「本当の総額」は見積書の1.4倍になることも
不動産会社の見積書に載る費用(約55万円)に加え、旧居の二重家賃・引越し2件分を足した総額試算を一覧表で示します。自分たちのケースに置き換えて計算できるよう、各項目の目安と算出の根拠もあわせて解説します。気になるエリアの家賃相場を先に確認しておくと、試算がより現実的になります。▶ LIFULL HOME'Sで新婚・同棲にぴったりな物件を見てみる
費用を大きく左右するのは「物件選び」
敷金・礼金・仲介手数料は物件によって大きく違い、選ぶ条件次第で初期費用は数十万円単位で変わります。敷金礼金ゼロ・フリーレント・インターネット無料など、費用が安くなる物件の5条件を比較表と探し方のコツとともに紹介します。
二人の分担は「戻るお金か否か」で考える
折半か収入比かで迷う前に、初期費用を「戻る可能性のあるお金」「戻らないお金」「持ち帰れるお金」の3つに分けて考えると、納得感のある分担が決まります。名義と敷金返還の落とし穴、申込前に二人で確認したい10のチェックリストもまとめています。

「思ったより高いね」不動産会社から見積書を受け取ったカップルの多くが、最初にこう感じます。しかもその見積書には、実は引越しに必要な費用の一部しか書かれていません。旧居の家賃がもう1ヶ月かかる、二人分の荷物をそれぞれ運ぶ必要がある、退去時にクリーニング代が引かれる。そうした「見積書に載らない出費」が積み重なって、総額は見積書の1.4倍近くになることも珍しくありません。

ただ、初期費用の大きさは選ぶ物件で最も大きく変わります。敷金礼金ゼロの物件を選ぶだけで、同じ家賃帯でも20万円の差が生まれます。「高い」と感じる見積書は、物件の候補を変えるサインかもしれません。まず総額を正確につかんでから、費用が安くなる物件の選び方を一緒に見ていきましょう。
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同棲の初期費用は、家賃10万円の物件なら契約時の費用だけで約55万円(家賃の約5.5ヶ月分)が目安です。 二人とも一人暮らし中なら、旧居の二重家賃と引越し2件分として約22万円が加わり、総額は77万円を超える試算になります。

賃貸物件の契約時にかかる費用は、家賃を基準に金額が決まる項目が大半です。家賃10万円(管理費込み)の1LDKを例に、月の後半に入居するケースで試算します。

費用項目金額の目安試算額(家賃10万円)
敷金家賃0〜2ヶ月分100,000円(1ヶ月分)
礼金家賃0〜2ヶ月分100,000円(1ヶ月分)
仲介手数料上限は家賃1ヶ月分+消費税110,000円
前家賃翌月分の家賃100,000円
日割り家賃入居日〜月末まで50,000円(半月分)
家賃保証会社の初回保証料家賃の50〜100%程度50,000円(50%)
火災保険料2年契約で1.5〜2万円程度20,000円
鍵交換費用1〜2万円程度16,500円
小計(見積書に載る費用) 546,500円

※編集部による試算例です。実際の金額は物件・管理会社・契約条件によって異なります。

 

敷金・礼金はそれぞれ1ヶ月分と仮定していますが、地域や物件によって異なります。また室内消毒費や24時間サポートサービスの加入料など、任意加入の費用が上乗せされているケースもあるため、見積書は項目ごとに確認が必要です。

二人とも一人暮らしから新居に移る場合、見積書に載らない費用が2項目加わります。

区分費用項目試算額
見積書に載る費用契約時費用の小計546,500円
見積書に載らない費用旧居の二重家賃(7万円+6.5万円の部屋を各1ヶ月分)135,000円
見積書に載らない費用引越し費用2件分(単身・通常期・同市区町村相場×2)86,292円
総額 767,792円(約77万円)

※引越し費用はLIFULL引越しの口コミデータから算出した料金相場(単身・通常期・同市区町村程度 4万3,146円)をもとに算出(出典:LIFULL引越し「引越し費用の料金相場を調べる」)。旧居家賃は仮定の数値です。旧居の退去費用・家具家電購入費は含みません。

 

片方が実家暮らしなら二重家賃は1軒分、荷物が少なければ引越しを自力で済ませることもできます。自分たちの状況を表に当てはめて試算してみてください。

初期費用の内訳を正確に理解しておくと、物件選びと分担の判断がしやすくなります。

 

