人口減少化社会に突入した日本。高齢化率は過去最高に

前回、「ついに日本の人口が減少。1920年の調査開始から初」の記事で、日本が人口減少化社会に突入したことをお伝えした。今回は、2016年6月29日に発表された平成27年国勢調査の速報集計より、人口減と同様に進行する高齢化について取り上げたい。

総人口を、15歳未満、15~64歳、65歳以上の3つに分類すると、15歳未満は1,586万人、15~64歳は7,591万人、65歳以上は3,342万人だった。割合を前回調査時の平成22年と比較すると、15歳未満は13.2%から12.7%と0.5%減少、15~64歳も63.8%から60.6%と3.2%減少、65歳以上のみ、23.0%から26.7%に上昇した。65歳以上人口の割合は、調査を開始した大正9年以降、最高となった。
65歳以上の割合は、1985年に10%を超えてから、年々増加し、20年後の2005年には20%以上となり、今回の調査(2015年)で26.7%となった。
この割合は、世界で最も高い水準である。日本の次に65歳以上割合の高いイタリアは22.4%、次いでドイツは21.2%。イタリア、ドイツが5年間でおおよそ1~2%上昇するのに対し日本は3.7%上昇しており、急速に高齢化が進行していることがわかる。

65歳以上の人口の割合推移(諸外国との比較)1950年~2015年<br>平成27年国勢調査速報集計より65歳以上の人口の割合推移(諸外国との比較)1950年~2015年
平成27年国勢調査速報集計より

65歳以上女性の5人に1人が一人暮らし

では次に、65歳以上の割合を地域別で見てみよう。
最も割合が高かったのが秋田県で33.5%、次いで高知県の32.9%、島根県が32.6%であった。41道府県において割合が25%を超えており、ほぼ全国的に4人に1人が高齢者であるといえる。一方で、最も低かったのは沖縄県の19.7%、次に東京都22.9%、愛知県は23.8%となっている。
前回調査まで、全国で唯一、沖縄県が15歳未満の人の割合が65歳以上の割合を超えていたが、今回の調査でこの割合が逆転し、全都道府県で初めて65歳以上の割合が15歳未満を上回る結果となった。全国の平均年齢も前回調査の45歳から今回は46.4歳と上昇した。

65歳以上の人の居住形態を見てみると、全体の16.8%が単独世帯である。男女別でみると、単独世帯のうち179万人が男性、383万人が女性で、女性の方が2倍ほど多い。65歳以上の男性のうち8人に1人、65歳以上の女性のうち5人に1人が一人暮らしをしている。これは男女の平均寿命の差と、「死別」、「離別」が女性の方が割合が高いことも理由として考えられる。

うち、老人ホームなどに該当する「社会施設の入所者」は168万人と、前回調査の120万人と比較し1.4倍と大きく増加した。特に女性の単独世帯の上昇が大きく、92万人から127万人に増加した。男性の入居者が40万人であり、約3倍ほど女性の入居者の方が多いこととなる。

年齢(3区分)別人口の割合より、65歳以上の割合上位10位を抜粋<br>平成27年国勢調査速報集計より年齢(3区分)別人口の割合より、65歳以上の割合上位10位を抜粋
平成27年国勢調査速報集計より

2025年には250万人の介護職員が必要と推測されるが…

高齢者の増加に伴い、有料老人ホームの届出数も急増している。その背景には、2000年の介護保険制度の創設により、民間事業者による運営がしやすい環境が整備されたことや、2006年の老人福祉法の改正によって有料老人ホームの定義が改定され、定員要件の廃止や対象サービスの増加が行われたことが挙げられる。その結果、1989年には施設数が155、入居定員が15,742人であったが、2013年には施設数は8,499、入居定員は349,975人まで増加した。

介護人員も同様に、2000年の介護保険制度の創設以降、当時の約55万人から増加を続け、2013年には約171万人となっている。
とはいえ、介護分野の有効求人倍率は依然として高い水準であり、(2013年で1.82倍)充分な人員が確保できている状態であるとは言えない。さらに、現在の団魂の世代の人たちが現役を引退する2025年には、約248万人の介護人材が必要と推計されている。一方で、先に述べた15歳から64歳の生産年齢人口の割合は減少傾向にあり、2025年には約30万人の介護人材が不足するとの見通しがされている。

そう遠い将来ではない2025年、生産年齢人口の割合が減少するなか、さらに介護人員の質と量の確保が必要となる。国の処遇改善や労働環境の改善、離職した介護人材の再就業支援や、各都道府県による独自の働きかけなど、さまざまな施策が進めれられている。
人口減少化に突入した日本。労働人員の確保は、介護職のみならず現在人員が不足している業界にとっては、深刻な問題となる可能性をはらんでいる。

有料老人ホーム数の推移 「有料老人ホームの概要」 厚生労働省より抜粋して作成有料老人ホーム数の推移 「有料老人ホームの概要」 厚生労働省より抜粋して作成

平成27年国勢調査の概要

■調査の目的
国勢調査は、我が国の人口、世帯、産業構造等の実態を明らかにし、国及び地方公共団体における各種行政施策の基礎資料を得ることを目的として行われる国の最も基本的な統計調査である。調査は大正9年以来ほぼ5年ごとに行われており、平成27年国勢調査はその20回目にあたる。

■調査の時期
平成27 年国勢調査は、平成27 年10 月1日午前零時現在によって行われた。

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2016年 08月02日 11時09分