現地限定採用を除き、一般企業の会社員・公務員を問わず避けられないのが“転勤”です。転勤の内示があった場合、どのように事態が進んでいくのか分からないという転勤未経験者の方も多いでしょう。
すでに何度か転勤を経験しているという人も、転勤の辞令が下りる前に準備しておきたい内容を押さえておくと安心です。今回は、転勤についてのさまざまなお役立ち情報をお伝えします。
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転勤の時期は企業によって異なる

転勤の時期について、国で定められた決まりは特にありません。転勤の時期は、あくまでも各企業独自の経営判断に基づいて行われるものです。
そのため、入社何年目で転勤になるのか、何月に転勤が多いのかという点についても、企業それぞれの体制や業種、規模、業績などによって異なります。
一般企業の転勤は決算時期が多い
一般的に日本の企業では、決算の時期に転勤の辞令が出されることが多いです。
国税庁によると、2017(平成29)年度における“年1回決算の普通法人数”では、3月・9月に決算期を迎える一般企業が多いことが分かります。
この場合、4月1日や10月1日を着任日とする転勤が多くなるのです。
年1回決算の普通法人数(平成29年度) | |||
区分 | 申告法人数 | 区分 | 申告法人数 |
4月 | 19万515社 | 10月 | 12万7,901社 |
5月 | 22万1,876社 | 11月 | 9万6,515社 |
6月 | 26万1,993社 | 12月 | 27万5,404社 |
7月 | 20万4,854社 | 1月 | 9万7,385社社 |
8月 | 23万5,653社 | 2月 | 18万27社 |
9月 | 29万2,541社 | 3月 | 51万1,904社 |
合計 2,69万6,568社 | |||
参照:平成29年度2直接税「決算期別の普通法人数」|国税庁
公務員の転勤は4月が多い
公務員は業種によりますが、人事異動(転勤)が比較的多い職種だといえます。
公務員の持つ特性により、透明性の維持や職員の家庭事情などを考慮する目的で、2~3年に1回の転勤となることも多いのです。そして、中でも公務員の転勤が多い時期は4月となっています。
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内示を受ける時期は転勤の2週間前~1ヶ月前が多い

転勤の辞令はいきなり下されるものではなく、事前に“内示”という形式で、上司から本人に転勤の決定が伝えられます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、国内転勤の場合、転勤前の打診時期別では「2週間超~1ヶ月前」が34.9%と最も高い結果となりました。
その次は「1ヶ月超~2ヶ月前」32.5%、「1週間前超~2週間前」13.3%と続いています。
転勤前の打診時期(国内転勤) | |
・1日~1週間前 | 8.2% |
・1週間超~2週間前 | 13.3% |
・2週間超~1ヶ月前 | 34.9% |
・1ヶ月超~2ヶ月前 | 32.5% |
・2ヶ月超~3ヶ月前 | 7.6% |
・3ヶ月より前 | 3.6% |
合計 | 100% |
参照:「企業の転勤の実態に関する調査(2016年8月~9月実施)」|独立行政法人労働政策研究・研修機構
この調査で使われた“打診”、は“内示”の前段階ということになりますので、実際に内示を受ける時期はもう少し直前になる可能性もあります。
転勤を拒否する場合は理由とタイミングが大切
転勤があることを分かったうえで入社したものの、人生にはさまざまな節目がありますので、事情により転勤の話を受けたくない・受けるのが難しいという事態になることもあるかもしれません。
ところが日本の企業では、転勤は基本的に拒否できません。なぜなら転勤の辞令は“業務命令”となるためです。
かたくなに拒否し続けると、“降格”や最悪は“解雇”などの懲戒処分が下される可能性もあります。
転勤を拒否するには正当な理由が必要
もし転勤を断る場合は、“親が要介護のため別居が難しい”“妻もしくは子どもが重い病気を患っている”など、正当な理由を述べる必要があります。
このようなやむを得ない事情を会社へ訴えても、必ず希望が通るとは限りませんが、考慮してもらったうえでの判断が下されることになるでしょう。
転勤を拒否するタイミングは内示を受ける前
転勤の辞令を受ける前に内示、そしてさらにその前には上司から打診を受けるのが一般的です。
打診は相談や口約束という形でなされますので、もし断りたい場合はこの“打診を受けたとき”がタイミングとなります。
このときに上司への返事を曖昧にしておくと、内示・辞令と話が進んでいく可能性があるのでご注意ください。
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転勤の辞令が下るまでに準備しておくべき4つのこと

