昨今、貸倉庫の市場規模が拡大し、トランクルームは500億円超える市場規模と言われています。住まいに収納できない物品の日常的な保管や一時保管の場所として、個人での貸倉庫の利用者が増えています。
そんな貸し倉庫で一般的な消費者が利用するものには、2種類あることを知っていましたか? 今回は、貸倉庫の種類や活用法などについて紹介します。
トランクルームを探す
貸し倉庫には「トランクルーム」と「賃貸レンタルスペース」がある
貸し倉庫には2種類あり、倉庫業法で規定された「トランクルーム」と不動産賃貸契約による「賃貸レンタルスペース」があります。
倉庫業法による営業倉庫は、国土交通大臣への登録会社が運営しています。営業倉庫には、一類から三類倉庫・野積倉庫・冷蔵倉庫・トランクルームなどの種類があり、一般の消費者の物品を預かるのは「トランクルーム」です。
トランクルームへ物品を預けるのは寄託契約となり、倉庫運営会社が保管をするという契約形態です。倉庫運営会社には保全義務があるため、物品の出し入れは運営会社が行うか、運営会社立ち合いのもとで利用者が行うのが一般的です。
トランクルームに預ける物品には火災保険が掛けられ、損壊や盗難に備えた保険もつけられていることも多いです。
国土交通省では、トランクルームに「優良トランクルーム」認定制度を設けて、定温・定湿や常温・常湿のほか、防塵・防虫・防滋という項目ごとに認定を行っています。
一方、「賃貸レンタルスペース」はスペースを借りる賃貸契約のため、火災保険などの保険は掛けられていないことが多く、運営側に物品の保全義務はありません。物品の出し入れは利用者が自ら行う形態がほとんどであり、好きなときに出し入れができます。

倉庫は2種類ある
貸倉庫の広さや価格、選び方
トランクルームや賃貸レンタルスペースの広さや価格は、運営会社や立地によって異なります。
トランクルームは、小さなものは0.5畳程度ですが、大きなものでは3畳ほどもあり、高さは150cm弱から200cm程度です。
月額費用は数千円から2万円程度でこのほかに運営会社によって設備維持費や立ち合い作業費といった費用が掛かり、物品の運搬を依頼するためには別途費用が必要です。
賃貸レンタルスペースは、ビルの一室を仕切った屋内のルームタイプや屋外にコンテナを積んだタイプなど様々です。
屋内のルームタイプのレンタル収納スペースは、防犯カメラやカードキーで入退出のセキュリティーが24時間管理されており、トランクルームよりも割高です。一方、屋外のコンテナは郊外になると3,000円台からとリーズナブルです。
収納したい物品によっては、保全契約や空調の必要性を考慮する必要があります。
物品の出し入れの頻度によっては、自宅や勤務先からの距離も重視するべきポイントです。駐車場の有無や物品の出し入れの際、車の横づけの可否などについても契約前に確認しておきましょう。

運搬やセキュリティによって費用は様々
トランクルームを探す貸し倉庫の活用法と収納のコツ
トランクルームや賃貸レンタルスペースには、どのような活用法があるのかみていきましょう。
レジャー用品の収納場所に
キャンプやバーベキューなどのレジャー用品は場所をとることから、特にマンションなどの集合住宅に住む人は、収納スペースに困りがちです。レジャー用品は外での使用を前提としているため、耐候性が強く屋外のコンテナでも安心です。
また、いつでも出し入れが可能なのでレジャーに出掛ける際に立ち寄ることができます。ただし、バーベキュー用品はきちんと洗って乾かしてから収納しましょう。

リフォームや住宅の買い替えでの家具一時保管に
リフォーム時や住宅の買い替えでの仮住まいでは、今までの住宅よりも狭いところで暮らすケースが多いです。
仮住まい先に家具が収まらない場合には、短期間であれば、屋外コンテナという選択もありますが、長期間に及ぶ場合や高額な家具は屋内のルームタイプの賃貸レンタルスペースか、トランクルームに預けると安心です。
海外赴任中の家財道具の保管先として
海外赴任中、日本で使用していた家具や家電はトランクルームに預けるケースがあります。家電を預ける場合は、保管前に注意が必要です。
例えばエアコンの場合、取り外しは専門の会社に依頼し、冷房の時期の場合には内部に水分が残っていることもありますので、保管前に乾かしておきましょう。同様に冷蔵庫もあらかじめ水分などを拭き取っておきましょう。

トランクルームの増加は土地の有効活用にも役立つ
トランクルームなどの貸し倉庫の増加には、土地の有効活用の手段の一つとして広まったという背景があります。
特に、賃貸レンタルスペースである屋外のコンテナは、更地にコンテナを設置するだけなので、アパートやマンションを建てるよりも初期投資やリスクを抑えられます。
アパートなどは建てにくい変形の土地であっても、コンテナなら設置することが可能です。かつてカラオケボックスを設置していた場所が、駐車スペースも確保できることから、トランクルームやレンタル収納スペースに代わっているケースもみられます。
しかし、貸し倉庫の増加やセキュリティーに対する意識の高まりから、今後は差別化を図ることが重要であり、セキュリティー設備を重視したトランクルームのニーズが高まるでしょう。
これからのトランクルームには、衣替えの衣類や災害時の備蓄用品、ワインや楽器などの趣味のものといった、個別のニーズに特化する、あるいは、エリアの特性に合わせることが求められるかもしれません。

貸し倉庫は土地有効活用の手段のひとつ
トランクルームを探す参考:HOME’S調べ「トランクルームの利用用途 ランキング」

トランクルーム調査
【調査実施期間】2015年2月3日~2015年2月4日
【調査対象者】事前調査で「トランクルームを現在利用している」「利用したことがある」と回答した方
【調査方法】インターネット調査
【有効回答数】480サンプル
トランクルームを探す
更新日: / 公開日:2016.09.11






