広めのワンルームが「向く人・向かない人」の分かれ目
広さは魅力ですが、部屋を仕切る壁がない分、冷暖房や視線、においの扱いで差が出ます。1Kや1DKと何が違うのかを表で比べ、自分の暮らし方に合う間取りを選ぶ目安を示します。まず「広め」の物件がどんな雰囲気か知りたい方は、▶ LIFULL HOME'Sで広めのワンルームの物件を見てみるのもひとつの方法です。
部屋を「寝る・食べる・くつろぐ・働く」の場所に分けるコツ
壁がない一つの空間でも、家具や敷物で場所ごとに区切ると、ぐっと暮らしやすくなります。開放感を損なわずに、寝る場所や台所を程よく隠す方法を、道具別の比較表でご紹介します。
内見で失敗しないためのチェックポイント
同じ広さでも、部屋の形や玄関・水まわりの位置で使い勝手は大きく変わります。図面を見る段階と内見当日に分けて、家具を置きやすいかを見抜くチェックリストを用意しました。メジャーで測りたい項目もまとめています。

広めのワンルームに惹かれる理由は、人それぞれだと思います。「壁のない一つの空間で、のびのび暮らしたい」「ベッドとソファを離して置きたい」。そんな期待を持って物件情報を眺めていたのに、ふと不安がよぎることはありませんか。

広いのはうれしいけれど、冷暖房は効くのかな。玄関を開けたら部屋が丸見えにならないかな。1Kのほうが無難なのかな。

仕切りのない間取りは、暮らしの自由度が高い反面、使い方を間違えると「なんとなく落ち着かない部屋」になりがちです。逆にいえば、広さの活かし方を先に決めておくだけで、同じ広さでも満足度は大きく変わります。この記事では、広めのワンルームの特徴を整理したうえで、見落とされやすい落とし穴、部屋の区切り方、1K・1DKとの選び分け、そして内見で確かめたいポイントを順にご紹介します。
広めのワンルーム物件を探すワンルームの物件を探す

ワンルーム(1R)は、寝起きする部屋と台所の間にドアや壁がなく、玄関から部屋までがひと続きになっている間取りです。トイレや浴室を除けば、部屋を区切るものはありません。この造りは狭い部屋でも広い部屋でも同じですが、広くなるにつれて、住み心地を左右する要素の重みが変わっていきます。

 

広さが限られた部屋では、ベッドを置けばほぼ空間が埋まり、家具の置き場所に選択肢はあまりありません。ところが広めのワンルームでは、寝る場所とくつろぐ場所を離す、台所の前に空間をあけるといった「置き方の選択肢」が生まれます。選べることが増えるのは自由ですが、その分、自分で暮らし方を考える必要も出てきます。

 

なお、広めのワンルームは、スタジオタイプと呼ばれることもあります。呼び方や基準は不動産会社や物件によって異なるため、広告の表記だけで判断せず、部屋の広さと間取り図を見て確認するのが確実です。

不動産広告では、1畳=1.62㎡以上で表示するルールが定められています(出典:LIFULL HOME’S 住まいのお役立ち情報「10畳のワンルームはどんな間取りになる?」)。この換算で計算すると、25㎡は約15.4畳、30㎡は約18.5畳、40㎡は約24.7畳にあたります。

 

広さの目安として参考になるのが、国土交通省の「住生活基本計画」で示されている、住まいの広さの基準です。一人暮らしの場合、健康で文化的な暮らしに欠かせない最低限の広さとして「最低居住面積水準」が25㎡とされています。また、都市の中心やその周辺のマンションなどで、多様な暮らし方に対応するために必要とされる広さ(都市居住型誘導居住面積水準)は、一人暮らしで40㎡です(出典:国土交通省「平成25年度 国土交通白書」掲載の住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)抜粋)。なお、この計画は見直されることがあるため、最新の数値は国土交通省の公表資料でご確認ください。

 

この二つの数字に当てはめると、25㎡は「最低限の目安」、40㎡は「暮らし方の幅が広がる目安」と考えられます。広めのワンルームを探すときは、25〜30㎡台でゆとりを求めるのか、40㎡近くまで広げて別の部屋のような使い方をしたいのか、あらかじめ自分の中に基準を持っておくと、物件を比べやすくなります。

