- 持ち家はローン完済後に負担が大きく減る
- 毎月同額(月10万円)の負担額でシミュレーションした場合、50年間の総コストは賃貸と持ち家で大きな差はありません。しかし、持ち家は住宅ローン完済後、毎月の負担が維持費・税金のみに減るのが最大の違いです。
詳しくは、「期間別に見るキャッシュフロー推移の違い」をご覧ください。 - 金利3.5%だと月10万円の返済で組めるローンは約2,420万円
- 金利上昇により、毎月10万円の返済額(35年ローン)で購入できる物件の予算目安は、全期間固定金利3.5%の場合で約2,420万円です。
詳しくは、「シミュレーションの前提条件(金利3.5%を想定)」をご覧ください。 - 賃貸は老後の入居審査への不安と家賃の支払いが続く
- 賃貸は身軽な半面、定年後も一生家賃を払い続けなければならず、高齢を理由に入居審査に通りにくくなるリスクがあります。
詳しくは、「賃貸の老後リスク:終わらない家賃負担と入居審査の壁」をご覧ください。
賃貸と持ち家のどちらを選ぶかは、住居費という一生のコストを左右する大きな決断です。
特に近年は住宅ローンの金利が上昇傾向にあり、「今の高い金利で家を買うべきか、それともずっと賃貸に住み続けるべきか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、毎月の負担額を「10万円」に設定し、賃貸で50年暮らした場合と、持ち家を35年ローンで購入した場合の生涯コストをシミュレーション。
金利3.5%という最新の状況を反映したリアルな数字とともに、それぞれのメリット・デメリットや老後のリスクを比較します。
どちらが自分のライフプランに合っているか、資金計画の面から見極めてみましょう。
賃貸50年 vs 持ち家35年ローン、生涯コストをシミュレーション
「家賃を払い続けるのと、ローンを組むのはどちらがお得か」。この疑問を解消するため、まずは50年間の生涯コストをシミュレーションしてみましょう。
今回は、どちらも毎月の住居費負担を「10万円」とし、賃貸は50年住み続けるケース、持ち家は35年ローンを組んで50年間住むケースで比較します。
シミュレーションの前提条件(金利3.5%を想定)
持ち家の購入予算を計算するうえで、避けて通れないのが住宅ローンの金利です。
近年は金利の上昇が続いており、全期間固定金利(フラット35など)を利用する場合、金利水準は年3%を超えるケースも珍しくありません。
そこで今回は、「全期間固定金利3.5%」という条件で計算します。
LIFULL HOME’Sの住宅ローンシミュレーターで試算すると、月々10万円の返済額で35年ローンを組んだ場合、借入可能な金額(=購入できる物件価格の目安)は約2,420万円となります。
| 条件項目 | 賃貸の場合 | 持ち家の場合 |
|---|---|---|
| 入居期間 | 50年 | 50年 |
| 毎月の負担額 | 月10万円(家賃・管理費込) | 月10万円(ローン返済額) |
| 返済期間・金利 | – | 35年返済 / 全期間固定金利3.5% |
| 購入物件の予算目安 | – | 約2,420万円(借入可能額) |
【賃貸】50年住み続けた場合の総コスト
賃貸の場合、初期費用(家賃の約5ヶ月分)に加え、50年間の家賃、2年ごとの更新費用、火災保険料などがかかります。
- 初期費用:50万円(家賃5ヶ月分)
- 家賃総額:6,000万円(月10万×12ヶ月×50年)
- 更新費用:250万円(2年に1回、10万円×25回)
- 火災保険料:50万円(2年に1回、2万円×25回)
賃貸の50年総住居費:約6,350万円
【持ち家】35年ローン+50年住んだ場合の総コスト
持ち家の場合、物件の購入費用(ローン元本+利息)に加え、購入時の諸費用、入居後の維持・修繕費用、毎年の固定資産税などがかかります。
維持費・修繕費・税金は、戸建て・マンション問わず平均して年間約40万円かかると仮定します。
- 住宅ローン総支払額:約4,200万円(月10万×12ヶ月×35年)
- 諸費用:約121万円(借入額の約5%)
- 維持費・修繕費・税金:約2,000万円(年40万×50年)
- 火災保険料など:維持費に含む
持ち家の50年総住居費:約6,321万円
なお、持ち家の場合は住宅ローン控除(減税)が受けられるため、購入する物件の省エネ性能などによっては、ここから数十万〜数百万円の還付を受けられる可能性があります。
