2017年の路線価全体は、前年比+0.4%と伸び率が上昇

国税庁は2017年7月3日、相続税や贈与税を算出するときの基準となる2017年分路線価を公表した。
路線価は、国税庁が道路ごとに1m2当たりの価格を定めており、毎年1月1日時点で評価される公示地価を参考に、その80%程度の水準になるように決められる。なお、2017年分の路線価は、2017年1月1日から12月31日までに発生した相続・贈与に関わる相続税・贈与税の計算に利用されることになる。
路線価は「不動産が接道している前面の道路」に評価額を付したものなので、例えば同じ銀座5丁目であっても、銀座通りに面していないところの路線価とは比較的大きな差が生まれるという特徴がある。道路幅員や主要道路であるかどうかで、近接していても路線価額自体に大きな違いが発生するため、相続税・贈与税の計算の際は対象となる路線価をしっかりと確認する必要がある。

2017年分の路線価全体の傾向を見てみると、標準宅地は前年比+0.4%の上昇と、前年の0.2%の上昇からさらに伸び率が拡大しており、リーマンショック以来8年ぶりの上昇となった前年に続いて2年連続の上昇となった。

東京、大阪、愛知などの大都市圏は引き続き上昇する一方で32県は下落

新聞報道によれば、上昇した都道府県は13都道府県と前年と比較して1県減少している。このうち、都道府県別の平均では、宮城県(+3.7%)が最も高い上昇率を示しており、次いで東京都と沖縄県が3.2%、福島県、福岡県の1.9%、京都府(1.4%)、愛知県、大阪府、広島県(いずれも+1.2%)北海道(+0.9%)、千葉県(+0.5%)、神奈川県(+0.4%)が上昇している。
特に、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府はいずれも4年連続の上昇、愛知県は5年連続の上昇となるなど、外国人観光客によるインバウンド需要の影響を受けたと考えられる大都市を中心に上昇が目立っている。

一方、昨年33あった下落した県は32県と1県少なくなった。1%以上、下落した県を見てみると、秋田県(▲2.7%)、愛媛県(▲2.0%)、三重県(▲1.7%)、福井県、山梨県、和歌山県、鳥取県、島根県(いずれも▲1.6%)、新潟県(▲1.4%)、鹿児島県(▲1.3%)、香川県、山口県(▲1.2%)、青森県(▲1.1%)となっており、昨年に引き続き、都市部と地方とで二極化する傾向にある。

なお、東京電力福島第1原発周辺の帰宅困難区域、居住制限区域などは、今年も引き続き、評価額を「ゼロ」としている。

東京・銀座中央通りはバブル期超の1m2あたり4,032万円に

また、都道府県庁所在地の最高路線価が上昇したのは27都市と昨年の25都市から高松、佐賀の2都市が加わった。このうち、東京、横浜、大阪、京都、神戸、札幌、金沢、仙台、広島、福岡の10都市は上昇率が10%を超えた。一方、変動率が縮小したのは秋田、水戸、新潟と前年より2都市減少した。

路線価の全国1位は、32年連続で東京都中央区銀座5丁目「鳩居堂」前となった。1m2あたりの価格が4,032万円と昨年から26.0%の大幅な上昇を記録し、これまで過去最高額だった平成4年のバブル直後の3,650万円を上回る結果となった。また、銀座の中央通りにおいては、「鳩居堂」の向かいに2016年に開業した「GINZA PLACE(銀座プレイス)」前、近接する「三越銀座店」前、「和光堂」前の4つの地点も同額の1m2あたり4,032万円となっている。中央通り沿いでは、2016年3月に「東急プラザ銀座」、2017年4月に複合施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」など、複合商業施設が相次いでオープンするなど再開発が進んでいる。

また、変動率が最も上昇したのは、3年連続で北海道倶知安町山田のニセコ高原比羅夫線通り。上昇率は前年比77.1%と過去3年で最も大幅な上昇率となった。

都道府県庁所在地の最高路線価上位10位。国税局『平成29年分の路線価等について』を元に作成都道府県庁所在地の最高路線価上位10位。国税局『平成29年分の路線価等について』を元に作成

調査概要

<目的>
相続税や贈与税において土地等の価額は、時価により評価することとされている。しかし、納税者が相続税等の申告に当たり、土地等についてご自分で時価を把握することは必ずしも容易ではない。そこで、相続税等の申告の便宜及び課税の公平を図る観点から、国税局(所)では毎年、全国の民有地について、土地等の評価額の基準となる路線価及び評価倍率を定めて公開している。

※評価方法などの詳しい情報についても、国税庁のHPを参照

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2017年 07月24日 11時05分