- 賃貸のDIYは原状回復の範囲内で行う
- 賃貸物件を退去する際は入居時の状態に戻す「原状回復」の義務があります。壁に穴を開けたり塗装したりすると修繕費を請求されるおそれがあるため、テープや突っ張り棒など元に戻せるアイテムを活用しましょう。
詳しくは、「賃貸キッチンをDIYする前の大原則「原状回復」の注意点」をご覧ください。 - 壁に穴を開けずに収納や作業台を増やす
- 狭いキッチンでも、突っ張り棒や有孔ボードを使えば壁を傷つけずに壁面収納を作れます。また、カラーボックスと天板を組み合わせれば、立派な作業カウンターや大容量の収納スペースを自作することも可能です。
詳しくは、「【お悩み別】賃貸キッチンの簡単DIYアイデアと実例」をご覧ください。 - カスタマイズ可の物件への引越しも選択肢
- 自分で材料を揃えたり作業したりするのが面倒な場合は、あらかじめDIYが許可されている「カスタマイズ可賃貸物件」や、最初から設備が整った「システムキッチン付き物件」を探して引越すのもおすすめです。
詳しくは、「DIYが面倒・失敗が怖いなら「理想のキッチンがある物件」へ引越すのもアリ」をご覧ください。
賃貸物件を探すときには、キッチンの使い勝手も大事なポイントとなります。
特に、普段から自炊をする人にとっては、キッチンの設備や使いやすさによって部屋の魅力が大きく左右されることもあるでしょう。
しかし、「家賃の予算内で探すと、どうしてもキッチンが狭い・古い・収納が少ない」と悩む方も少なくありません。
今回は、賃貸のキッチンを原状回復できる範囲でDIYして理想的な空間にするためのアイデアや注意点、便利アイテムを紹介します。
さらに、どうしてもDIYが難しい方向けの物件の探し方も紹介します。
賃貸のキッチンは「原状回復できるDIY」で理想の空間に
賃貸のキッチンに対する不満は、原状回復が可能な範囲のDIYで解決できることが多くあります。
実際にLIFULLが実施した調査(※)で、一人暮らし初心者に「実際の物件の満足度が低かった理由」を聞いたところ、以下のような現実の壁に直面したという声が寄せられています。
- 「収納が1つもない点が想像以上に不便だった」
- 「思っていたより部屋が狭かった」
特にキッチン周りは物があふれやすく、狭さや収納不足のギャップを感じやすいスペースです。
キッチンが狭かったり、好みのデザインでなかったりすると、料理のモチベーションは下がってしまいます。
しかし、「賃貸だから」と諦める必要はありません。近年は、壁に穴を開けたり傷をつけたりせずに使える便利なDIYアイテムが多数登場しています。
これらを上手に活用すれば、退去時のトラブルを避けながら、収納力をアップさせたり、おしゃれなカフェ風キッチンに変えたりすることが可能です。
※ LIFULL「3年以内に “はじめて一人暮らしをした” 550人の先輩から学ぶ!『理想』と『現実』一人暮らし初心者のギャップ調査」(2023年公開)
賃貸キッチンをDIYする前の大原則「原状回復」の注意点
賃貸物件でDIYを行う際に最も重要となる大原則が「原状回復」です。退去時に元の状態に戻せないようなカスタマイズをしてしまうと、高額な修繕費用を請求されるおそれがあります。
原状回復とは? どこまでならDIYしても大丈夫?