広めのワンルームの一番の魅力は、壁で遮られない分、窓からの光が部屋全体に届きやすく、実際の広さ以上に広く感じられる点です。ドアの開け閉めに必要な空間を取らなくてよいので、家具を壁ぎわに置きやすく、限られた面積を無駄なく使えます。

 

ただし、この「抜け」は、視線や音、においも同じように抜けるということです。次の章では、広いからこそ起きやすい落とし穴を整理します。

広めのワンルーム物件を探す

ワンルームは、玄関や台所まで含めて一つの空間になっているため、一般的に冷暖房が効きにくい間取りです。広めの部屋ではその傾向が強まり、窓が大きいほど外の暑さ・寒さの影響も受けやすくなります。エアコンが付いているから安心、と考えるのではなく、内見のときにエアコンの取り付け位置と、そこから一番遠い場所までの距離を見ておくことが大切です。あわせて、エアコン本体のラベルに書かれた対応畳数が、部屋の広さに合っているかも確認しておくと安心です。

玄関のドアを開けるとすぐ部屋が見える間取りでは、宅配便の受け取りや来客のたびに、ベッドまで視界に入ってしまいます。一方で、玄関から台所や水まわりが並ぶ細い通路を通って部屋に入る間取りなら、視線はかなり遮られます。同じワンルームでも、玄関と部屋の位置関係で気持ちの余裕は大きく違うため、間取り図を見るときに「玄関から何が見えるか」を思い浮かべる習慣をつけたいところです。

台所が部屋と同じ空間にあるため、調理のにおいが布団やカーテンにこもりやすく、冷蔵庫のモーター音が寝ているときに気になることもあります。友人を招いたときには、トイレや入浴の音が気になる場面もあるでしょう。広めのワンルームは、台所から寝る場所までの距離を取れる点で、狭い部屋より有利です。ただしそれは、家具の置き方を意識して、距離を活かした場合に限ります。換気扇の位置と寝る場所の位置関係も、あわせて確認しておくと失敗しにくくなります。

もうひとつの落とし穴は、気持ちの面にあります。広い空間では「どこに置いてもいい」という状態が意外と難しく、気づけば部屋の真ん中にテーブル、壁ぎわに棚、隅にベッド、と使い道が混ざってしまうことがあります。そこで役に立つのが、次の章で紹介する「場所ごとに使い分ける」という考え方です。

カスタマイズ可の物件を探す

ここでいう「場所の分け方」とは、部屋の中で「ここは寝る場所」「ここは食べる場所」というように、使い道を先に決めて区切ることです。壁で仕切るのではなく、家具や敷物のような動かせるもので緩やかに分けるのが、広めのワンルームの基本になります。

最初に、自分の生活で「一日のうち長く過ごす場所」を書き出してみてください。多くの場合、寝る、食べる(料理を含む)、くつろぐ、仕事や勉強をする、の4つに整理できます。在宅ワークが多い人は仕事の場所を窓に近い明るいところに、料理をよくする人は調理と食事を近くにまとめるなど、優先順位を決めてから家具を置くと、置き方に迷いにくくなります。

 

寝る場所は、玄関や台所から一番遠く、玄関から視線が届きにくい位置に置くのが基本です。ベッドまで他人に見られるのが気になる場合は、場所を取らない仕切り用の家具で目隠しをしましょう。開放感を残したいなら、網目状の衝立(ついたて)や、背板のない棚を選ぶと、光を通したまま緩やかに仕切れます。

 

台所まわりでは、台所と部屋の間にカウンターを置く方法があります。調理中の様子が来客から見えにくくなり、誰かと料理をするときの作業台としても使えます。くつろぐ・食べる場所には、ラグを敷くだけでも、場所の境目がはっきりします。

仕切りの方法仕切り具合光の通りやすさ向いている場所注意点
背板のない棚中高い寝る場所とくつろぐ場所の境目倒れないように固定し、置いた物が見える点にも配慮
網目状の衝立中高い玄関からの目隠し置くタイプは倒れにくいものを選ぶ
背の低い収納家具(テレビ台など)低〜中高い食べる場所とくつろぐ場所の境目低いため、寝る場所の完全な目隠しには不向き
カーテン・ロールスクリーン高い低〜中寝る場所の目隠し取り付け方法は契約内容を確認
カウンター・ダイニングテーブル中中台所と部屋の間通り道がふさがれない幅か事前に確認
ラグ低い(見た目の区切り)高いくつろぐ・食べる場所色や柄を目立たせすぎない