敷金とは、家賃の滞納や退去時の修繕費用を担保するために貸主へ預けるお金です。2020年4月施行の改正民法で、通常の使用による損耗や経年変化は借主が原状回復義務を負わないと明文化されました(出典:国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に関する参考資料」(令和5年3月))。費用を差し引いた残額は退去時に返還されるため、「後で戻るお金」として扱います。

 

礼金とは、慣習的に貸主へ支払う謝礼金で、退去時に返還されません。設定のない物件も増えています。

 

仲介手数料とは、不動産会社への媒介報酬です。賃貸の場合、借主と貸主から受け取れる合計額の上限は家賃1ヶ月分+消費税と国土交通省の告示で定められており、居住用物件では借主からの受取は原則0.5ヶ月分+消費税までとされています(出典:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」)。見積書に「1ヶ月分+消費税」と書かれている場合は、申込書類等で承諾を求められているのが一般的です。

二人暮らし物件を探す

見積書に載らない費用のうち、最も金額が大きいのは「旧居の二重家賃」と「引越し2件分の費用」です。 どちらも二人とも一人暮らしをしていた場合に発生し、合計で20万円以上になることがあります。

多くの賃貸契約では、解約する際に1ヶ月前(または2ヶ月前)までに申し出る「解約予告期間」が定められています。新居の入居日と旧居の解約日がずれると、両方の家賃を同時に払う期間が生まれます。二人とも一人暮らし中なら、このズレが2軒分になる可能性があります。

 

退去費用も見落としやすい出費です。ハウスクリーニングを借主負担とする特約が契約書に置かれているケースは少なくなく、敷金ゼロで入居していた部屋なら退去時に現金での請求になります。消費生活センターには賃貸住宅のトラブルが毎年3〜4万件程度寄せられており、敷金・原状回復に関するものがそのうち3〜4割程度を占めているとされています(出典:国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に関する参考資料」(令和5年3月))。今の部屋の契約書で、解約予告期間と特約の内容を確認しておくことをおすすめします。

LIFULL引越しの口コミデータから算出した料金相場では、単身・通常期(5月〜1月)の引越しは同市区町村程度で4万3,146円、繁忙期(2月〜4月)では5万974円です(出典:LIFULL引越し「引越し費用の料金相場を調べる」)。二人分にすると通常期8万6,292円・繁忙期10万1,948円となり、時期をずらすだけで1万5,000円以上の差が生まれます。複数社への相見積もりも有効で、同データでは見積もり社数が増えるほど料金が下がる傾向が示されています。

 

引越しの詳しい手順と節約法は、同棲の引越し費用はどれくらい?同棲したい人の引越しのマニュアルもあわせてご覧ください。

 

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費用の種類発生するケース事前にできる対策
旧居の二重家賃解約予告期間と入居日がずれる解約予告期間を確認し、新居の入居日を調整する
旧居の退去費用クリーニング特約がある/敷金ゼロ物件現在の契約書の特約欄を確認する
引越し費用2件分二人が別々の住まいから移る繁忙期を避け、複数社に相見積もりを取る
家電の買い直し一人用では容量が不足する新居のスペースを採寸してから判断する
不用品の処分費用同じ家電が2台ある粗大ごみ回収や買取サービスを比較する
カーテン・照明窓サイズや照明設備が合わない内見時に窓寸法と照明の有無を確認する
インターネット工事費新居で回線を新規契約する

「インターネット無料」物件も候補に入れる

インターネットが無料で使い放題の物件を探す

初期費用の大小を最も左右するのは物件選びです。 敷金・礼金・仲介手数料は物件ごとに異なり、条件の選び方次第で同じ家賃帯でも初期費用は数十万円単位で変わります。費用を抑えやすい5つの条件を具体的な効果・注意点とともに解説します。

敷金1ヶ月+礼金1ヶ月がゼロになれば、試算から20万円がそのまま消えます。費用削減効果は5条件の中で最大です。

 

ただし次の2点に注意してください。敷金ゼロは退去時のクリーニング費用が別途かかりやすい傾向があります。退去費用の目安も含めた予算を組んでおくと、後から慌てません。また礼金ゼロには短期解約違約金の特約がセットになっているケースがあります。1年未満で退去すると礼金相当額を請求されることもあるため、契約書の特約欄を必ず確認しましょう。

 

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フリーレントとは、入居後の一定期間(1〜3ヶ月程度が多い)の家賃が無料になる物件のことです。家賃10万円で2ヶ月のフリーレントなら、前家賃・日割り家賃の代わりとして20万円分の効果があります。初期費用が一気に重なる同棲スタート時には、資金面での余裕につながります。