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、入居時の状態に戻して大家さんに返還する義務のことです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(※)によれば、借主(入居者)の故意・過失や、通常の使用を超えるような使い方によって生じた損耗・キズについては、借主が修繕費用を負担することとされています。
つまり、日焼けによる壁紙の変色や、冷蔵庫の裏の黒ずみといった「普通に生活していて自然にできる汚れ(通常損耗)」の修繕費は貸主(大家さん)の負担ですが、DIYによって以下のような状態になった場合、借主が費用を支払わなければなりません。
- 「壁に釘やネジの穴を開けた」
- 「強力な接着剤で剥がれなくなった」
- 「ペンキで汚した」
したがって、賃貸でのDIYは「釘やネジを使わない」「跡が残らないテープを使う」「元の設備に直接塗装しない」といった、確実に元に戻せる範囲にとどめる必要があります。
※ 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」
失敗やトラブルを防ぐ! 作業前のチェックポイント
DIYの失敗を防ぐため、作業を始める前に以下のポイントを確認しましょう。
賃貸借契約書の確認
物件によっては、釘打ちだけでなく「画鋲の穴もNG」など、厳しいルールが定められている場合があります。契約書の特約事項などを事前に読んでおきましょう。
マスキングテープで保護する
両面テープを使用する際は、まず壁や扉にマスキングテープを貼り、その上から両面テープを貼ることで、剥がす際に糊(のり)の跡が残るのを防げます。
現状の写真を撮っておく
DIYを始める前のキッチンの状態をスマートフォンなどで撮影しておきましょう。退去時に「元々どうなっていたか」を確認する際の重要な証拠となります。
管理会社への相談
判断に迷うような大きな作業をする場合は、事前に大家さんや管理会社へ相談し、許可をとっておくと安心です。
【お悩み別】賃貸キッチンの簡単DIYアイデア
ここからは、賃貸のキッチンでよくあるお悩み別に、具体的なDIYのアイデアと解決策を紹介します。
収納不足を解消…壁を傷つけない「突っ張り棒・有孔ボード」
キッチンの収納が足りず、調理器具や調味料が散らかってしまう場合は、壁面などのデッドスペースを有効活用しましょう。
たとえば、シンク周りやコンロ脇のわずかな隙間に「突っ張り棒」を縦や横に設置し、S字フックをかければ、お玉やフライ返しなどを吊るして収納できます。
さらに、突っ張り棒と「有孔ボード(ペグボード)」を組み合わせれば、壁に一切穴を開けずに広範囲な壁面収納が完成します。
有孔ボードの穴に専用のフックや小さな棚板を取り付ければ、よく使う調味料をおしゃれにディスプレイすることも可能です。
作業スペースを広げる…カラーボックスでつくる「自作カウンター」
まな板を置くスペースすらない狭いキッチンでは、作業台を新たに設けるのが効果的です。
市販のカラーボックスを2つ並べて土台にし、その上にホームセンターなどで購入した天板(木の板)を乗せて固定するだけで、立派なキッチンカウンターが完成します。
カラーボックスの裏側にリメイクシートを貼れば、ダイニング側からの見栄えも良くなります。
カウンターの下はカラーボックスの棚を利用して大容量の収納スペースとして使えるため、食器や食品ストックを一箇所にまとめることができ、一石二鳥です。
移動も簡単なので、退去時の撤去もスムーズに行えます。
古い扉や壁をおしゃれに…跡が残らない「リメイクシート」
キッチンの扉の色が古臭かったり、壁のタイルが好みでなかったりする場合は、「リメイクシート(はがせる壁紙)」を使ってデザインを一新しましょう。
木目調やレンガ調、大理石風など、さまざまな柄のリメイクシートが販売されています。
収納扉やキッチンの壁(火の元に注意して防炎タイプを選ぶこと)に貼るだけで、まるでカフェのようなおしゃれなキッチンに早変わりします。

キッチンにはがせる壁紙を貼った例
直接貼ると剥がす際に跡が残る可能性があるため、下地にマスキングテープを貼ってから作業をするのが失敗しないコツです。
賃貸キッチンのDIYにおすすめの便利アイテム
DIY初心者の強い味方となる、手軽に入手できて原状回復もしやすい便利アイテムを紹介します。
貼って剥がせる「マスキングテープ・専用両面テープ」
賃貸DIYの必需品ともいえるのがマスキングテープです。本来は塗装時の養生用ですが、粘着力が弱く剥がしやすいため、壁や家具の保護に大活躍します。
マスキングテープを貼った上に強力な両面テープを重ねてリメイクシートや軽い棚を固定すれば、退去時にはマスキングテープごと剥がすだけで済みます。
最近では、最初から「賃貸用」として売られている、きれいに剥がせる専用の両面テープもホームセンターで手に入ります。
賃貸の強い味方「ディアウォール・ラブリコ」
「ディアウォール」や「ラブリコ」とは、ホームセンターで数百円で買える2×4(ツーバイフォー)材という規格木材の上下に取り付け、床と天井の間を突っ張って柱をつくれる便利なパーツです。
