コンクリート打ち放しとは

「コンクリート打ちっ放し」とは、RC（鉄筋コンクリート造）やSRC（鉄骨鉄筋コンクリート造）の建物の仕上げの一つです。構造体であるコンクリートを現しのまま仕上げとするもので、型枠にコンクリートを流し込んで硬化させた後、型枠を外して、耐水性を向上させるために、外壁には撥水剤を塗布しています。

RCやSRCの集合住宅は、通常、外壁や隣戸との境の界壁はコンクリートでつくられますが、専有部分内の間仕切り壁は石膏ボードのため、壁紙や塗料による仕上げが施されます。そのため、コンクリート打ち放しのマンションでも、すべての壁ではなく、一部の壁がコンクリート打ち放しになっています。また、外壁側と内壁側のいずれかを打ち放し仕上げとし、外壁をタイル仕上げ、あるいは、内壁をクロス張りや塗装仕上げとした建物も見られます。

 

コンクリート打ち放し仕上げのメリット

コンクリート打ち放し仕上げは、意匠性の高さが魅力です。RCやSRCは大空間を実現しやすいため、ワイドスパンのリビングが実現できます。コンクリート打ち放し仕上げを活かして、曲線の壁を設けたり、ガラスブロックを埋め込んだりしているデザイン性の高い物件もあります。コンクリートの風合いは、ステンレスやアルミなどの金属、ガラスといった素材だけではなく、木製の家具とも合います。スタイリッシュでおしゃれな住まいを実現したい人に向いています。

 

また、コンクリート打ち放し仕上げの物件は、RCかSRCのため、界壁や床はコンクリートでできています。木造や軽量鉄骨造は、壁は石膏ボードや構造用合板、木造の床は構造用合板、軽量鉄骨造はALC（軽量気泡コンクリート）が使われることが多いのに対して、遮音性が高いことがメリットです。RCやSRCは、賃貸物件の入居時に契約する火災保険料が、耐火建築物のため割安になります。

 

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外壁も内壁も「コンクリート打ち放し仕上げ」は寒さや暑さがデメリットに

コンクリートは熱伝導率が高いため、外壁と内壁ともにコンクリート打ち放し仕上げの場合は、外気の影響を受けやすく、夏は暑く、冬は寒いことがデメリットです。一般的な建物では、断熱施工がされていますが、外壁も内壁もコンクリート打ち放し仕上げの場合は、断熱施工ができないためです。さらに、デザイナーズ賃貸に多い窓の大きな物件は、窓からも熱気や冷気が伝わってきます。エネルギーのロスが大きく、冷房も暖房も効きづらいため、光熱費もかさみやすいです。結露が起きやすいため、カビも生えやすい状態になります。

 

一方、外壁側か内壁側のいずれかのみがコンクリート打ち放し仕上げの場合は、もう一方の側の壁の内部で断熱施工がされていれば、暑さや寒さ、結露の問題は起こりません。外壁側はコンクリート打ち放し仕上げでも、室内外は断熱施工をしたうえで、石膏ボードなどを貼り、クロスや塗装で仕上げていれば、通常のマンションと同様です。あるいは、界壁側のみがコンクリート打ち放し仕上げの場合、外部に面する壁は断熱施工がされていることもあります。
外壁側を断熱施工する外断熱として、タイルなどを張り、内部はコンクリート打ち放しとしている建物は、室内の温度が安定しやすいことがメリットです。外観上の問題では、外壁がコンクリート打ち放し仕上げの場合は、風雨によって汚れやすいため、維持管理状況によっては、次第に劣化が目立ってくることがデメリットです。

 

デメリットを理解して借りよう

コンクリート打ち放し仕上げのデザイナーズ賃貸は、デザイン性が高く、スタイリッシュでおしゃれです。しかし、住みやすさを考慮するなら、外壁と内壁のどちらかのみがコンクリート打ち放し仕上げとなっている物件を選ぶことも選択肢のひとつでしょう。外壁側がタイルや塗装仕上げでも、内壁がコンクリート打ち放し仕上げであれば、コンクリートの風合いを活かしたインテリアコーディネートが楽しめます。外壁のみがコンクリート打ち放し仕上げの場合は、シンボリックな外観の住まいで暮らすことに、ステータスを感じられるでしょう。

 

とはいえ、デザイン性を重視して、コンクリート打ち放し仕上げの物件で暮らしたい人もいるでしょう。外壁側とも内壁側ともに、コンクリート打ち放し仕上げとなっているマンションを借りる場合は、寒さや暑さ、光熱費の面で暮らしにくさがあることを理解して暮らす必要があります。結露が起こりやすいため、こまめに換気をし、結露が起きているところはすぐに拭くといった対策をとることも大切です。

 

 

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