住宅の外壁に使用される建材には、タイル・サイディング・モルタルなどいくつかの種類があります。そのなかでも日本国内で最も一般的に用いられている外壁材が、サイディングです。サイディングはボード状の外壁材で、工場で生産されるため品質が安定しています。大きなボードを釘や金具などで建物の外側に固定していく工法のため、現場での作業工程が少なく施工が容易です。
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外壁材がサイディングの建物をよく見ると、ボードに継ぎ目があります。この継ぎ目から壁の内側に雨などが侵入しないように、充填剤を用いてふさぎ目地を作ることを「コーキング」と呼びます。コーキングのほかに「シーリング」と呼ばれることもありますが、意味は同じと考えて問題ありません。

 

施工したばかりのコーキング材には弾力がありますが、紫外線や雨などに晒されることでひび割れや縮みなどが起き、次第に防水性能が低下していきます。サイディングボード自体は耐久性が高いのですが、コーキング材は比較的早く劣化することが多いので、5年ほどを目安に点検を行うと安心です。なお、コーキング材を施工することを「コーキングを打つ」と言います。

 

コーキングは5年に1度を目安に点検を

コーキングは5年に1度を目安に点検を

窯業(ようぎょう)系サイディングとは?

窯業系サイディングとは、セメント成分と木質系成分を混合した原料を成形し、高温で焼成したサイディング材です。断熱性と強度が高く、現在の外壁材の主流となっています。加工が容易でさまざまなデザイン・質感のものが存在しており、一見モルタル風やタイル風の建物でも、よく見ると実はサイディングということも多いです。

 

寒冷地で窯業系サイディングを使用する際に注意したいものが、表面塗装の劣化による凍害です。セメント成分には水を吸収する特性があるので、表面塗装によるコーティングが低下すると、サイディング内部に水が侵入します。水は凍結すると膨張するため、溶けたり凍ったりを繰り返すことでひび割れやはがれなどの原因となってしまいます。

 

おしゃれなサイディングも増えてきました

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金属系サイディングとは、表面がアルミ・スチール・ガルバリウム鋼板などの金属板で、裏面に断熱材を貼りあわせたサイディング材です。断熱性に優れており、軽量なので重ね張りでの施工にも適しています。金属は水分を吸収しないため凍害耐性が高く、寒冷地での使用に適しています。ただし、海に近い場所では塩害(サビ)が発生しやすいため注意が必要です。金属独特のシンプルな質感が特長ですが、近年ではレンガ調や石壁調など、さまざまなデザインのサイディング材も登場しています。

樹脂系サイディングとは、塩化ビニール樹脂を原料としたサイディング材です。日本国内では認知度が低くあまり使用されていませんが、海外では一般的に用いられておりアメリカでは外壁材の5割、カナダでは7割のシェアがあります。樹脂は水を吸収しないため凍害に強く、サビないので塩害にも強いことが特長です。
※出典:樹脂サイディングのQ&A 樹脂サイディング普及促進委員会 

 

欧米でよく使われる樹脂系サイディング

欧米でよく使われる樹脂系サイディング

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外壁の傷みを放置しておくと、建物の自体の寿命にも悪影響を及ぼします。定期的に点検を行い、適切なタイミングでリフォームを行いましょう。サイディングのリフォーム方法にはいくつかの種類があります。

既存のサイディング材を撤去して、新しいサイディングボードを張り直す方法です。壁内部に劣化や問題がないかをしっかりと点検することができ、断熱材の追加や柱の耐震補強工事などを行うことも可能です。既存のサイディングを撤去する工程のぶん工期が長くなり、廃棄処分の費用がかかるため工事費用が高くなる傾向があります。

 

張り替えは費用が高くなる…

張り替えは費用が高くなる…

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既存の外壁材の撤去を行わずに、上から新しいサイディングボードを重ね張りする方法です。張り替えに比べて工期が短く住み、廃材処理の費用がかかりません。また、既存のサイディングだけでなく、モルタル壁の上に重ね張りすることも可能です。ただし下地となる既存の外壁に反りやゆがみなど構造上の問題がある場合には、重ね張りができないこともあります。

サイディングの上塗り(塗装)

既存のサイディング材に劣化がない場合、もしくは躯体に影響を与えない程度の傷みがある場合には、塗装のみのリフォームで対応することが可能です。張り替えや重ね張りに比べて工事費用を大幅に抑えられます。外壁全体を洗浄し、コーキングの打ち直しおよび傷みの修繕をしたのちに、塗料を塗り重ねていきます。既存のサイディング材に光触媒コーティング・フッ素コーティングなど、汚れがつきにくい特殊な加工を施されている場合には、塗装が難しいこともあるので注意が必要です。

 

上塗りが可能かどうかの確認を

上塗りが可能かどうかの確認を

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サイディングボード自体はそのままに、継ぎ目のコーキング材のメンテナンスを行う方法です。既存の目地を撤去して新しく施工する「打ち替え」と、撤去せずに重ねて補充する「打ち増し」があります。

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更新日: / 公開日:2016.10.01