壁に釘を打てない賃貸でも、この柱にならネジを打ったり棚受けを取り付けたりできるため、本格的な壁面収納やスパイスラックを安全に自作できます。
木材のカットはホームセンターのサービスを利用すれば、自宅でのノコギリ作業も不要です。
汚れ防止にもなる「床用クッションフロア」
キッチンの床の汚れや古さが気になる場合は、「クッションフロア」を敷くのがおすすめです。
クッションフロアとは、塩化ビニール素材のシート状の床材で、水や油はねをサッと拭き取れるためキッチンの床に最適です。
既存の床の上から敷き、端をマスキングテープと両面テープで固定するだけなので、大掛かりな作業は必要ありません。
テラコッタ柄やアンティークウッド柄などを選べば、足元から雰囲気をガラリと変えられます。
DIYが面倒・失敗が怖いなら「理想のキッチンがある物件」へ引越すのもアリ
ここまで賃貸キッチンを使いやすくするDIYアイデアを紹介してきましたが、「不器用だから自分でつくるのはハードルが高い」「材料をそろえたり作業したりする時間がない」と感じる方もいるでしょう。
その場合は、無理にDIYに挑戦するのではなく、最初から「理想のキッチンが備わっている物件」や「自由に手を入れてもいい物件」を探して引越すのも賢い選択です。
思い切り自分好みにできる「カスタマイズ可(DIY可)賃貸物件」
「原状回復を気にしながら作業するのはストレス」という方には、「カスタマイズ可(DIY可)」の賃貸物件がおすすめです。
カスタマイズ可物件とは、通常の賃貸物件とは異なり、借主が間取りや設備などをルールの範囲内で自由に変えることができ、事前に承認を得た部分については退去時の原状回復義務が免除される物件のことです。
壁紙の変更や棚の造作などを気兼ねなく行えるため、本格的なDIYを楽しみたい方にぴったりです。LIFULL HOME’Sでは、こうしたカスタマイズ可能な物件を絞り込んで検索することができます。
カスタマイズ可の物件
最初から設備が充実「カウンターキッチン、システムキッチン付き物件」
「DIYは一切せずに、広くて使いやすいキッチンですぐに料理を楽しみたい」という方は、希望のキッチン設備が最初から整っている物件を選びましょう。
たとえば、ダイニングを向いて料理ができる「カウンターキッチン」や、コンロとシンクが一体化していて掃除がしやすい「システムキッチン」が備わったお部屋なら、収納力や作業スペースの確保に悩むことはありません。
毎日の自炊が楽しくなるような、設備充実の物件を探してみてはいかがでしょうか。
カウンターキッチン付き物件 システムキッチンのある物件
まとめ:ルールを守って、賃貸でもおしゃれで使いやすいキッチンを
賃貸のキッチン選びやDIYのポイントをまとめます。
- 初めての一人暮らしでは、キッチンの狭さや収納不足で自炊を挫折しがち。
- DIYを行う際は「原状回復」が大原則。釘や接着剤の使用は避け、マスキングテープや突っ張り棒を活用する。
- リメイクシートや有孔ボード、カラーボックスを使えば、狭いキッチンでも収納力とデザイン性を向上できる。
- DIYが難しい場合や不安な場合は、「カスタマイズ可物件」や「システムキッチン・カウンターキッチン付き物件」への引越しを検討するのもひとつの手。
賃貸物件であっても、工夫次第で理想のキッチンに近づけることは可能です。
自分のライフスタイルやDIYのスキルに合わせて、無理のない範囲で使いやすくおしゃれなキッチンを実現してください。
よくある質問
Q.1 賃貸のキッチンでDIYをしても大丈夫ですか?
A.1 退去時に元通りに戻せる「原状回復」の範囲内であればDIY可能です。壁に釘やネジの穴を開けたり、備え付けの設備に直接ペンキを塗ったりすると修繕費を請求されるおそれがあるため、傷や跡が残らない方法を選びましょう。
Q.2 賃貸のDIYで失敗しないためのコツはありますか?
A.2 両面テープを使用する際は、下地にマスキングテープを貼ってから重ねて貼ることで、剥がす際の糊残りを防げます。また、作業前にはキッチンの元の状態を写真に撮っておくと、退去時のトラブル防止に役立ちます。
Q.3 狭いキッチンの収納を増やすにはどうすればいいですか?
A.3 突っ張り棒と有孔ボード(ペグボード)を組み合わせることで、壁面を傷つけずに調理器具や調味料の収納スペースを作れます。カラーボックスを作業台兼収納カウンターにするのもおすすめです。
Q.4 キッチンの扉や壁の色を変えたい場合はどうしますか?
A.4 貼って剥がせる「リメイクシート」を活用するのが便利です。木目調やレンガ調などデザインも豊富で、扉や壁に貼るだけで簡単におしゃれなカフェ風キッチンにイメージチェンジできます。
Q.5 どうしてもDIYが面倒な場合はどうすればいいですか?
A.5 最初からDIYが許可されている「カスタマイズ可(DIY可)物件」や、収納や作業スペースが充実した「カウンターキッチン・システムキッチン付き物件」を探して引越すのも賢い選択です。
更新日: / 公開日:2020.11.18