期間別に見るキャッシュフロー推移の違い
今回のシミュレーションでは、50年間の総額で見ると、賃貸(約6,350万円)と持ち家(約6,321万円)の差はほとんどありません。
しかし、「いつ、いくら支払うのか」というキャッシュフロー(毎月の資金の出入り)には決定的な違いがあります。
持ち家の最大のメリットは、「36年目以降に住宅ローンが完済され、月々の負担が大きく減る」ことです。ローン完済後は、維持費・税金(月割計算で約3.3万円)のみで住み続けることができます。
一方、賃貸の場合は50年目になっても、家賃(月10万円)を支払い続けなければなりません。
ただし、「金利3.5%」の環境下では、月々10万円の返済額に対する借入可能額は約2,420万円にとどまる計算になります。
立地や広さを妥協したくない場合は、頭金を増やすか、共働きで世帯年収を上げて借入額を増やすなど、より綿密な資金計画が求められます。
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老後のリスクと安心感で比較する「賃貸」と「持ち家」
シミュレーション結果のとおり、賃貸と持ち家では「老後の住居費負担」が大きく異なります。ここでは、それぞれの老後リスクについて掘り下げてみましょう。
賃貸の老後リスク:終わらない家賃負担と入居審査の壁
賃貸の最大のリスクは、定年退職し年金生活に入った後も、家賃の支払いが一生続くことです。現役時代は問題なく払えていた家賃も、収入が減少する老後には大きな負担となります。
「老後は家賃の安い部屋に引越せばいい」と考えるかもしれませんが、高齢になると健康上の不安や孤独死のリスクなどから、大家さんに入居を敬遠されるケースもあります。
現役世代に比べて入居審査のハードルが高くなる点に注意が必要です。
持ち家の老後リスク:ローンの完済年齢と維持修繕費
持ち家の場合、ローンさえ完済してしまえば住む場所を失うリスクは低く、老後の安心感につながります。しかし、「何歳でローンを完済できるか」が重要なポイントです。
もし定年後までローン返済が続くような計画だと、年金中心の生活になった際に家計を大きく圧迫するリスクがあります。
また、築30年、40年と経過した家は、屋根・外壁の大規模修繕や水回り設備の交換、バリアフリー化のリフォームなどが必要になります。
ローンが終わっても、これらの修繕費用を計画的に積み立てておく必要があります。
賃貸と持ち家、それぞれのメリット・デメリット
お金の側面だけでなく、暮らしやすさや価値観の面から、それぞれのメリット・デメリットを整理します。
賃貸に住み続けるメリット・デメリット
賃貸のメリット
- ライフスタイルの変化(転職・転勤・結婚・出産など)に合わせて気軽に住み替えができる
- 近隣トラブルや建物の老朽化があっても、引越すことで解決しやすい
- 給湯器やエアコンの故障など、設備修繕の自己負担がない
- 固定資産税や都市計画税がかからない
賃貸のデメリット
- 家賃を何十年払い続けても、自分の資産(所有物)にはならない
- 老後の収入減による家計圧迫や、入居審査落ちのリスクがある
- 壁に穴を開けたり、間取りを変更したりするリフォームが原則できない
賃貸は、良くも悪くも「身軽さ」が特徴です。将来の予測が難しく、その時々に合った住環境を選びたい人に向いています。
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持ち家を購入するメリット・デメリット
持ち家のメリット
- 住宅ローン完済後は、住居費の負担が減り、物件が資産として残る
- 老後に住む場所を失う不安が少ない
- 団体信用生命保険(団信)に加入するため、万が一の際は家族にローンなしの家を残せる
- リフォームやDIY、設備のグレードアップなどが比較的自由にできる
持ち家のデメリット
- 簡単に住み替えができない(転勤やご近所トラブルがあっても引越しにくい)
- 固定資産税の支払いや、定期的なメンテナンス費用が自己負担になる
- 金利上昇リスクによる返済額の増加や、将来の資産価値下落リスクがある
持ち家は、長く住むことを前提とした「安心感」と「資産形成」が魅力です。自分好みの空間をつくり上げたい人にも適しています。
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金利上昇時代、賃貸と持ち家どちらを選ぶべき?
