一人暮らしで部屋を借りるとき、1Kとワンルーム以外はどうせ高くて住めないと思って、他の間取りを諦めていませんか。
実は、そこに“2K”という選択肢を加えることで、思いがけずお得な物件に出会える可能性が広がります。
2Kの家賃は、1Kやワンルームとほとんど変わらなかったり、それどころか新築の1Kやワンルームと比べた場合には安いことさえあります。
ここでは「なぜ2Kが狙い目なのか」を説明します。
2Kの物件
2Kってどんな間取り?

2Kとは、2つの部屋+キッチンスペースがある間取りになります。
単純に、1Kにもう1部屋くっついた間取りと考えると分かりやすいでしょう。
その他の間取りについては、下の図でおさらいしましょう。

| 間取り | 意味 |
| K | (部屋)数+キッチンの略(1K・2Kなど) |
| DK | (部屋)数+ダイニングキッチンの略 |
| LDK | (部屋)数+リビングダイニングキッチンの略 |
2Kはなぜ安い? ポイントは“間取りの流行”
冒頭で、2Kの家賃は1Kやワンルームとほとんど変わらない場合や、新築の1Kやワンルームと比べると、むしろ2Kの部屋の方が安いことがあるとお伝えしました。
では、なぜ2Kは割安なのか。答えは、間取りの流行にあります。
| 年代 | 間取り | 時代や生活のトピック |
| ~1950年代 | 2K | 第二次世界大戦 |
| 1950~60年代 | 2DK | 高度経済成長、公営住宅の建設、食寝分離の考え |
| 1960年代~ | 2LDK,3LDK | 家族での住まい方の変化 |
| 1970年代~ | ワンルーム | 一人暮らしという住まい方 |
例えば、1950〜60年代ごろのファミリータイプの主流は2DKでした。
そもそも「●DK」という間取りは、寝る場所と食べる場所を分ける食寝分離の考えのもと、戦後に確立されたスタイルです。
戦後の住宅不足により、大量に公共住宅、とりわけ2DKの間取りの部屋が多くつくられた結果、2DKは普及しました。
しかし、その後、今のファミリータイプの中心である2LDKや3LDKに取って代わられ、現在では築年数の新しい2DKの部屋は少なくなっています。
そして、その2DKよりさらに古い間取りが2Kです。
2Kは設備や内装が古い傾向
2Kが多く供給されていた時代は、まだ「ダイニングキッチン」という概念が広まっておらず、ひとつの部屋で食事も睡眠もしていました。
現在では少なくなりましたが、ちゃぶ台を置いた和室で食事をし、夜はちゃぶ台を片付けて布団を敷いて寝るようなイメージの部屋といえば、ピンとくる方もいるかもしれません。
2DKと同様、古い間取りである2Kの部屋の設備や内装は、当時の暮らしに合わせたものなので古い傾向にあります。
対して、ワンルームの登場は1970年代ごろと言われており、仕様は比較的現代の生活に合いやすいものになっていることが多いといえます。
そのため、より新しい仕様のワンルームなどと比較すると、2Kの部屋は家賃が安く抑えられていることがあるのです。
知らずに見逃している?
また、インターネットが普及した現在、部屋を探すときには住宅情報サイトで間取りを指定して検索することが多いのではないでしょうか。
一人暮らしだからといって、ワンルームや1Kに絞って検索すると、当然2Kの部屋は目に触れることがありません。
その結果、条件の良い部屋であっても気付かれずに残っている可能性があります。こうした事情も、2Kの家賃が安い理由のひとつかもしれません。
2Kの物件実際の相場チェック!
実際の家賃相場(※)をチェックしてみると、たとえば東京都内「巣鴨駅」では、以下のような違いがありました。
家賃平均:10万3,600円
(間取り別)
・ワンルーム:9万4,700円
・1K:9万8,300円
・2K:8万6,500円
※ 2024年7月22日時点「LIFULL HOME’S」マンション・アパート・一戸建ての相場表参照(https://www.homes.co.jp/chintai/tokyo/sugamo_00585-st/price/)
JR山手線と都営三田線が利用でき、交通の便のよい巣鴨駅。ワンルームと2Kの家賃相場には、無視できない大きな差があります。
このように、家賃だけで考えると、2Kの部屋が断然お得なケースも。
2Kのデメリット
このように家賃の面では、お得な場合が多い2Kですが、その分デメリットがあることも知っておきましょう。
まず、先にも挙げた通り、築年数が経過していることが多いです。そのため、以下のような部屋も多く、設備や内装に古さが感じられることは否めません。
・部屋が畳の和室
・トイレが和式
・お風呂がバランス釜(浴槽の横に給湯器が設置された風呂釜)
・洗濯機が外置き
ただ、間取りは2Kのまま、設備を新しくリフォームしている場合もあるので、そういった物件を探してみるのも良いかもしれません。
2Kという選択肢で可能性は広がる
地域によっては、2Kの物件がほとんどない場合もあります。そのため、住みたい場所がすでに決まっていても、2Kを選べないこともあります。
こういった特徴を理解したうえで、一人暮らしをできるだけ安く、広めの部屋を探したいという人は、ワンルームや1K以外に2Kという選択肢を考えてみるのもひとつの手かもしれません。
2Kの物件更新日: / 公開日:2018.12.11