 

注意点は、短期解約の違約金とセットになっているケースが多いことです。「1〜2年未満の解約は家賃●ヶ月分を請求」という特約が置かれていることがあるため、二人の生活計画と照らし合わせて判断することが大切です。

 

フリーレントの活用法と交渉のコツは、フリーレントの交渉は可能? 初期費用を抑えるためのポイントで詳しく解説しています。

 

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家賃が1万円下がると、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃が連動して、契約時の初期費用はおよそ5万円前後下がります。毎月の固定費も下がるため、二重の効果があります。

 

同じ「二人入居可」の物件でも、1LDKと2LDKでは家賃が大きく変わります。二人がそれぞれの時間を大切にしたいなら2LDK、リビングを広く使いたいなら1LDKと、生活スタイルによって最適な間取りは異なります。間取りと家賃のバランスを確認してから物件を絞ると、初期費用の試算がより現実的になります。

 

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新居で回線を新規契約すると工事費(一般的な目安として1万5,000〜3万円程度)がかかり、開通まで数週間待つ場合もあります。「インターネット無料」物件ならこの費用がまるごと不要になるうえ、毎月の通信費も節約できます。初期費用と月々の固定費の両方に効く条件です。

 

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仲介手数料は法律で上限が定められていますが、下限はありません。不動産会社によっては0.5ヶ月分や無料に設定しているケースもあります。試算での110,000円がゼロになれば、その分そのまま節約できます。同じエリア・同じ家賃帯で複数の物件を比較するときに気づきやすい条件です。

物件の条件削減できる費用の目安主な注意点
敷金礼金ゼロ最大20万円(家賃10万円の場合)退去費用の準備が別途必要。短期解約違約金の確認を
フリーレント家賃×無料月数分短期解約違約金とセットが多い
家賃を1万円下げる初期費用が約5万円減(連動)間取り・立地とのバランスで判断
インターネット無料工事費+毎月の通信費を節約通信速度・プロバイダの確認を
仲介手数料が低い最大11万円(1ヶ月分)物件数・サービスの質も含めて比較を

複数の条件が重なる物件を探すと、さらに大きな節約につながります。たとえば「敷金礼金ゼロ+フリーレント1ヶ月」の物件なら、試算ベースで30万円の削減も視野に入ります。

都市ガスが使える物件を探す

二人で折半して支払っても、退去時の敷金は原則として契約者(借主)に返還されます。 分担を決める前に、名義の仕組みと「お金の性質」を理解しておくと、後のトラブルを防げます。

二人で住む部屋でも、賃貸借契約は一人が契約者となり、もう一人は同居人として届け出る形が一般的です。家賃の支払い義務・退去時の原状回復の責任・敷金の返還先は、すべて契約者に集まります。

 

初期費用を二人で折半して払っていても、退去時に敷金が戻る先は民法の規定(第622条の2)により原則として契約者です。「敷金の半分は自分が払ったのに」というトラブルを防ぐには、入居前に「返還された敷金をどう分けるか」を決め、メッセージや書面で記録しておくことが大切です。

 

入居審査で二人の状況がどう評価されるかは、同棲の入居審査は厳しい? 二人入居可の賃貸で審査を通すポイントを参考にしてください。

「折半か収入比か」で迷う前に、お金の性質で3分類してから分担を決める方法がおすすめです。

分類主な費用試算額分担の考え方
戻る可能性のあるお金敷金100,000円契約者側が多めに負担する、または返還時に払った割合で分けると書面に残す
戻らないお金礼金・仲介手数料・保証料・火災保険料・前家賃・日割り家賃・鍵交換費用446,500円二人の暮らしのための費用として折半または収入比で分ける
それぞれの旧居・荷物の費用二重家賃・各自の引越し費用221,292円原則として各自が負担し、差が大きければ話し合って調整する
持ち帰れるお金家具・家電・カーテンなどの購入費(試算外)使う人・選んだ人が負担し、所有者を決めておく

家具・家電は購入したほうが所有者と決めておけば、将来住み替えるときに「どちらが持っていくか」で揉めずに済みます。毎月の生活費の分け方については同棲時のお金の管理方法は? トラブルにならないためのコツを紹介が参考になります。

初期費用は申込金・契約金・引越し代と支払いのタイミングがばらばらになります。「日付・内容・金額・支払った人・3分類のどれか」の5項目を共有メモに残し、領収書やカード明細の写真も保存しておきましょう。入居後1ヶ月を目安に一度精算しておけば、新生活が落ち着く頃にはお金のモヤモヤが残りません。クレジットカード払いの注意点は賃貸の初期費用はクレジットカード払いが可能? 損しない手順と注意点をご覧ください。