結局のところ、自分はどちらを選ぶべきなのでしょうか。向き・不向きの傾向をまとめました。
賃貸に向いている人
- 将来、転勤や転職などで住むエリアが変わる可能性が高い人
- 家族構成(子どもの人数など)がまだ確定していない人
- 数十年単位の多額の借金(ローン)を背負うことに強いストレスを感じる人
- 家のメンテナンスや修繕計画を自分で考えるのが面倒な人
将来の不確定要素が多い人は、住まいのダウンサイジングやエリア変更が容易な賃貸のほうが、リスクを抑えられます。
持ち家に向いている人
- 定年退職(65歳など)までに住宅ローンを完済するめどが立つ人
- 老後の家賃負担や、住む場所がなくなる不安を今のうちに解消したい人
- いま住んでいるエリアや職場を、当面の生活拠点にしたいと考えている人(将来的な住み替えを視野に入れることも可能)
- 自分好みのインテリアや間取り、住宅設備に囲まれて暮らしたい人
持ち家は、長く住むほど資産としてのメリットが活きてきます。
自己資金や親からの援助で頭金をしっかり用意できる方、あるいは共働きで無理なくローンを組める方にとっては、将来の安心を買う大きな選択となるでしょう。
迷ったら資金計画からプロに相談しよう
「賃貸か持ち家か」の判断は、現在の年収、自己資金、年齢、金利動向、そして将来のライフプランによって一人ひとり答えが異なります。
特に今は、建築資材の高騰で物件価格が上がり、さらに住宅ローン金利も上昇傾向にあるため、「自分は安全にいくらの家が買えるのか(借りられるのか)」を正確に把握することが最初のステップです。
少しでも持ち家を検討し始めたら、まずは資金計画のプロに相談してみるのがおすすめです。
LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、専門のアドバイザーがあなたの家計状況をヒアリングし、無理のない住宅購入予算のシミュレーションを無料で行ってくれます。
中立的な立場でアドバイスをもらえるため、まだ具体的に物件を探していない段階での相談にぴったりです。
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よくある質問
Q.1 賃貸と持ち家、50年間の生涯コストはどちらがお得ですか?
A.1 今回の「毎月10万円の負担額」というシミュレーション条件では、50年間のトータルコストは賃貸が約6,350万円、持ち家が約6,321万円となり、金額自体に大きな差はありませんでした。ただし、持ち家はローン完済後の負担が減り、賃貸は一生支払いが続くというキャッシュフローの違いがあります。
Q.2 金利が上昇すると持ち家の予算はどのくらい減りますか?
A.2 金利が高くなると、同じ月々の返済額でも組むことができるローン元本が減ります。LIFULL HOME’Sの住宅ローンシミュレーターで試算すると、たとえば毎月10万円の返済額で35年ローンを組む場合、金利3.5%だと借入額の目安は約2,419万円にとどまる計算になります(実際の借入上限は年収等の審査によります)。
Q.3 老後を考えると、賃貸と持ち家どちらが安心ですか?
A.3 持ち家は定年までにローンを完済すれば、住む場所を失う不安が低く安心ですが、修繕費の備えが必要です。一方、賃貸は定年後も家賃負担が続き、高齢による入居審査のハードルが高くなるリスクがあります。
Q.4 持ち家の維持費や修繕費はどのくらいかかりますか?
A.4 戸建て・マンション問わず、固定資産税や定期的なメンテナンス費用、将来の大規模修繕などに備え、平均して年間約40万円程度を見込んでおくといいでしょう。
Q.5 自分にどちらが合っているか迷ったらどうすればいいですか?
A.5 年齢や年収、将来のライフプランによって答えは異なります。まずは資金計画のプロに相談し、「いまの収入と金利環境で、自分はいくらまでなら安全に借りられるのか」をシミュレーションしてもらうことをおすすめします。
更新日: / 公開日:2016.09.26









