一般的に、ほとんどの人が「一人暮らし」と聞いてイメージするものは、アパートやマンションでの生活ではないでしょうか。しかし、一戸建てでの一人暮らしも可能であり、集合住宅にはない魅力があるのも確かです。
この記事では、一戸建て住宅の特徴や物件探しで心がけておきたいポイントについて解説します。
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一人暮らしで一戸建てに住むメリット

一戸建てに住むメリットは、集合住宅に比べて自由度が高いという点にあります。自分のライフスタイルに合わせて快適な環境をつくりやすく、選択肢の多さが魅力です。
専有面積が広い
一戸建ては、一般的に集合住宅と比べて専有面積が広く、一人暮らしには十分なスペースが確保されている点が特徴です。
部屋数や間取りを自分の好みに合わせて選択するなかで、快適な暮らしが実現できます。
部屋数にゆとりがあるため、生活スペースとは別に仕事用の部屋や趣味に没頭するための部屋を確保するなど、柔軟な使い方が可能です。
収納場所が多い
スペースにゆとりがあれば、一部屋を丸ごとウォークインクローゼットや物置として使用することも可能です。
自宅の狭さを理由に服を処分したり、大きめの家具の購入を制限したりする必要がなく、イメージどおりの住環境を実現しやすいでしょう。
また、災害用の備品をまとめて保存しておくこともできるため、万が一の事態にも安心して備えられます。
ペットの飼育や楽器演奏などがしやすい
一戸建てに暮らす魅力の一つとして、集合住宅と比べてルールが緩和されやすい点が挙げられます。
一戸建ての賃貸物件には、ペットの飼育や楽器の演奏が許可されているところも多いので、集合住宅に比べて幅広いライフスタイルに適応できます。
庭や駐車場が付いていることが多い
一戸建てには、庭付きの物件も多くあります。庭はガーデニングを楽しんだり、ちょっとしたカフェテラスにしたりと、さまざまな活用方法があるのが魅力です。
また、駐車場付きの物件も多く、普段から自家用車を利用する人にとっては大きなメリットといえます。
敷地内に車を駐車できるため、別に駐車場を借りる場合などと比べて、料金面はもちろん、車上荒らしや盗難のリスクが減るのもうれしい一面です。
一人暮らしで一戸建てに住むデメリット

一戸建てでの一人暮らしは、幅広いスペースを自由につかえるというメリットがある一方で、デメリットもあります。
家賃が高い
築年数やエリアによって変わってくるものの、一戸建ては専有面積が広くなる分、マンションやアパートなどの集合住宅よりも家賃が割高になります。
また、居住スペースが広ければ、それだけ光熱費もかさんでしまうので、毎月の支出管理は集合住宅以上に意識する必要があります。
掃除や管理が面倒
一戸建ての場合は、部屋数が多い分、掃除の手間が増えます。庭や駐車場が付いていたり、部屋が広かったりというメリットは、メンテナンスの手間やコストがかかるというデメリットにもなるのです。
近所付き合いが必要になるケースが多い
多数の世帯が入居しているマンションと比べて、一戸建ての場合は近隣の世帯数が少ないため、顔なじみになりやすいという特徴があります。
近所の人と親密な関係になることで、万が一の災害時に協力できたり、防犯の観点から安心感を持てたりするというメリットがあります。
その一方で、賃貸であっても、持ち家と同様に町内会への参加などを頼まれる可能性があります。
住む地域や年齢層、家族構成によって異なるとはいえ、ある程度の近所付き合いは欠かせないと考えておくといいでしょう。
駅から遠い物件が多い
駅近などの利便性の高いエリアに建てられることが多いマンションとは異なり、一戸建ては駅から離れた住宅街に建てられることも多いです。
車での通勤や自宅で仕事をしている場合は影響がないものの、電車を利用しての通勤や通学の際には、不便に感じる可能性があります。
また、通勤の問題がなかったとしても、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが近隣にない場合、生活用品の購入に手間がかかる場合もあります。
日々の暮らしにおいて不自由さを感じないか、実際の生活をイメージしながら物件を選びましょう。
定期借家のケースに注意が必要
「定期借家」とは、契約の更新ができず、期間が満了した段階で退去しなければならない物件のことです。
多くの賃貸物件では、入居者が希望する限りは原則として何度でも更新ができる「普通借家契約」が用いられますが、一戸建てでは定期借家契約が用いられるケースも多いです。
なぜなら、初めから賃貸専用に建てられるアパートなどと比べると、一戸建てには本来オーナーが自分で住むために購入されている物件も多いためです。
たとえば、「オーナーが海外転勤の間だけ貸し出す」といった場合、契約期間が満了したら確実に退去してもらえる定期借家契約が用いられることとなります。
定期借家はいくら住み心地がよく、ずっと住みたいと考えても、いずれは退去しなければいけません。オーナーとの交渉次第で再契約を結べる可能性はあるものの、必ずしも認めてもらえるとは限りません。
定期借家かどうかは物件情報に記載されているので、長く住める物件を探したいときには、はじめからそれ以外の候補を見つけましょう。
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一戸建てでの一人暮らしに向いている人の特徴

