結婚や出産を機にマイホームの購入を検討する人もいれば、賃貸住宅で子育てをする世帯もあります。
賃貸住宅での子育ては、よい面もあれば気をつけなければならない点もあります。
今回は、子育てしやすい賃貸住宅の探し方や騒音トラブル対策、さらに子育て世帯が利用できる家賃補助制度について紹介します。
ファミリー向け物件家賃補助のある物件(特定優良賃貸住宅)
賃貸住宅で子育てをするメリット・デメリットは?

賃貸住宅に住むメリットは、ライフスタイルの変化に応じて住み替えがしやすい点が挙げられます。
子どもが小さいうちは家事と子育てがしやすい間取りを選んだり、子どもの成長に合わせて子ども部屋を確保できる物件に住み替えたりと、状況に応じて住む場所を選ぶことが可能です。
また、賃貸の方がマイホームを購入するよりも初期費用が抑えられるため、家計のやりくりがしやすい点もメリットといえるでしょう。
一方、デメリットとしては、騒音によるトラブルにつながりやすい点が挙げられます。子どもが室内で走り回ったり、泣いたりしたときの生活音が原因となり、近隣の世帯に迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのため、子育て世帯が賃貸住宅に住む場合は、何らかの騒音対策が必要だといえます。
賃貸物件を探す 家賃補助のある物件(特定優良賃貸住宅)
子育てしやすい賃貸住宅を探すポイントは?

一人暮らしや大人だけの引越しとは異なり、子育てに向いている賃貸住宅を探す際は、いくつかポイントがあります。
ここでは子育てしやすいエリアの見極め方と、子育てしやすい物件の特徴について見ていきます。
子育てがしやすい街かどうか判断するポイント
子育てしやすい環境としては、「近くに子どもが遊べる公園がある」「保育園や小学校が近くにある」といった点がポイントになります。
公園は外から中の様子が見えるような見通しのいい方が、安心して子どもを遊ばせられます。
子育て世帯が住みやすいエリアかどうかは、物件探しの段階でもある程度予想がつきます。たとえば、3LDKなどのファミリー世帯向けの物件が多いエリアなどは、同世帯の子どもが集まりやすいといえます。
自治体が独自で行っている子育て世帯向けの支援制度の有無も、住むエリアを決めるときはチェックするようにしましょう。医療費助成や学用品費の補助などを行っている自治体もあります。
子育てがしやすい物件(間取りや設備)のポイント
子育てしやすい物件選びのポイントは「子どもが安心・安全に暮らせる住まいかどうか」です。
子育て世帯が意識したい物件選びのポイントは、以下のとおりです。
ポイント
- 1階や階下が共用部分の部屋
- 防音性に優れた構造
- 和室のある間取り
- 収納スペースに余裕がある
- モニター付きインターホンまたはオートロック付きの物件
特に子どもが小さい場合は、足音や生活音が響きにくい1階が適しているでしょう。万が一災害が起こったときも、1階であればすぐに外に避難できます。
子どもの声や出す音が気になる人は、防音性に優れた鉄筋コンクリート造の物件を選ぶのもおすすめです。
ファミリータイプの物件には、リビングに隣接した和室が設けられていることが多く、家事をしながら子どもを見守ることができます。
和室で使用される畳はクッション性が高く、足音を吸収してくれる効果も期待できます。また、万が一子どもが転んでしまっても衝撃を吸収してケガを防いでくれます。
ベビー用品や洋服、おもちゃなど、子どもが成長するにつれて荷物が増えていくため、収納スペースは余裕がある方が安心でしょう。ベビーカーや自転車を室内に置く場合は、広い玄関の物件もおすすめです。
子どもの防犯対策として、セキュリティもある程度しっかりした物件だと安心です。誰かが訪ねてきたときのために、モニター付きインターホンやオートロック付きの物件を選ぶのもいいでしょう。
子どもの泣き声などの騒音トラブル対策

賃貸住宅で子育てをする際に課題となるのが、子どもの泣き声や生活音などの騒音トラブルです。
子どもは足音が大きくなりやすく、ソファやベッドから飛び降りたり、室内で走り回ったりと、近隣の住居に音が伝わりやすい傾向があります。
騒音トラブルを避けるための対策としては、防音性に優れた物件や、クッション性の高いフローリングやカーペット敷きを採用した物件を選ぶといった方法があります。
足音だけでなく遮音性の高い窓かどうかも物件選びの際にチェックするといいでしょう。ガラスの種類や厚み、サッシとの隙間の有無によって防音性に違いがあります。
住んでからできる対策としては、床に防音マットを敷いたり、遮音カーテンを設置したりする方法があります。隣室と接している部屋がある場合は、壁に背の高い家具を設置すれば、ある程度の防音効果が期待できます。
セキュリティ・防犯対策が充実した物件 家賃補助のある物件(特定優良賃貸住宅)
子育て世帯がぜひ活用したい家賃補助制度

子育て世帯が住む物件というと、2LDKや3LDKなど、ある程度広さのある物件が一般的です。
ファミリー向けの広い物件はその分、家賃も高くなりがちですが、家賃の一部を補助してくれる制度を利用するのもおすすめです。
特定優良賃貸住宅
特定優良賃貸住宅とは、国や自治体の家賃補助が受けられる住宅のことです。ファミリー世帯などの家賃負担軽減を目的とした公的な制度で、国の審査基準を満たした優良住宅に安く住むことができます。
特定優良賃貸住宅は、全国すべての地域にあるわけではありませんが、各自治体が定める条件を満たした世帯は、毎月家賃補助を受けとることができます。
たとえば2022年9月時点、神奈川県横浜市では、世帯月収が21万4,000円以下の子育て世帯に対し、月額最大4万円、最長6年間の家賃補助を行っています。
入居者は契約家賃から助成額を差し引いた額を支払いますが、敷金や管理費などは助成の対象外となるケースが多いです。住みたいエリアに特定優良賃貸住宅があるかどうかは、自治体のホームページなどで確認しましょう。
UR賃貸住宅
UR賃貸住宅とは、独立行政法人である都市再生機構が管理する賃貸住宅で、礼金や仲介手数料、保証人、更新料がかからないといった特徴があります。
また、UR賃貸住宅には、子育て世帯が利用できる家賃割引制度として「そのママ割」「子育て割」があります。
「そのママ割」は、18歳未満の子どもを育てている世帯が対象で、3年の定期借家契約を条件に、3年間は通常の家賃より1万~2万円程度抑えられるという制度です。
「子育て割」は、新婚夫婦または18歳未満の子どもがいる世帯で、世帯の合計所得が月額25万9,000円以下であることなどを条件に、家賃を減額する割引制度です。
対象物件は限られますが、どちらの制度も先着順となっているので、興味のある人は該当する物件が住みたいエリアにあるかどうか調べてみるといいでしょう。
まとめ

子育てに適した賃貸物件を探す際は、子どもが安心・安全に暮らせるように、物件の構造や間取りをよく確認することが大切です。
特に騒音には注意が必要ですので、1階や音が響きにくい間取りを選ぶようにしましょう。子育て世帯には家賃補助制度などもありますので、上手に利用するのもおすすめです。
ファミリー向け物件 家賃補助のある物件(特定優良賃貸住宅)
更新日: / 公開日:2018.03.09