家具付き・家電付きの物件を探す

  1. 見積書に任意加入の費用(24時間サポート・室内消毒など)が含まれていないか
  2. 仲介手数料の金額と根拠(0.5ヶ月か1ヶ月か、承諾の有無)
  3. 敷金の返還条件と退去時のクリーニング特約の有無
  4. 短期解約違約金の有無と期間(フリーレント・礼金ゼロ物件は特に要確認)
  5. 旧居それぞれの解約予告期間と、二重家賃が発生する期間の見込み
  1. どちらが契約者になり、どちらが同居人として届け出るか
  2. 初期費用を「戻る・戻らない・持ち帰れる」の3分類でどう分担するか
  3. 敷金が返還されたときの分け方(書面やメッセージで記録する)
  4. 立替えた費用の記録方法と精算のタイミング
  5. 家具・家電の所有者はどう決めるか

この10項目がそろっていれば、契約当日に初期費用の請求を受けても迷わずに対応できます。同棲を始めるまでの全体の流れは同棲の始め方とは? かかる期間や事前に決めておきたい項目を紹介もあわせてご覧ください。

同棲の初期費用は、家賃10万円の物件なら契約時だけで約55万円。二人とも一人暮らし中なら総額は約77万円になる試算です。ただし、この金額は物件選びによって数十万円単位で変わります。敷金礼金ゼロやフリーレントを活用できれば、見積書の金額より大幅に抑えることも可能です。

 

物件を実際に見てみないことには、自分たちに合った条件は絞れません。「どんな物件があるか」を眺めるだけでも、家賃の相場・間取りの好み・外せない条件が二人の間ですり合わさり、初期費用の試算が一気に現実的になります。

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引越しまでのやること(旧居の解約申し出・住所変更・ライフライン手続きなど)は、やることリストで整理しておくと抜け漏れを防げます。

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Q1. 同棲の初期費用は二人でいくら必要ですか?

A. 家賃10万円の物件を契約する場合、不動産会社の見積書に載る費用だけで約55万円(家賃の約5.5ヶ月分)が目安です。二人とも一人暮らし中なら、旧居の二重家賃と引越し2件分として約22万円が加わり、総額は約77万円になる試算です。家電の新調や繁忙期の引越しが加わるとさらに膨らむため、余裕を持った予算を組んでおくことをおすすめします。

 

Q2. 敷金礼金ゼロの物件は同棲に向いていますか?

A. 初期費用を抑えたい場合の有力な選択肢です。家賃10万円なら両方ゼロで最大20万円の節約になります。ただし、敷金ゼロは退去時のクリーニング費用が別途かかりやすく、礼金ゼロには短期解約違約金の特約がセットになっているケースがあります。契約書の特約欄を確認したうえで、二人の生活計画と照らし合わせて判断することが大切です。

 

Q3. 同棲の初期費用は折半するのが普通ですか?

A. 決まったルールはありません。迷ったときは、初期費用を「敷金(戻る可能性のあるお金)」「礼金・仲介手数料など(戻らないお金)」「家具・家電(持ち帰れるお金)」の3つに分けて考えると、二人が納得できる分担を決めやすくなります。旧居の二重家賃や各自の引越し費用は、原則それぞれが負担する形が一般的です。

 

Q4. 旧居の解約と新居の契約、どちらを先にすればいいですか?

A. 新居の審査通過・契約日の確定を先に進め、その後で旧居に解約を申し出る順番が安全です。解約を先に伝えてしまうと、万が一新居の審査が通らなかった場合に住む場所がなくなるおそれがあります。また旧居の解約予告期間(1ヶ月前が多い)と新居の入居日を照らし合わせて、二重家賃が発生する期間をできるだけ短くなるよう調整しましょう。

 

Q5. 同棲の初期費用で後悔しないためのポイントは何ですか?

A. 主に3点です。①物件選びで費用を大きく変えられると知っておく:敷金礼金・フリーレント・インターネット無料などの条件で数十万円の差が生まれます。②見積書に載らない費用を総額に含める:旧居の二重家賃・引越し2件分・退去費用が思わぬ大きさになります。③敷金の返還先を入居前に決めておく:退去時に「誰に戻るお金か」を明確にしないと、分担の不公平感が残ります。

更新日: / 公開日:2018.11.14