収入にある程度のゆとりがある
前述のように、一戸建ては集合住宅に比べて家賃や光熱費が高い傾向があるので、ある程度収入にゆとりがある人の方が安心して借りられます。
メンテナンスや管理が苦にならない
デメリットで述べたように、一戸建ては管理や掃除の手間がかかるので、メンテナンスをあまり面倒に感じない人の方が向いています。特に、庭付きの一戸建ての場合は、より手間がかかります。
友人を招きたい
一戸建ては集合住宅よりも広さにゆとりがあるので、友人とのパーティーや食事会などを気兼ねなく楽しめるのがメリットです。部屋数に余裕があれば、客室を用意することもできます。
ペットと一緒に暮らしたい
集合住宅と比べて、一戸建てはペットの飼育がしやすい環境といえます。
鳴き声による騒音トラブル、共用部分の使い方による近隣トラブルといったリスクを避けられるので、気兼ねなくペットと一緒に生活することができます。
同棲や結婚をしても住み続ける予定
広さのある一戸建ては、将来的な結婚や同棲を検討している人にも向いています。将来的な引越しの手間や費用を抑えられるというメリットがあります。
広い庭やガレージが必要な趣味を持っている
ガーデニングや家庭菜園、DIYといった趣味を持っている人は、規約上問題なければ一戸建ての庭やガレージを有効に活用できます。
近隣への配慮が必要ではありますが、集合住宅ほどは気をつかわずに、趣味を楽しむ時間を確保できるでしょう。
賃貸一戸建てを選ぶ際にチェックしたいポイント

一戸建ての賃貸物件を選ぶときには、通常よりも多くのポイントに目を向ける必要があります。
ここでは、物件探しで心がけておきたいチェックポイントを6つに分けて解説します。
1. 築年数、耐震性
築年数が古いと耐震性に問題がある可能性があります。気になる場合は、一つの目安として2000年以降に建てられた一戸建てを選ぶといいでしょう。
その理由には、大きく分けて2つの建築基準法の改正が関係しています。一つ目は1981年に施行された新耐震基準(震度6強~7程度の揺れに耐えられる構造)です。
そして、もう一つが2000年に行われた建築基準法の改正です。
こちらは主に木造住宅の建て方に関する内容であり、金物が細かく指定されたり、耐力壁の配置バランスが規定されたりと、一戸建ての耐震性が強化された重要な転機となっています。
2. 家賃
先ほど触れたように、一戸建ては集合住宅よりも家賃が割高になり、メンテナンスコストもかかります。
あらかじめ余裕のある資金計画を立てて、家賃の目安としては「手取りの3分の1」以内の金額に収まるようにしましょう。
3. 契約形態
デメリットでも解説しましたが、一戸建ての物件の中には、定期借家契約のものも多くあります。
定期借家契約では更新ができず、借りられる期間があらかじめ決まっているので、長く借りるのであれば普通借家契約が結べる物件を探す必要があります。
4. 広さ、間取り
一戸建てでの一人暮らしには、自由度の高い生活を送れるというメリットがある一方で、スペースを持て余してしまう可能性もあります。
自分の日々の生活を振り返って、事前に必要な広さと間取りを決めておくことが重要です。
たとえば、収納スペースの有無によっても、必要な部屋の数は変わってきます。部屋の間取り図にきちんと目を通したうえで、実際に内見をして広さや間取りを細かくチェックしましょう。
5. 設備
広さや間取りと同様に、内見時には部屋の設備も確認しておきましょう。たとえば、複数の部屋がある場合は、各部屋にエアコンがついているかどうかを確認しておくことが大切です。
また、築年数が経過している物件であれば、インターホンや水回りの設備、窓や各種扉などの動作確認も行いましょう。
6. 日当たり
日当たりは快適な生活環境を手に入れるうえで、重要な条件の一つです。日当たりが悪いと、湿気がこもりやすくなったり、冬場の暖房費がかさんでしまったりするなどのデメリットが生じます。
一戸建ての場合、特に1階部分は周辺の環境によっては十分な採光を確保できない場合もあるため、内見のタイミングで実際の状況を確認しておくことが重要です。
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一人暮らしにピッタリ? 平屋の魅力とは

一人暮らしで一戸建てを借りるのであれば、ワンフロアの平屋にも目を向けてみるといいでしょう。ここでは、平屋のメリットやデメリットを解説します。
平屋のメリット
平屋に住む最大のメリットは、ワンフロアに必要な設備が集約されている点にあります。階段の上り下りが必要ないため、生活動線が効率的になって掃除や管理もしやすく、冷暖房効率にも優れます。
さらに、平屋は2階建てや3階建てと比べて構造的に安定しており、耐震性に優れているのも大きな魅力です。
また、すべての生活スペースが1階にあるので、各部屋と庭とのつながりを楽しめるのも、平屋ならではの魅力といえます。
平屋のデメリット
平屋は生活スペースが1階部分のみなので、周辺の立地環境によっては、日当たりや風通しが悪くなる可能性もあります。
特に都市部などの住宅が密集しやすいエリアでは、周囲の建物に自然光がさえぎられてしまうことも少なくないので、内見時に確認しておきましょう。
まとめ

- 一戸建てで一人暮らしをする最大のメリットは、集合住宅に比べて比較的自由に生活できること
- 家賃や管理の手間がかかることが、一戸建てで一人暮らしをする際のデメリット
- 収入にゆとりがある人や掃除を面倒に感じない人が、一戸建てでの一人暮らしに向いている
- 暮らし始める前に、家賃や耐震性について確認しておく
- 一人暮らしであれば、平屋に住むというのも選択肢の一つ
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更新日: / 公開日:2019.02.18