転勤の内示を受けたあとは、実際に引越しをするまで1ヶ月ほどしかない場合が多いです。そして、辞令は異動直前となることを考えると、辞令が下りるまでの間に以下の作業をできる限り進めておくといいでしょう。
物件探し
会社の借り上げアパートや社宅がある場合を除き、新居探しはすぐにでも始めましょう。全国的に引越しのハイシーズンとなる3月は、人気のある物件からどんどん埋まっていってしまいます。
転勤となると時間に余裕がない場合が多く、物件探しのために転勤先のエリアへ直接行けない可能性も高いです。
オンライン内見サービスを活用
そんなときは、LIFULL HOME’Sのオンライン内見サービスを活用しましょう。オンライン内見とは、その名のとおりオンライン上で内見、つまり物件見学ができるサービスのことです。
実際に不動産会社のスタッフが入居予定者の希望するアパートやマンションに行き、ビデオ通話を介して部屋を紹介してくれるので、リアルタイムで確認したいところや聞きたいことを質問できます。
隙間時間で利用することができ、さらに無料のため、現地に足を運ぶことが難しい方などにとっては非常に便利なサービスです。
物件探しのコツ
物件探しのコツは、勤務地の近くで通勤に不便がないエリアから始めることです。
単身赴任になる、家族で引越すなど、住む人数によって間取りと広さを決めて物件を絞り、インターネットで家賃相場を確認しながら進めていきます。
近くの買い物環境がどの程度整っているかという点も確認したいところです。また、ファミリー世帯の場合は、学校までの距離や周辺の治安にも注意してください。
現地へ行けない場合は、「まちむすび」といったサイトで口コミ情報も参考にするといいでしょう。
引越し準備
会社からの業務命令で転勤するわけですので、引越し費用については会社負担となることがほとんどでしょう。
転勤は急な出来事ですので、梱包も含めて会社が費用を出してくれることが多いです。引越し費用の見積もりは自分で取ることになります。
そこで引越し会社を探すわけですが、引越し費用は時期・荷物の量・移動距離などによって大きく変わります。
特に3月・9月のハイシーズンでは見積もりの予約すら取るのが大変ですので、早めに動くことがポイントです。料金も他の時期と比べて高くなりますので、何社かで相見積もりを取るのがベストでしょう。
これを踏まえて便利なのが、インターネットでの引越し費用比較サイトの利用です。複数の会社に一括で見積もりを依頼できるので、引越し費用の相場がどのくらいなのか把握できます。
その中で予算や日程が合う会社を探し、予約の連絡をしましょう。
業務の引き継ぎ
今まで担当していた業務を後任者へ引き継ぐための作業をします。後任者があとで困らないように、分かりやすく引き継ぎをすることが大切です。
異動先では自分が引き継ぎを受ける立場になりますので、そのときのことを予想して引き継ぎ作業を行うといいでしょう。
転勤先の情報収集
転勤先の業務内容はもちろんのこと、事前に職場の雰囲気が少しでも分かれば不安も減ります。現在勤務している部署に、これから転勤する予定の場所に以前いた人がいれば、いろいろと情報を教えてもらいましょう。
引越し当日の前後はバタバタしますので、初日に遅刻しないように、新しい職場への道のりも早めに確認しておくことが大切です。
まとめ
日本では3月末・9月末を決算期とする企業が多く、転勤が多くなるのもこの時期です。公務員は4月に異動が多くなります。
上司から転勤の打診を受けた場合は、これからの予定を頭の中でシミュレーションし、物件探しや引越し会社探しをできるだけ早く行うようにしましょう。
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更新日: / 公開日:2020.05.12










