人口の4分の1が高齢者 世界で最も高い高齢化率の日本

日本の人口が、2010年の1億2,806万をピークに減少局面に突入した。(国勢調査より)日本の総人口は、2015年10月1日時点で1億2,711万人である。うち65歳以上の高齢者人口は3,392万人、高齢化率は26.7%であり、4人に1人が高齢者となる。HOME'S PRESSでは日本の人口減少について触れてきたが、今回は内閣府発表の平成28年版高齢社会白書より、高齢者人口について注目したい。

まず、世界の人口と高齢化の状況について見てみよう。2015年の世界の総人口は73億4,947万人、そのうち65歳以上の高齢者人口は6億818万人であり、世界の65歳以上人口比率は8.3%である。しかし、この比率は先進地域で高い傾向にあり、開発途上地域と先進地域では大きく異なる。2015年の先進地域の65歳以上人口比率は17.6%、開発途上地域では6.4%と、10%以上の差があるのだ。
65歳以上人口比率は、先進地域、開発途上地域ともに上昇傾向にあり、1950年の世界の65歳以上人口比率は5.1%であったが、2015年で8.3%に上昇、2060年には18.1%になると予想されており、世界的に見ても高齢化が急速に進行することが分かる。
その世界において、最も高い高齢化率であるのが日本で、先進国のなかでも例を見ないほど急速に高齢化が進行している。2060年に先進地域の65歳以上人口比率は27.4%になるとされているが、2020年の日本の65歳以上人口比率は29.1%と予測されており、他の先進地域よりも40年以上早く高齢化が進行しているのだ。
高齢化率が7%から14%になるまでの所要年数を比較しても、その差は顕著である。フランスが126年、スウェーデン85年、ドイツが40年、イギリスが46年であるのに対して日本は、1970年に65歳以上人口比率が7.1%になり、その後も増加を続け、24年後の1995年には14.6%になった。
世界的に高齢化が進行するなか、最も早く高齢化が進行する日本。今後の日本の人口はどうなっていくのだろうか?

平成28年度版高齢社会白書より、世界人口の動向等平成28年度版高齢社会白書より、世界人口の動向等

2060年の高齢化率は39.9%、2.5人に1人が65歳以上に

国連の報告書では、65歳以上の高齢者人口が7%を超えると「高齢化社会」と定義されている。さらに14%を超えると「高齢社会」となるのだが、日本は24年で高齢化社会から高齢社会に変化したことになる。わずか24年で大きく変わった日本の人口動向だが、2060年の未来はどうなると予測されるのか、2012年1月に国立社会保障・人口問題研究所が推計した「将来推計人口」より見てみよう。

総人口は、2030年に1億1,662万人に、2048年には1億人を割り9,913万人、さらに2060年には9,000万人を割り込み8,674万になると推計されている。人口減少のなか65歳以上の高齢者人口は増加を続け、2025年に3,657万人、2042年には3,878万人になるとされている。だが、この2042年をピークに高齢者人口も減少すると予測されている。
人口減少に加え、高齢者人口の増加もあり高齢化率も上昇し、2035年には33.4%と、3人に1人が高齢者となる。2042年には高齢者人口のピークに達するものの、65歳以上の人口が出生数を上回り高齢化率は上昇を続ける。2060年には39.9%となり、約2.5人に1人が65歳以上の高齢者に、4人に1人が75歳以上の後期高齢者になるとされている。

平成28年度版高齢社会白書より、高齢化の推移と将来推計平成28年度版高齢社会白書より、高齢化の推移と将来推計

現役世代1.3人で1人の高齢者を支える未来がやってくる

高齢化と同時に少子化も進行し、出生数は減少を続ける。厚生労働省の人口動態統計の年間推計によると、2016年の出生数は100万人を割り込み98万1,000人に、出生率(人口千対)は7.8 と推計されている。将来推計人口によれば2060年には出生数が48万人まで減少し、出生率は5.6になると予想される。
出生数の減少もあり、15~64歳の現役世代と高齢者の比率も大きく変化していくこととなる。1950年には1人の高齢者に対して、15~64歳の現役世代が12.1人いたが、2015年には高齢者1人に対して現役世代は2.3人に、2060年には1人の高齢者に現役世代が1.3人という比率になる。
平均寿命は男女ともに延び、2014年の平均寿命男性が80.50年、女性が86.83年であったが、2060年には男性が84.19年、女性は90.93年と、それぞれ3~4年寿命が延びることとなる。

高齢化による影響として高齢社会白書では、社会保障給付費と高齢者関係給付費の増加を挙げている。社会保障給付費(年金・医療・福祉その他を合わせた額)は、2013年度は110兆6,566億円となり過去最高の水準であった。社会保障給付費のうち高齢者関係給付費は、2013年度は75兆6,422億円と、前年度から1兆5,418億円増加している。
社会保障給付費や高齢者関係給付費の増大もさることながら、高齢化による影響は多方面に渡る。2060年と聞くと遠い未来のように感じるかもしれないが、今まさに直面している課題も多々あることは認識の通りである。

高齢者白書では、高齢者を取り巻く周囲の環境、家族や介護者などについても調査をしている。
次回は、高齢者白書で触れられた高齢者の家族構成、介護者の状況について取り上げたい。

平成28年度版高齢社会白書より、高齢世代人口の比率平成28年度版高齢社会白書より、高齢世代人口の比率

報告書概要

報告書:平成28年版高齢社会白書
内閣府は高齢社会対策の実施状況や高齢化の状況、高齢者の家族や世帯などに関するデータを明らかにすることを目的に、高齢社会白書を作成している。

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2017年 01月30日 11時05分