記録的な暑さだった2019年の夏

毎年多くの外国人観光客が訪れる浅草毎年多くの外国人観光客が訪れる浅草

2019年は夏の暑さのはじまりが遅く、10月上旬まで暑さが続き、心地よい秋があっという間に過ぎてしまったという印象の人も多いだろう。特に暑さの厳しかった7月末から8月中旬にかけて、全国の100地点以上で猛暑日が続き、さらに8月14日、15日には台風第10号によるフェーン現象が発生。新潟県や山形県、石川県など日本海側を中心に気温が上がり、6つの地点で40度を超える厳しい暑さとなった。特に新潟県の糸魚川では、最低気温が31.3度と全国の最低気温の記録を更新した。

日本人にとっても辛い暑さとなった2019年の夏。日本を訪問した外国人観光客はどう感じたのだろうか。

全体のおよそ9割が日本の夏が蒸し暑かったと回答

観光庁 観光統計調査室が2019年11月に「訪日外国人旅行者の夏の暑さに関する意識調査」を発表した。観光庁は、調査目的を「調査データを熱中症対策など、夏季の訪日に必要な情報を提供するために有効な手段を分析する」ためとしている。調査は、2019年8月に成田空港と羽田空港で日本から出国する訪日外国人を対象に実施された。

「東京の夏は蒸し暑かったですか」の質問に対して、「非常にそう思う46%」「そう思う43%」と、合わせて89%、約9割の人が日本の夏は蒸し暑いと回答した。特に、北米からの観光客は「非常にそう思う79.7%」「そう思う19.4%」と合計すると99%で、ほぼ全員が蒸し暑かったと感じている。

タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムが含まれ、ほとんどの地域が熱帯に属する東南アジアからの観光客も同様の傾向で、「非常にそう思う38.0%」「そう思う46.2%」を合わせると84%という結果となった。

2019年11月観光庁 観光統計調査室発表の「訪日外国人旅行者の夏の暑さに関する意識調査」より、「東京の夏は蒸し暑かったですか」の回答。左側が外国人観光客全体。右側が北米からの外国人観光客2019年11月観光庁 観光統計調査室発表の「訪日外国人旅行者の夏の暑さに関する意識調査」より、「東京の夏は蒸し暑かったですか」の回答。左側が外国人観光客全体。右側が北米からの外国人観光客

屋外でスポーツ観戦をしていたときに暑さを感じた人が7割

「どんなときに蒸し暑さを感じましたか」の質問に対しては、「屋外を歩いていたとき」の回答が93%と最も多く、「屋外でスポーツ観戦をしていたとき」が次いで70%となった。「鉄道やバスに乗っていたとき」にも暑さを感じたという人が38%おり、通常であれば冷房が効いている車内でも暑さを感じている人がいることから、湿度の高さによって体感温度が高くなっている可能性も考えられそうだ。

「蒸し暑かった」と回答した人のうち、8割以上が、東京の夏が蒸し暑いことを今回の訪日前から知っていたと回答しているが、やはり訪れてみたら予想を超えて蒸し暑かった、という結果だったのかもしれない。

2019年11月観光庁 観光統計調査室発表の「訪日外国人旅行者の夏の暑さに関する意識調査」より、東京の夏が蒸し暑かったと回答した人に「どんなときに蒸し暑さを感じましたか」と質問した回答2019年11月観光庁 観光統計調査室発表の「訪日外国人旅行者の夏の暑さに関する意識調査」より、東京の夏が蒸し暑かったと回答した人に「どんなときに蒸し暑さを感じましたか」と質問した回答

各省庁は訪日外国人向けガイドやリーフレットを作成

屋外スポーツ観戦をしているときに暑さを感じている観光客が多いことから、気にかかるのが開催を控える東京五輪での暑さ対策・熱中症の防止策だ。

消防庁では、熱中症の症状や対処方法、救急車の利用方法などをまとめた「訪日外国人のための救急車利用ガイド」を作成。環境省では、熱中症について知らせるリーフレット「Summer in Japan is hot and humid!」を作成、各国の領事館に向けて告知している。また、観光庁監修の災害時情報提供アプリ「Safety tips」は、2019年9月に対応言語を4ヶ国語から11ヶ国語に拡大した。緊急地震速報、津波警報などの災害情報がプッシュ通知で受け取れる機能に加えて、熱中症情報や、外国人受入可能な医療機関情報なども確認することができる。

せっかく日本を訪れてくれた観光客が安全で快適に過ごせるよう、関係省庁の連携による分かりやすい情報提供がさらに求められることだろう。

環境省作成のリーフレット「Summer in Japan is hot and humid!」環境省作成のリーフレット「Summer in Japan is hot and humid!」

調査概要

■調査の対象
日本から出国する訪日外国人(日本に入国しない通過客、乗員、1年以上の滞在者、永住者等を除く)
■調査手法
外国語および日本語での会話が可能な調査員による質問紙聞き取り調査
■調査日と調査港
2019年8月
羽田空港:24、30、31日
成田空港:9、23、24、25、26日
■調査手法
外国語および日本語での会話が可能な調査員による質問紙聞き取り調査
■有効サンプルサイズ
630票(うち北米110票、欧州・豪州172票、中国・北東アジア156票、東南アジア126票、その他66票)

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2019年 12月22日 11時00分