区内の2DK物件の多くが30平米~50平米の広さに該当する
- 結婚や子育てといったライフステージを意識して部屋探しを行うことが大切
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