壁や天井に穴を開ける取り付け方は、賃貸の契約内容によっては、退去時に元の状態へ戻す費用がかかることがあります。突っ張り式や置くタイプを優先し、不安なときは管理会社に事前に確認すると安心です。

仕切りを増やしすぎると、かえって部屋が細切れに見えてしまいます。そこで効果があるのが、インテリアの色数を絞ることです。木の家具の色をそろえ、使う色をおおむね3色までに抑えると、場所は分かれていても、全体としてはまとまりのある空間に見えます。場所ごとに役割は変えつつ、色は統一する、という考え方です。

おしゃれなデザイナーズ物件を探す

広めのワンルームを検討していると、ほぼ同じ広さの1Kや1DKも候補に入ってきます。間取りの記号の基本的な意味は関連記事にゆずり、ここでは「暮らし方への影響」に絞って比べてみましょう。

比較の視点広めのワンルーム1K1DK
部屋と台所の仕切りなしドアなどで仕切られている仕切られ、食事もできる広さの台所がある
光・開放感全体に光が広がりやすい部屋は独立するため、開放感は控えめ台所と部屋の間取り次第
冷暖房の効きやすさ空間が大きく効きにくい傾向部屋だけ冷暖房しやすい台所を含めるかで変わる
においの広がり広がりやすい部屋に広がりにくい台所の広さと仕切り次第
家具の置き方の自由度高い部屋の形に左右される台所と部屋で使い分けが必要
来客時の見え方玄関から丸見えになりやすい部屋が見えにくい部屋が見えにくい

この表は一般的な傾向であり、実際は物件ごとの間取り図や設備で変わります。「広さ」「仕切り」「音やにおい」のどれを一番大事にするかを決めることが、選び分けの出発点です。

迷ったときは、次の3つの質問に答えてみてください。

  1. 料理はどのくらいの頻度でしますか? 週の大半で調理するなら、においと換気扇の位置が最重要です。外食や簡単な調理が中心なら、においの影響は比較的小さくなります。
  2. 家にいる時間は長いですか? 在宅ワークなどで一日中部屋にいる人は、広さと明るさのよさを実感しやすく、場所を分けて気分を切り替えることもしやすくなります。
  3. 寝る場所を隠したい気持ちはどれくらいありますか? 「来客はほとんどない」「目隠しを置けば気にならない」なら、広めのワンルーム向きです。「玄関から見えるのは避けたい」なら、細い通路を挟む間取りか、1K・1DKを優先すると安心です。

広めのワンルームを二人暮らしで検討する人もいます。参考として、国土交通省の資料では、2人世帯の最低限の広さ(最低居住面積水準)は30㎡と示されています(出典:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」居住面積水準の資料)。ただし、賃貸物件では、契約で入居できる人数が決まっていることがあります。二人で住めるかどうかは、物件ごとに必ず確認してください。

1Kの物件を探す

1DKの物件を探す

広めのワンルームは、生活のすべてが一つの部屋に集まるため、家具の置きやすさが満足度を大きく左右します。同じ広さでも、長方形か正方形かといった部屋の形、玄関や台所の位置によって、使いやすさは変わります。

内見に行く前に、間取り図で次の点を見ておくと、候補を絞りやすくなります。

  • 玄関ドアを開けたとき、部屋が正面に見えるか(細い通路があるか)
  • 台所の位置と、ベッドを置けそうな位置がどれだけ離れているか
  • 窓の位置と、エアコンの取り付け位置(窓は光と熱の出入りに関わります)
  • 部屋の形(正方形に近いか、細長いか)。細長い場合は、家具を片側に寄せて歩く場所を確保する前提で考える
  • 収納の位置と量。クローゼットの扉を開けるための空間も含めて確認
  • 浴室やトイレの位置。部屋に近いと、水の音が気になる場合がある

なお、10畳ワンルームを扱った関連記事でも、縦長や横長の部屋では家具を片側に寄せる方法が紹介されています。部屋の形で家具の置き方が変わるため、形は間取り図で必ず確認しておきましょう。

