賃貸物件を探すとき、特に人気の高い条件のひとつが「バス・トイレ別」です。
バス・トイレ別が人気とされるのには、どのような理由が関係しているのでしょうか。今回はバス・トイレ別の物件のメリットやデメリット、探し方のポイントについて解説します。
バス・トイレ別の物件
こだわり条件1位! バス・トイレ別が人気の理由とは?

LIFULL HOME’Sが独自に調査した人気の設備・条件ランキング(2021年)では、こだわり条件のなかでもっとも人気を集めたのが「バス・トイレ別」でした。
トップ5には「2階以上」「駐車場あり」「エアコン付き」「ペット相談可」がランクインしましたが、それら条件よりもバス・トイレ別を優先する人が多いという結果になりました。
アンケート結果によれば、バス・トイレ別の物件を選んだ人の意見には以下のようなものが挙がっています。
「バス・トイレ別」の物件を選んだ理由
- 「湿気対策が必要ないから」
- 「床やトイレットペーパーがぬれずに済む」
- 「トイレにトイレ用品を置ける」
これらは、いずれも積極的なメリットというよりも、バス・トイレ一体型のデメリットを感じなくて済むといった側面も強いといえます。
また、「湯船に浸かりやすい」「来客時にも安心してトイレを貸せる」「収納スペースが設けられている」といった点も人気の理由のようです。
ユニットバスとは何か?

バス・トイレの設備について、よく生まれがちな誤解として「バス・トイレ一体型=ユニットバス」というものが挙げられます。しかし、ユニットバスは、ただ単にバスとトイレが一緒になったつくりを指す言葉ではありません。
ユニットバスとは、あらかじめ工場で製造した床、壁、天井を現場で組み立てた浴室のことであり、あくまで工法を指す言葉です。
そのため、仮に浴室が独立していても、浴槽と床、壁、天井が一体になっていれば、ユニットバスと呼ばれます。現在の一戸建てやマンションでは、特注をしない限り、ほとんどがユニットバスとなります。
なお、浴室が独立しているものは「1点ユニットバス」、浴室と洗面台が同室になっているものは「2点ユニットバス」、トイレもあるものは「3点ユニットバス」と呼ばれています。
家賃を抑えられる「3点ユニットバス」

お風呂とトイレ、洗面台が一緒になったものは「3点ユニットバス」と呼ばれており、一般的にユニットバスとしてイメージされやすいのもこのタイプです。
建築コストを抑えられるため、家賃が安くなりやすいのが大きな特徴である一方、トイレが独立していない点がデメリットとなります。
トイレが独立している「2点ユニットバス」

「2点ユニットバス」は、3点ユニットバスからトイレが独立したものを指します。そのため、お風呂とトイレが別室にあるというだけで十分なのであれば、2点ユニットバスが採用された物件を選ぶのもひとつの方法です。
独立洗面台がない分だけ家賃を抑えられるため、バス・トイレ別の物件を探すうえでは有効な選択肢だといえます。
検索条件などでユニットバスを選択肢から外してしまうと、2点ユニットバスまで除外することとなるため注意しておきましょう。
バス・トイレ別の物件
バス・トイレ別のメリット

バス・トイレ別の物件には、以下のようなメリットがあります。
メリット
- 浴室の洗い場を広く使える
- 水回りの収納スペースが広い
- 同棲や友人を招いているときでもトイレを使いやすい
- 入浴時にトイレのニオイが気にならない
- 便器やトイレットペーパーがぬれない
- 温水洗浄(暖房)便座付きなどの設備が選べる
浴室の洗い場を広く使える
バス・トイレ別の大きなメリットは、浴室の洗い場を広く使える点にあります。
バス・トイレ一体型の3点ユニットの場合、洗い場にあたる部分に便器が設置されるので、浴槽の中で身体を洗うこととなり、窮屈に感じられてしまう面もあります。
水回りの収納スペースが広い
独立した浴室であれば、広い収納スペースが確保できるといった魅力もあります。
洗い場のスペースにシャンプーやせっけんなどのアイテムを置けるため、バス・トイレ一体型のものと比べると、収納に頭を悩ませるケースは少ないでしょう。
同棲や友人を招いているときでもトイレを使いやすい
3点ユニットでは、自分がお風呂に入っている間、ほかの人がトイレを使いづらくなります。また、入浴後もしばらくの間、湿気がこもってしまいます。
バス・トイレ別なら、問題なくトイレを貸し出せるので、人を招きやすくなるのがメリットです。
入浴時にトイレのニオイが気にならない
3点ユニットの場合、トイレの使用直後は浴室全体にニオイがこもりやすいです。バス・トイレ別であれば、トイレのニオイを気にせずに浴室を使うことができます。
便器やトイレットペーパーがぬれない
浴室とトイレが分離されているので、トイレ用品がぬれないのもメリットです。
バス・トイレが一緒の場合でも、シャワーカーテンをつけることで直接的なしぶきがあたるのは防げますが、湿気による影響はどうしても受けてしまいます。
温水洗浄(暖房)便座付きなどの設備が選べる
3点ユニットの場合は、温水洗浄便座付きトイレは少ないです。
3点ユニットの規格に合う製品が少ないのに加えて、湿度の影響で故障するリスクがあるので、そもそもコンセント自体設置されないケースがほとんどです。
バス・トイレ別であれば、温水洗浄便座付きの物件も探せるので、こだわりたい人は3点ユニット以外で探しましょう。
バス・トイレ別のデメリット

バス・トイレ別のデメリットとしては、以下のような項目が挙げられます。
デメリット
- 家賃が高くなる
- 同じ専有面積の場合、バス・トイレ以外の居住スペースが狭くなる
- 掃除の手間が増える
バス・トイレ別の物件は、3点ユニットを導入するケースと比べて施工費用が高くなります。そのため、同じ条件下であれば、バス・トイレ別の方が家賃は高い傾向にあります。
また、バスとトイレを別々に確保する必要があるので、同じ専有面積であれば、3点ユニットの方が居住スペースを広くとれます。
トイレとバスが分離されている分、掃除をする範囲が広くなるのもデメリットです。
3点ユニットなら、シャワーを使ってバスもトイレもまとめて掃除することが可能なので、メンテナンスは楽だと感じる場合があります。
バス・トイレ別の物件
理想的な物件を探すためのポイント

バス・トイレ別の物件は、比較的簡単に見つけることができます。
たとえば、LIFULL HOME’Sで東京23区の物件を検索すると、2022年11月時点では全22万969件中、8割近くにあたる17万4,496件がバス・トイレ別となりました。
LIFULL HOME’Sではバス・トイレ別を含めてさまざまな条件を細かく指定できるので、まずは自分の理想に合った条件を明確に設定することが大切です。
ひとまずバス・トイレ別だけは絶対条件にして、幅広く物件を探したい」といった場合は、「バス(お風呂)・トイレ別の物件」のページがおすすめです。
エリア別にバス・トイレ別物件の情報をまとめて調べられるので、そのなかで気に入った部屋をピックアップしていくと、理想の物件をスムーズに見つけることができます。
まとめ

- バス・トイレ別は賃貸物件の条件でも特に人気が高い
- 「ユニットバス=バス・トイレ一体型」ではないので、誤解がないように注意する
- バス・トイレ別はトイレの湿気対策が必要なく、洗い場を広く使えるのがメリット
- 3点ユニットと比べて家賃が高い、掃除の手間がかかるのがデメリット
- LIFULL HOME’Sのバス(お風呂)・トイレ別の物件ページから部屋探しをすると便利
バス・トイレ別の物件
更新日: / 公開日:2020.07.29