  • 窓とドアの位置・大きさ:カーテンの寸法や、家具を運び込む通り道も確認
  • 壁の長さ:ベッドや収納家具を置く予定の壁の幅
  • コンセントの位置と数:ベッド、机、台所まわりに届くか
  • 台所の前にあけられる空間:調理中に水や油が部屋側へ飛ばない距離があるか
  • エアコンから一番遠い場所:冷暖房の効き方を想像する材料になる
  • 玄関を開けた位置に立って部屋を見る:視線の抜け方は、実際に立って確かめるのが一番

内見を終えたら、その場でスマートフォンにメモを残しましょう。「ベッドはここ」「机はここ」と、頭の中で家具を置いてみた位置と、そのとき感じた違和感を書き出しておくと、複数の物件を比べるときの材料になります。オンライン内見ができる物件なら、条件を絞り込む段階で活用すると、現地に足を運ぶ回数を減らせます。

 

気になる物件をいくつか見比べたいときは、▶ LIFULL HOME’Sで1DKの物件を見てみると、ワンルームと同じ予算帯で仕切りのある間取りがどのくらいあるかを確認できます。

 

また、▶ LIFULL HOME’Sで家賃相場を調べてみると、気になるエリアの家賃感をつかむ手がかりになります。

 

実際に足を運ぶ前に、▶ LIFULL HOME’Sでオンライン内見ができる物件を見てみるのも、無理のない一歩です。

広めのワンルームは、光がよく入り、家具の置き方に選択肢があるという大きな魅力を持つ間取りです。その一方で、冷暖房、玄関からの視線、音やにおい、そして置き方の迷いといった、仕切りがないからこその課題もあります。大切なのは、広さそのものより、自分の暮らし方に合っているかどうかを見極めることでした。

 

寝る・食べる・くつろぐ・働く場所を先に決めておくこと、1Kや1DKと暮らし方の視点で比べること、内見ではメジャーを片手に視線や歩く通り道を確かめること。この3つを押さえるだけで、「広いのに使いにくい」という後悔はぐっと減らせます。

 

もし今のお部屋に「家具の置き場所がなくて落ち着かない」「もう少し空間にゆとりがほしい」という小さな違和感があるなら、その気持ちは住み替えを考えはじめるサインかもしれません。違和感を抱えたまま過ごす時間が長くなると、毎日の暮らしの満足度を、知らないうちに手放してしまうこともあります。まずは日本最大級の物件数を持つLIFULL HOME’Sで、今の家賃と同じくらいの価格帯なら、どんな広さや間取りの部屋があるのかを眺めるところから始めてみませんか。

 

▶ LIFULL HOME’Sで今よりぴったりな賃貸物件を見てみると、今の住まいを基準にした探し方も試せます。

Q1. ワンルームと1Rは何が違いますか?

A. 基本的には同じ間取りを指します。ワンルームは和製英語で、間取りの表記では「1R」と書かれることがあります。寝起きする部屋と台所を仕切るドアや壁がなく、部屋が一つだけの間取りです。間取りの記号ごとの違いは、関連記事の「1R/1K/1DK…知っておきたい部屋の間取りタイプと特徴」で詳しく紹介しています。

 

Q2. スタジオタイプは何㎡くらいからを指しますか?

A. 明確な基準があるわけではなく、不動産会社や物件によって呼び方は異なります。もとは撮影スタジオのような、仕切りのない広い空間を意味する言葉で、日本では30〜50㎡程度の部屋を指して使われることが多いとされています。呼び方だけで判断せず、部屋の広さと間取り図で確認しましょう。

 

Q3. 広めのワンルームは、光熱費が高くなりますか?

A. 一般的に、空間が大きいほど冷暖房の効き方は緩やかになり、光熱費が増える可能性があります。ただし、エアコンの位置や窓の向き、建物の熱の逃がしにくさ、家にいる時間などで大きく変わるため、一概にはいえません。内見でエアコンの対応畳数と取り付け位置を確認すると、判断しやすくなります。

 

Q4. 広めのワンルームで二人暮らしはできますか?

A. 広さの面では、国土交通省の資料で2人世帯の最低限の広さは30㎡が目安とされています。ただし、賃貸の契約では入居できる人数が物件ごとに異なり、一人暮らし限定の場合もあります。二人で入居できるかどうかは、契約前に必ず不動産会社や管理会社へ確認してください。

 

関連記事

詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。

更新日: / 公開日:2018.08.09